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頭かちかち万博公園レポ

久しぶりに文章を書く。

最近はもう会社でPREP法だとか簡潔で論理的だとかごちゃごちゃ抜かした文章ばっかり書かされていてもううんざり。俺は心から湧き出てくる言葉を読みやすさなんか度外視してただただつらつら書き連ねたいだけなんだ。それが俺の活字の使い方であり気持ちの良い使い方なんだ。
本当はそれは嘘かもだけど。本当はつらつら書いていてなお読みやすくてユーモアがあってバズり散らかすような文章を書きたいのかもだけど。

それはともかく、やっぱり会社で”評価されようとする文章”を書くときは、少なからず打算が混入する。それは俺の文章ではなく、会社員としての俺の文章であって、全く”真”ではない。だから今日は久しぶりに俺の文章を書く。このタイピングに揺蕩う感覚。久しぶりだ。全く頭に力が入っていないのに指が止まらないこの感覚は気持ちがいい。

とはいえ文章を書くためには骨組みが必要なので、今日一人でぶらぶらしてきた万博公園のレポを軸に書いていく。ユーモアとか入れたいけどなんかそれは”打算”になりそうだからあんまり書かないかも。俺はつまらない人間なんだ。受容。



今日は元々本を読む予定の日だった。
朝6時に起きて朝ごはんを食べてなぜかまたベッドに横たわり朝10時まで二度寝してから本を読み始めた。最近の休日こんなのばっかりだ。おバカmorning routine。

それでも「土曜の朝から本読み始めて偉すぎ~~~~」と思いながらもなんとかKindleで読み進めていたけど、内容も内容だったので全然頭に入ってこない。読んでいたのは実践的な営業スキル向上の本。まだ配属も決まってないのに現場で使う実践的なことを学んでもリアリティが無く、全く身に入らないのは分かりきっていた。背伸びしちまったよ。

でも俺はガキの頃から説明書を読むタイプのデータキャラだったんだ。特にスマブラXの説明書はめちゃくちゃ読み込んだ。全ての技を頭に叩き込んだ。そしてインターネットにしかないコンボというズルの知恵を学んだ友達にボコボコにされた。

結局そんな風に深く学ぶやつと大量に練習するやつなんかには負けてしまうけど、説明書を読むと「初心者の中ではズバ抜けて要領がいいやつ」にはなれる。それのキーは全体像の把握だと思う。全体をぼんやりでも見渡せていたらスキルを増やすときに「このスキルはこの部分に活きるやつだな」というのが分かる。現実味のある想像ができるということ。これがリアリティか。営業の本はその感じで全体像を学ぶために買ったのだけど、それ以前に「顧客のアポが」「信頼を重ねて」とか言われても実際どんな風にコミュニケーションをとってんのか分かんねぇから全然身に入らない。多分「そんな感じなんだろうな」くらいでゴリ押し読みで進むしかないんだろうけど。そういえば研修でも「本を読むだけで身につくスキルは10%」とか言ってたな。

そんなこんなでKindleを上に弾き飛ばしてグエーとしている間にドアホンが鳴り、注文していた自転車が届いた。


かわいいお色なこと

かわいいサイズ感の折り畳み自転車。かわいいのはデザインだけでなく価格もだ。俺はこいつと一緒ならどこにでも行ける。

段ボールを開けるとなにやら面倒くさそうな組み立て説明書とパーツが入っており、これを部屋中に広げるだけ広げてまた小一時間グエーをしてからなんとか完成させた。この瞬間だけ俺は世界で一番強い男と自認する。トランス自信。

読書をしようとしても頭の情報とか感情が行き来するシナプスが渋滞をしている感覚。他の例えで言えば感想を吐き出す蛇口が完全に締まっている感覚。そんなだしもはや予定変更して何か別のことをしたいと思ってた矢先の自転車。ああ。これはサイクリングしかない。行ったことない場所に行ったるぜ。研修で磨き上げられた俺の挑戦心がいかんなく発揮される。外出フォームに変身。出発。

とはいえ行先はもう決まっているしネタバレもしている。万博記念公園だ。

引っ越しをした日から「ここって太陽の塔がある市なんだ」とは思っていたけど、アクセスにはやや時間がかかる所に住居を構えており、なかなか行く機会は巡ってこなかった。だったら。今だよな。ということで決定。

歩いたことのない道を新しい自転車でがたがた進んでいく。新天地のくせに郊外の町あるあるみたいな風景まんまなせいで特に感動はなかった。岡山駅西口方面に小学校あるじゃん。あの辺くらいの道がずっと続いてました。あの舗装の悪さあるでしょ。アスファルトが木の根で隆起してるとこ。しかも狭いよね。今回もそう。普通に走りにくかったんだ。

なんだかんだ30分くらいぼんやり既視感のある景色を横目に走っていたら着いた。万博記念公園。後半は恐らく同じ目的地に向かっているだろう二人乗りカップル自転車を追いかけていた。その節は助かりました。帽子を深く被った仏頂面に後をつけられていたことには気が付いていましたか?

