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【大往生したけりゃ医療とかかわるな】(著:中村仁一)を読んで

本書からのアクションプラン
【親に本書を勧める】

前回の巡礼本と同じく図書館で目についた本です。
内容的に自分の考えとほぼ同じであり、「自分の考えの答え合わせ」のための読書という形になりました。
主にがん治療に対するアンチテーゼとして書かれています。
この本から学びは「死を考えるこそ如何に生きるかを考える」という事だと思います。

1、死を考える

人の生き方、死に方についてはよく考えます。
死を意識するからこそ、どのように生きるのか、自分の人生とは何なのかを考えます。
そもそも、人は死にゆくものなのです。

この考えは絶対的に本書の考えのベースになっています。

しかし発達した医療によって人は長寿になり、やがて「生きること」が最優先となっている、そう感じます。
本人の意思で「生きる」のならば良いのですが、家族の望みで「生かされている」のであれば、それは本当にいい事なのだろうか。
TVで見る世界はもちろん、実際に自分の祖父母や妻の祖父母の姿を見ていてもずっと感じていた疑問でした。

人はその命が尽きようとすると食事をしなくなります。
やがて衰弱し、餓死して死んでいきます。
それは我々の先祖が何百万年としてきた自然の営みであり、そのように体ができています。
そして死ぬときは脳内でモヒルネが分泌され、穏やかに死にゆくのです。
実際に自然死を看取った家族は「こんなに穏やかに死んでいくんですね」と語っています。

が、前述の通り発達した医療で生かされ続けます。
食事が取れないのに無理やり食べさせられたり、口から栄養が取れないと点滴で流し込みます。
何度も書きますが、「本当にこれでいいのか」と常に思っています。

誰のための医療なのか。
本人ではなく、残された家族の自己満足のための医療
死を考える事ができない、向き合う事ができない人たちによる、もしくは医療という経済効果を生むがゆえの行為。

そんな自分の疑問の言葉が、本書には同様な形で書かれていました。

死を忌み嫌うものとして捉える日本人。
そこには日本における「宗教観のなさ」という社会性もあるのかな、と思います。

2、死にゆく者のつとめ

自分の祖父が死んだ時、その死にゆく姿を残された家族に見せるのが最後のつとめだと感じていました。
特にまだ幼い私の子供(祖父から見ればひ孫)にその姿、骨を拾わせる事が「生きる意味」を教える事だと思いました。

冒頭に書いた通り「死を考えてこそ生を考える」です。

そのようにして人は世代を紡いできたのです。
死にゆく姿はやがてくる自分の姿。
決して忌み嫌うものではないのです。

3、死への向き合い方

とはいえ、現在の医療の仕組みでは簡単に自然死とはいきません。
医療が濃厚に絡みます。
医者も立場上、また法的仕組みからも治療しなければなりません。
そこでのせめぎ合いは確かにあります。

しかし基本的には、本人の意思を尊重して医療との付き合い方と向き合いたいです。

残された家族が「長生きしてほしい」という思いだけで、本人に医療行為を行うことはしたくないと思います。

命の選択権は本人に委ねるべきだと思います。

4、幼少期に形成された価値観

私は幼少期から「宇宙の成り立ち」「生物の進化」「人体の仕組み」といった本が好きで、よく読んでいました。
だからこそ生死のあり方や、人がもつ治癒力、生物としての寿命に関して自分なりの考えが生まれたのだと思います。

それは本書でも指摘されている通り、またタイトルにも書かれている「医者との関わり方」につながるものです。

やはり家族にしろ会社の人にしろ、少しでも発熱すると必ず「病院に行け」となります。
しかし私は「人の治癒力」があるからこそ発熱しているのだし、それが本来のあるべき姿として捉えています。

このような考え方、また今回のメインテーマである死への考え方が周囲と少し違うのは、幼少期に読んでいた本によって形成された私自身の価値観によるものだと思います。

5、両親へ

すでに高齢者である私の両親ですが、この先どのような人生を歩むのでしょうか。
どんな人生であれ、その考えを尊重したいと思います。
「人は死にゆくもの」というのは私の考えですが、「どこまでも長生きを」という考えも人それぞれです。
その人(両親)の考え、価値観を尊重したいと思います。

とはいえ、参考のために本書は進めてみたいと思います。

【余談】
私の好きなTVアニメ「北斗の拳2」の序盤の山場に、「誇りを捨てて生きるより熱き死を」というサブタイトルの回があります。
アインという味方キャラが準主役のバット達を身を呈して守り、死にゆく様を表しています。
アインのおかげで仲間が全滅せずに済んだのです。アインはバットたちに未来を託して死んでゆくのです。


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