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あけましておめでとうございます

外部サイトギャラリージャパンでも作品がご覧になれます https://galleryjapan.com/locale/ja_JP/artist/9325/
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あけましておめでとうございます。
漆芸作家の浅井康宏です。
年始はいかがお過ごしですか?僕は少し作業して帰って読書したり、食べて、寝てたりしております。

前回の記事でちょっと目標を失っていると書きましたが、
それでも今年やってみたいことがいくつかありますので、書いてみます。

植栽イベント

漆の植栽は毎年やっていますが、今年はイベントを行おうと思います。
キャンプファイヤーメンバーさんと一緒に
昨年送っていただいた、苗を本植えしたいと思っております。
(経緯、2年前から「漆を種から育てよう」という活動をおこなっており、みなさんから発芽した苗を送ってもらいました。現在、苗床で育っているものを移植します。)
3月に行おうと思っておりますので、ご参加いただければと思います。

ちなみにキャンプファイヤーコミュニティというのは僕の活動を紹介したり、図録や作品をリターンするコミュニティです。よかったら覗いてみてください。
https://community.camp-fire.jp/projects/view/274486

お椀制作

実は今まであまり食器を作ってきませんでした。
理由は「漆芸の未来は芸術性で開く」と考えて活動してきたからです。
つまり、芸術作品としての蒔絵であり、漆を表現する以外の活路が見えなかったのです。

だけど、この考え方に基づいて活動して行くと
個人で使用する漆の量は年間に2キロで足りてしまうんです。
「漆芸の未来を開く」のに、漆を2キロしか使わないのは
国産漆の衰退を招くように思えました。
今後も植栽を加速させ、使用量を増やしながら漆文化の発展を願うなら何をしたら良いのか考えた時に、松田権六の考えが思い出されました。

私たち日本人は、子供の時から朝夕漆器のお椀や御膳に接してきた。あの独特な深みのある朱や黒の色艶、ねっとりとした温かみのある感触に親しんできた。ところが、今の若い人は多くの新しい人工的な、味も素っ気もない化学製品によって育てられて、漆器の本当の美しさに対する認識も鑑賞も薄れた(中略)私はなんとかして庶民的な漆器の良さを普及させたいと思った

「うるし話」参照

今、日本国内における漆液は中国産の漆に頼り切っており、使用量の95パーセントは輸入されたものです。決して中国産が悪いわけではありません。
しかし、90パーセント以上を頼っている産業ってあまりにも脆いんです。
例えば、中国の人件費が高騰して中国産漆の価格が上がれば、ほとんどの漆器産業は壊滅的な打撃を受けると思うのです。

それを避けるためには、国産漆の復興と共に需要の創造が必要です。
今年からそれをしてみたいのです。
まずは三種類

○蓋付きのお椀
○夫婦椀
○子供椀

この三つを松田権六が思い描いた制作方法で制作してゆきます。
どのような方法かというとポイントは三つ
1、桧の縦木を使う
2、国産の漆を使う
3、下地を行わず、上質な漆のみの塗り重ねることで丈夫な漆器を作る
細かく説明したいところですが、上記の説明はこの計画が進む段階で書きたいと思います。

いずれにしても難しい内容で
檜の縦木を入手するのが難しい、国産のみ使うなんてコストが合わない、塗りだけを10回行うなんて産地のやり方にない。
などの問題がありますが、今の僕の状況ならなんとかできる気がします。

アクセサリー制作

和光でのグループ展で
ある女性がアクセサリーを見せてくれました。
「浅井さんの作品をこうやって使ってみました」と言って見せてくれた首元に僕が作った帯留をネックレスのような仕様で使っていただけていて
「すごくいい!!」と感動しました。
帯留は本格的な和装を求められるけど、こういう首元のお洒落に使ってもらえるなら作る方も色々バリエーションが考えられると感じました。
僕の作品は以前から金属のパーツとの組み合わせも多く、
金属と漆のデザインは日々積み重ねてきました。
その中で生まれたものを形にしたいと思います。


今年はグループ展も個展の予定も入れておりません。
和光のグループ展が終わった後、「これから何をしようか」と呆然としましたが、どうも予定を入れる気にならなくて。それは40代に突入するというプレッシャーもあってだと思いますが、「とにかく作るしかなくて、その中で答えを見つけてゆく」そういう一年にしたいと、今は思います。

本年もどうぞよろしくお願いします。
2022/1/2 浅井康宏

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