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どう使う?マーケターが知りたい行動経済学のあれこれ

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マーケティングの大家、コトラー教授は「行動経済学はマーケティングの別称である」と言ってます。専門用語が多くてとっつきにく印象のある行動経済学の理論を取り上げてマーケティング施策へ…
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#心理学

良いことばかりも悪いことばかりも続きません-平均への回帰-行動経済学の理解と実践67

2024年になりこれから新しいスタートというときに、日本では地震、飛行機事故と悪いニュースが続きました。そんなこともあって、SNS等で2024年は災厄の年なんじゃないのか、というような不安な書き込みがあるそうです。 被害に遭われた方々には心からお見舞いしたいと思いますし、微力ながら個人としてできることはないのかとこれからも考えていきたいと思います。 それはそれとして、やはり2024年をよりポジティブな気持ちで過ごせるよう、今回のテーマは平均への回帰にしたいと思います。

「思わず押してしまう」アフォーダンス理論とは

子供の時に、バスの降車ボタンを押したいからタイミングを待って早押しした経験のある人って多いのではないでしょうか? 実は、私、今でも降車ボタン押すとちょっとだけ気分が盛り上がります。 以前に、降車ボタンのおもちゃが売れているという記事を読んだ時に、売れる理由がわかるような気がしました。 この記事では、ボタンがあるとついつい押してしまうというのは認知心理学におけるアフォーダンスがあるからだとしています。 アフォーダンスは、人間の感覚(五感)に働きかけるマーケティングやプロ

理由に基づく選択とは-行動経済学の理解と実践65

「理由に基づく選択(Reason-based CHoise)」仮説は、人間は効用の最大化ではなく十分な理由があって選択することに自己を正当化するだけの理由があれば、その理由に基づいた選択を行うと考えるものです。 心理学のエイモス・トベルスキー先生、行動科学者のエルダー・シャフィール先生らによって提唱された理論です。 従来の経済学では効用関数モデルといって、合理的に判断して予算の範囲の中でもっとも大きな効用(ベネフィット)を得ることができるものを選択することを前提にしていま

本気で信じでれば実現します ピグマリオン効果-行動経済学の理解と実践43

ギリシャ神話でピグマリオンという現実の女性に失望していた王が彫刻の女性を愛情をもってそばにいたら神様が人間に生まれ代わらせてくれたという話からきています。 「豚もおだてれば木に登る」とことわざではブタをおだてると小馬鹿にしたようにも聞こえますが、相手の良さを信じてあげることで想像以上の成果を上げることができることのたとえです。 幼児教育でも「ほめのび」といって、叱るよりもほめることで子供がやる気なってくれるという話をよく聞きます。 ピグマリオン効果は、アメリカのハーバー