トランスクリエーション思考:ロレックスのレモン搾り機
ロンドンにある英国王立芸術大学院のイノベーション・デザイン・エンジニアリング学科で、私はMPhil(日本ではあまり馴染みのない「研究修士」と呼ばれる課程)に所属していた。通常の修士課程の授業にもいくつか参加させてもらったことがある。そのうちの一つに「既存のブランドの架空の製品を作る」というものがあった。世界的によく知られた企業が「出さないであろう」製品を、「もし出したとしたら」と想像して、3人1組のチームに分かれて実際に試作品を組み上げるところまでやってしまうのだ。与えられた