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どう使う?マーケターが知りたい行動経済学のあれこれ

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マーケティングの大家、コトラー教授は「行動経済学はマーケティングの別称である」と言ってます。専門用語が多くてとっつきにく印象のある行動経済学の理論を取り上げてマーケティング施策へ…
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#損失回避性

保有効果を一層高めるファン・マーケティングとは-行動経済学の理解と実践63

保有効果とは、自分が一度所持してしまうと持っていない人よりもそのモノに対して高い価値を感じてしまうことで、認知バイアスの一種とされています。 コーヒーメーカーをオフィスに設置してカートリッジを定期購入する「〇〇〇〇〇アンバサダー」も無料でコーヒーメーカーを貸与することで手放したくないという思いを喚起する保有効果を狙ったマーケティングです。 他にも、DMに「あなたに無料プランを差し上げます」的なメッセージも保有効果を狙ったものと言えるでしょう。無料でも一度もらってしまうと自

合格祈願のご利益が高い理由とは 確率加重関数-行動経済学の理解と実践53

学校受験や資格試験の際に神社にお参りして絵馬などに合格祈願をしたことって一度くらいはあるのではないでしょうか? 私もそういう時には割とちゃっかりと神社とかで神頼みしてしまうタイプの人間です。 気持ちの問題ですから、お参りすれば「あとは自分が頑張るだけ」みたい思えるのでいいと思います。 私と同じように神社やお寺の参拝にご利益とか考えない人も多いと思うのですが、行動経済学的にご利益を高いと感じる理由を説明することができます。 確率加重関数です。 確率加重関数とは 確率

サブスクがやめられない理由は損失回避性にあり!?-行動経済学の理解と実践4

100万円をもらえる喜びか失う悲しみ。 おおかたの人は、後者の方の精神的なダメージが大きく感じます。 それは、プロスペクト理論の「価値関数」で表現されています。 人はあることに対する喜びが1とすると、同じ程度の悲しみは2.25倍に感じるのだそうです。そのため、できるだけ損失を避けたいと願う「損失回避性」を持っているとされています。 「スポーツクラブの会員になって当初は週3回以上通って元をとっていた。でも、しばらくすると熱意が冷めて月2-3回になった。入会金も払っている