13:31 現着

ネタバレされるのが嫌なので場所以外はなんの事前情報もなしに来たので本当にどこに何があるのかというかそもそも太陽の塔以外何があるのかすら知らない状態で駐輪場に足を降ろした。最寄りのモノレール駅から観光客が休日の田舎のイオンくらいの密度でぞろぞろ万博公園の方に向かっていて、あの群衆の中に混ざればなんとかなるだろと思いスイミーをした。スイミーって横から見てペラペラであってもちゃんと立体の魚影を作っていてもキモイ。

そしてその入口近くで初めてららぽーとを生で見た。太陽の塔より先にららぽーとで感動してしまった。イオンのロゴが変わっただけみたいな感じでなんか嬉しかった。そのららぽーと近くは全体的にアミューズメント感が強くなっていて、でっっっっっっっかい観覧車があったり水族館があったりしておもちゃ箱みたいな空間だった。原色が多かったり直方体の建物が多かったりで、ネオンとかを使うとサイバーパンクっぽい雰囲気になりそうだなと思ってわくわくした。あと最近「おもちゃ箱」を比喩の語彙として使うことにハマってる。

そんなガキ大興奮ゾーンを一旦スルーして人間人間人間の流れに任せて前進。万博公園の入場口に着いた。公園に入場するためにチケットを買う必要があることをここで初めて知る。俺本当に何も知らないなと思い自分に課していたネタバレ規制が効力を発揮していることに嬉しくなった。この先に何が待っているのかワクワクだぜ。

300円もしない安すぎる入場料を払い入園。いきなりそびえ立つ太陽の塔。うおおお~~~。正直太陽の塔はガッカリスポットだと思っていたけど逆で、太陽の塔はリアルで見た方が迫力がある。中央にある表情の質感であったり、顔部分のガラクタ感であったりはリアルで見てこそカッコよさをひしひしと感じる。「太陽の塔の内部見学っておもろいんか?」と思っていたけど、実際に見た後はかなり興味が湧いている。あと思ったよりもデカかったのもある。あんなデカいのね。そのデカさでそのキレ顔は結構怖い。


こんなんかっこいいだろ

一通り岡本太郎をヨイショしたところで夏花回廊みたいな名前のとこに向かった。場所の名前は全部うろ覚えです。

向かったら入場に追加料金がかかるイベントフロアに巻き込まれていて見に行けなかった。

しょうがないから次はそこから北上してバラ園みたいなとこに行くことにした。

結構一本道の歩道を歩いてたどり着いた場所が退園口だったからもう諦めた。

みなさん、でかい観光地を歩くときは積極的にネタバレを見ましょう。ここまでで1時間くらいとぼとぼ歩いているだけの人をしていた。結局外に出てもグエーをしている。俺の一人行動ってこんなんばっかだぜ。がはは😢

もう全部が嫌になったので公園内のカフェに乱入。ホットドックセットを注文。セットを渡してくれる店員さんが料理をお盆に乗せてくれるんだけど、その時に「このお盆きたねぇな」「このお盆もなんか濡れてるじゃん」「んーこれも違うか」みたいなことをお盆を変えながら何回かやっていた。分かる。気まずくてそういうの声に出しちゃうよね。だって悪いのって洗い場の人間だもんね。そういう時は敬語じゃなくなるのも分かるよ。バイトっぽいおばさんにめちゃくちゃ共感しながらセットを受け取った。


