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MUSASHI ROCK FESTIVAL2022 / 2022年2月12日@豊洲PIT

3回目の開催となるMUSASHI ROCK FESTIVAL、通称ムサフェスに参加してきました。

場所は豊洲PIT。ライブがないとなかなか来ない場所ですね。最寄り駅は新豊洲。2019年、前回のムサフェスで来て以来。

ムサフェスは元K-1ファイターでヘヴィ級ファイターであった武蔵選手がその広い人脈を活かして開催するロックと格闘技の融合したイベント。武蔵が「俺は格闘技とロックが好きなんです、だから好きなもの二つ両方観れるイベントを開催しました」と開催動機を述べている通りのコンセプトで、バンドはメタル系(というかラウドロック系)が中心。昔ってプロレスの入場曲と言えばハードロック、ヘヴィメタルでしたよね。最近はいろいろバリエーションが増えていますが、もともと格闘技と激しい音楽(含むメタル)ファンは重なるところが多い。

当日のタイムテーブル

当日は約5時間にわたり、5組のバンドと2組の試合が交互に行われる「格闘技とライブの激突」と言えるイベント。何気にかなり豪華なメンツな気がします。なお第一回が「セックスマシンガンズ、ラウドネス、マキシマムザホルモン」というメンツだったし、けっこう普通のフェスだとヘッドライナークラスのアーティストを身近で見れる穴場なイベント。今年はまん防のタイミングとはいえたぶん400人~500人(アーティストによって人が入れ替わっていたので延べだともっといたと思いますが)の観客。めちゃステージまで近い。もっと知名度出てもいいイベントな気がします。

出場バンド5バンドの紹介とライブの感想を書いていきます。

オープニング
主催者の武蔵

オープニング、開催挨拶を経てまずはライブがスタート。1発目は今やベテランとなったSex Machineguns(セックスマシンガンズ)。

Sex Machineguns

マシンガンズはけっこうライブを観たことがあります。それこそメジャーデビュー前、学園祭ライブで筋肉少女帯の前座をやっていた時に見たのが最初だったかな。当時TVでやっていた「えびす温泉」という番組があり、鈴木慶一とYOUの司会でいろいろなバンドを発掘する「イカ天」リバイバルみたいな番組がテレビ朝日でやっていたんですよ。イカ天と同じアミューズ企画なのでイカ天の正統な後継番組とも言える。そこで「みかんのうた」で堂々勝ち抜いていって知名度を得たのがセックスマシンガンズ。一時期は武道館公演をするほどのバンドになりましたが活動休止などを経てやや失速したものの現在も元気に活動中。ボーカル兼ギターのAn-Chang(アンチャン)のハイトーンシャウトが今日も響き渡っていました。ムサフェスは毎回マシンガンズがオープニングを務めるという伝統があるようで、3回目の出場。

なぜかめちゃくちゃライブの音がでかいんですよね。音量を上げすぎて音はダンゴになるし音割れ寸前、という。前回のムサフェスでも見たし、他のライブハウス(渋谷サイクロン)で見たときもこうだったので意図的にやっているんでしょう。20年前はこんなだったかなぁ、、、当時から音は大きめだったかも。爆音で音の塊がぶつかってくる感じなので、最初のライブから耳がやられます。演奏も普通にタイトなんだからもうちょっとクリアにしてもいいと思うんですけどね。

ここ数回見た中ではアンチャンのコンディションが最高。めちゃくちゃ声が出ていたしギターもタイトでした。選曲も「みかんのうた~TEKKEN2~(知らん曲)~ONIGUNSO~BURN」と盛り上がる流れ。Burn久しぶりに聞きましたがやはりいい曲ですね。

続いて2組目、a crowd of rebellion。

a crowd of rebellion

新潟出身のメタルコアバンド。wikiによれば「a crowd of rebellion(ア・クラウド・オブ・リベリオン)は日本のメタルコアスクリーモバンドである。略称はacor。2007年結成。スクリーモをメインとした音楽性と、ツインヴォーカルが特徴であり、自らの音楽性をスクリーモと出身地新潟の名産であるコシヒカリから「コシヒカリーモ」とも称する」とのこと。コシヒカリーモ! ぜんぜんそんなコミカルな感じはなかったですがそういうセンスも持っていたのか。

マシンガンズがめちゃくちゃ音量上げていたせいでちょっと耳がやられていたんですよね。で、このバンドもマシンガンズの影響か音量がやや上げすぎで高音が耳に刺さる。ちょっと耳の限界が来ていてあまりよく分からず。熱の入ったパフォーマンスだったと思いますが、「最近のバンドだなぁ」ぐらいの印象でした。あとからMV見たらなかなかカッコよかった。ライブよりスタジオの方が(今のところ)印象が良い。

