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Road To Download UK①:「行けんのか!? ダウンロード」

Download Festival。2003年からUKのキャッスル・ドニントンで行われてきたロックフェスティバルで、もともと1980年代から続いていた「モンスターズ・オブ・ロック」の流れを汲むフェスです。モンスターズ・オブ・ロックはHM/HR系のバンドが多く出演し、その様子を録音したライブアルバムも多くリリースされてきました。

人にはそれぞれ夢があります。僕の夢の一つが「ドニントンでアイアンメイデンを観ること」。僕の音楽の原体験だからです。

1992年、アイアンメイデンはモンスターズオブロックにヘッドライナーとして出演し、その様子が「Live At Donington」として1993年にリリースされました。

リリース当時のアルバムジャケット、海賊盤的なイメージだが公式盤

この時の様子はVHSでもリリースされ、それが人生で初めて見たメタルのライブだったんですよね。見たことのない大観衆、皆が一斉にメロイックサインを掲げ、ギターソロでは大合唱が起きる。それまで観たことのない世界だったし、「世の中にはこんなにメタル好きがいるんだ!」「これだけ多くの人を団結させるメイデンってなんて凄いバンドなんだ!」と衝撃を受けました。メイデンってまた独特のファンコミュニティがあってメイデンファン同士の結束力も堅い。「メイデントライブ(部族)」とも言われる団結があり、「メイデン好きに悪い奴はいない」みたいな妙な連帯感を僕も感じています。そういう「団結感」みたいなものも映像から伝わってきて強い憧れを持ったんです。「いつかここに僕も参加してみたい」と。

2020年、来日予定だったLegacy Of The Beastツアー

時は流れて2020年、本当なら5月にアイアンメイデンが来日するはずでした。40年にわたるキャリアを振り返る「Legacy Of The Beast」ツアーの日本公演が5月に予定されており、チケットを取って心待ちにしていましたがコロナ禍で中止に。仕方ないなと思いつつ落胆しました。コロナが出始めたのは2020年1月からで、騒がれ始めたのは3月、4月ごろだったと思います。2020年5月は今振り返ってみるとコロナ禍の始まりの頃でしたね。ギリギリまで「どうなるんだろう」がわからない時期でしたが結局中止に。そこから年末まで、予定されていた来日公演は悉く延期・中止となっていきます。それまで月1以上はライブに通う生活だったのでぽっかりと生活ルーティンに穴が開いてしまった。

そして翌2021年。Download Festival UKの「2022」のラインナップが発表されました。そこには「ヘッドライナー:IRON MAIDEN」の文字が。

最初の告知、各日ヘッドライナーのみ決定

この時急に「そうだ、ドニントンでメイデンを観よう」と思ったんですよね。来日しないなら、観に行けばいい。それもあのドニントンに。

時々「海外まで好きなバンドを観に行く」って人がいますよね。たとえばBabymetalとかはけっこう海外まで遠征に行くファンがいる印象。そういう人を見て「すごいなぁ」とは思いつつ、出費がすごそうだし海外一人旅したことがないし、いろいろなハードルがあるからそれまで自分でやろうと考えたこともなかったんです。

だけれど、「ドニントンでメイデンを観る」という考えが頭に浮かんだ以上、いろいろと調べ始めました。まずはネット検索。最初にたどついたのがこのブログでとても参考になりました。

とりあえず、まずは「いくらかかるのか」を調べることに。

・チケット代は4万円しないぐらい(キャンプサイトとかいろいろあるけれど、基本的な3日間通しチケットだと237.75£≒37,000)。
・かかる費用は宿代で1泊1.5~2万ぐらい(もちろんもっと安いところもありますがそうなるとドミトリーとかゲストハウス。普通のビジネスホテルとかペンションレベルだとこんな感じ。全体的にUKはホテル代高め)。フェスが3日間だから、前後1泊で5泊6日だと10万見ておけば足りる。
・飛行機はマイルで行ける(これは僕がJALマイルを貯めていたから。片道22,500マイル、往復45,000マイル。ちなみにホノルルまでは往復40,000マイルなのであまり変わらない)。燃油サーチャージは往復で4万円ぐらい?(最近原油価格が高騰しているので急に高くなった、時期により違う)
・ヒースロー空港(ロンドン)からドニントンがあるダービーまでは高速鉄道の移動が必要で、これはだいたい片道1万円(66.5£)ぐらい。

合計すると、飛行機チケットがマイルで賄えそうなので20万強で旅行そのものは可能そうだと判明(食費・お土産などは除く)。いろいろ行ったら買い込むだろうけれど、だいたい30万あれば行けるのかと試算。

面白いもので、こうした「いくらかかるのか」が具体化すると動きやすくなります。チケット発売に合わせて検討を始めたのが2021年の2月ごろなので、そこから考えると1年3か月先。15か月なので月2万貯めておけば旅行代金が賄える結果に。+αで欲しいものもあるだろうから月3万程度の「ダウンロード貯金」を決意。

そして2021年3月にチケットを購入し、飛行機のチケットを取り、一部の日程(とりあえず埋まりそうだったドニントン周辺の日付のみ、前後1日づつロンドンに泊まる予定だけれどこちらはまだ取っていない)は宿を取り現在に至ります。

チケットを取った2021年3月時点では「いくらなんでも2022年6月には収まっているだろう」と思っていたコロナ禍が現在も思い切り継続中。タイトルの通り「行けんのか!?」という状態ですが、年も明けたしそろそろ本格的に準備や計画を始めることにしました。自分自身の整理とこれからDownload Festivalに行きたい、と思う方のために記事として残しておこうと思い連載として書いていきます。

最後に、僕の原点となったアイアンメイデンの1993年のライブ映像を貼っておきます。この風景が見たいんだ。

続く。


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