このあと第一試合 麻原将平VS前口太尊 のエキシビジョンマッチを経て三組目Garneryus(ガルネリウス)のライブ。

Garneryus

GALNERYUS(ガルネリウス)はWikiによれば「2001年にギターのSyuと前ボーカルのYAMA-Bを中心に大阪で結成され、2002年にIRON SHOCKレーベルよりシングル『REBEL FLAG』でメジャーデビュー。数回のメンバーチェンジを経て、2009年に、ミリオンセラーのソロキャリア(「You're the Only…」のヒット)を持つ小野“SHO”正利をヴォーカリストに迎えてから人気を上昇させた。」とのこと。日本人で透き通った系のハイトーンボーカルだと第一人者とも言える小野正利を擁するバンドです。Syuもネオクラシカルなギタリストであり、全体的には様式美(リッチーブラックモア~レインボウ~Dio)の流れを汲むパワーメタルながら、メロディは日本的というかアニソン的なところもあるジャパニーズメタル。「北欧メタル」には特有のメロディセンスがあるように「ジャパニーズメタル」にも特有のセンスがあります。歌詞も日本語。言語はメロディと表裏一体なので日本語で歌うのは個性ですね。

これはボーカルが凄かった。スタジオ盤よりもパワフルで伸びやか。バンドも全体的に演奏が上手く、ちょっとたとえとして適切か分からないけれどドリームシアターとかOpethみたいな「じっくり聴きたい」バンド。暴れる、飛び跳ねる系のバンドが多い中でちょっと異質でした。席があるホールでゆっくり見たい。ボーカルもとにかく上手いし、「演奏力と良質な楽曲に酔いしれる」系ですね。ヘドバンもしようと思えばできるけれど、本質は純音楽的に鑑賞するバンドな気がしました。

そして4組目、Rottengraffty(ロットングラフィティ)。

Rottengraffty

1999年、京都で結成されたハードコア、ミクスチャーバンドだそうで、僕にとっては初接触。最初ラップメタルとかニューメタル系で「最近のバンドなのかな」と思っていたらデビュー20年以上のベテランだったんですね。安定感あるなぁと思って観ていたら納得。ツインボーカルで、片方はV系の歌い方(ソフィアの松岡充とか清春とかを個人的に思い出した)、もう片方はもうちょっと青春パンクというかガガガSPとかモンゴル800みたいなストレートな熱血な歌い方で、二人ともクリーントーンとグロウルを使い分ける、というダブルボーカル体制。キャラクターがぱっきり違っていて面白かった。

ルックスは髪の色がカラフルだったし体系も凸凹コンビ的で芸人かYoutuberにも見えるコンビだったのだけれど、音楽はガチでかっこよかったです。個人的には一番今回のライブで盛り上がった。飛び跳ねる感じの会場にも合っていたし、曲のバリエーションもニューメタル、メタルコア的な楽曲から比較的ストレートな青春パンクみたいな曲までバンドの積み上げてきた歴史と変遷、引き出しの多さを感じさせました。いいバンドに出会えた。フェスは知らないバンドとの出会いの場。

5組目、本日のトリを務めるのがCrossfaith(クロスフェイス)。

Crossfaith

クロスフェイスは2006年に大阪で結成されたメタルコアバンド。名前は知っていました。海外のフェスDownload UKにも出ているし海外でも評価されているバンド、というイメージ。ただ、聴く/観るのは初めて。

人気があるのは良く分かるバンドでした。まずステージングが上手い、各プレイヤーのキャラクターがたっているし、分かりやすくノレる。飛び跳ねる系だとかなり完成度が高い。Slipknotからパーカッションを抜いた感じ、というか、ビートを弱くした感じ。これはこの日の音響もあるかも。今まで音が大きすぎたのか、けっこう音は小さめ(その分バランスは良かった)。音の構成要素が多いから爆音にするとバランスが崩れるんでしょうね。完全にビート主体、ドラム主体の音楽に感じたので(ギターはあまり存在感なし)もうちょっとビートが強くてもよかったかも。マッドカプセルマーケットとかからの流れなんでしょうかね。あまりメロディアスではない(洋楽的)な感じ。ピッチシフターとかミニストリーとか、いわゆる90年代のインダストリアルメタルを連想しました。これはもっと何も気にせず暴れまわるライブの方が楽しめるんだろうなぁ。そこそこボーカルの音量が大きかったのだけれど、ボーカルフレーズはほとんど記憶に残らず。たぶん、本来は大合唱とかが生まれるんでしょうね。飛び跳ねながら叫ぶ系。

メタルコアのシグニチャーサウンドであるブレイクダウンを織り交ぜ、緩急のつけ方のうまさは流石。このライブ映像とかめちゃカッコいい。

この後ヘヴィ級の試合 山下 力也(道真会館)対ジャイロ楠(ブラジル TEAM JAIRO)が行われ、イベントは終焉。

山下力也 VS ジャイロ楠

以上、5時間以上に及ぶロックと格闘技の祭典、ムサフェスが終了しました。全体としていいイベントながら発展途上。このコンセプト(格闘技×メタル)は面白いのでもっと大規模になって欲しい。ポテンシャルはあるイベントだと思います。海外バンドや外国人選手がよべるようになったらラウドパークを越えるイベントになるかも。H.I.P.(Knotfestをやっているプロモーター)がサポートしているので、いっそのことKnotfestともコラボしてほしい。国内でアリーナとかドームクラスができるイベントになるポテンシャルはあると思うんですけどね。まだ実験的にいろいろ試している段階なのかな。今回もアーティストだけで言えばかなり豪華(=集客力がある)だったし、もっと告知すれば一回り大きい会場でもできたはず。本格的なフェスティバルに育っていくのか、楽しみなイベントです。

最後の記念撮影、この試合のリングアナにマキシマムザホルモンのダイスケはんが来ていました。

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