食べる直前の一人称視点構図きもすぎる

このカフェの目の前に巨大なアスレチックがあって年少から小学校低学年のくらいの子がわいわい遊んでいて、スマブラのポケモントレーナーくらいの距離感で親御さんが見守っていた。このカフェでゆっくりしながら子供を観察している親御さんもいた。それを歩き疲れてた俺はぼけーっと眺めていた。その時にふと「ここにいる人たちみんな”結婚”してるってこと!?」になってしまい情報量で死んだ。たまに3世代で遊んでいる家族もいて泡も吹いた。もう俺には理解が及ばない。ちょっと待って。結婚適齢期がじわじわ近付いてきているけど、なんというか自分が結婚できるイメージが全く湧かない。愛して愛されて籍置いて出産して子育てしてその間発生する事務作業に金銭管理に育児にあああああああ。全ての親御さんのバイタリティと人生スキルの高さには手が届かない。歯が立たない。暖簾に腕押し。概念としてデカすぎる。一人で生きていくってちいかわなんだと思ってしまう。実際なんかその広場がめちゃくちゃ眩しかった。顔いかついなと思ったお父さんの笑顔が本当に柔和だったのを見て「結婚ってこういう人ができるのか」と納得してしまった。別世界を観覧できるコンセプトのカフェだと思い込みながらホットドッグセットを完食した。結婚、いつかはしてみたいね。

行く当てがなくなったから太陽の塔がある中央広場に戻り、逆方向側に行こうとした。すると太陽の塔の裏にあたる場所で大道芸が行われていた。嫁も子供も金もないが時間だけはあったので観ることにした(激鬱一人観光)

大道芸自体は「あきばっか~の」とか言う人間びっくりアイランドで目が肥えていて特に感動とかはなかったのだけど、大道芸人の方が観客と取るコミュニケーションに興味があってしっかり見ることにした。激鬱は冗談で全然楽しんでいます。

ただ、ちょっと、、ノリは面白いんだけど、語彙とか言いまわしを選択するセンスが20年前から更新されていない方なのかなと感じた。いやその評価も少しずれているかも。大道芸あるあるの観客いじりを意図的にやろうとしているけど、素のおどおどさが隠し切れずに中途半端になっちゃっているせいで、もはや嫌味みたいな口調になってしまっているような感じだ。なんとなく見ていて少し不快に感じる態度に見えてしまい、うーんでした。それでも大道芸という文化の尊敬と商売としての観覧をしたということでチップは支払った。何気に初チップ。初めての体験は全部いい体験だ。これだけでいい日ではあるのかも。あと大団円の時の音楽が「M@STERPIECE」だったので。久しぶりに聴きました。まさかこんなところで。オタクくん泣いちゃうよ。


大道芸の感想についてぼけぼけ思索にふけながら歩いていると、デカい音楽が聴こえてきた。なんだなんだと音が大きくなる方に近付いてみると、どうやらフェスイベントが行われているらしい。ほう。しかしフライヤーにはダウンタウンの浜田雅功の顔。音楽イベントなのに浜田??意味わかんねえぜと思いながら、「とはいえ入場はチケットいるしパスだ」の判断でスルー。奥にある高台とかお花畑を観に行くことにした。

その道中にイベントのことを調べると浜田がMCで参加アーティストは有名どころ4組の小規模とも大規模とも言いにくい需要が分かりにくいイベントだった。人はパンパンにいたから俺はなんにも言えない。企画したマーケターがすごいんだろう知らんけど。

そんなことを調べながら考えながら歩いてるとかなり景色が”森”になってきた。


ここだけ枯れ葉になってて風情


日々の生活が巨大駅と住宅街の往復で、こんな自然たっぷりな空気を身に染み込ませられるのは貴重だなと思いながらてくてく歩く。太陽光を反射する緑が鮮やかで綺麗。日光が葉っぱに遮られて不規則に照らされている地面が夏っぽくて涼しげ。人通りは少ないのに遠くからフェスの熱量を感じる休み時間の図書室みたいなノスタルジー。かなり好きな歩道だった。

ただ、こういう自然に囲まれたとき、俺は何を考えたらいいのか分からなくなる。都会に近い場所では自然は自然というだけで価値がある。この機会を逃せばこのマイナスイオンを浴びる機会はしばらくないのではないか。などと考えると、自然を自然体で感じることが出来なくなる。自然の良さを感じるときに普段のうっすらストレスの膜に覆われているみたいな生活と比較して感じるべきなのか、それとも生活とは分離して目の前の良さだけに集中して感じればいいのか。コスパタイパについて時代の流れ通りに苛まれてしまっている俺は、こんなところでも”最大限のリターン”を求めてさまよってしまう。そうして迷っている間に結局なにも思い付かず知恵熱だけある状態で機会を失う。あーあ。

ただ、これは特に最近強い傾向であり、今日自覚したからこそ「夜に日記を書いて頭をぐにゃぐにゃにする柔軟の体操としよう」と思い立ったのだ。最近はなにか感動に足る情報を得ても、自分の中から何も出てこない。本を読んでいる時も、アニメを観ている時も、音楽を聴いている時も、ダンスを見ている時も。自分が完全にガス欠をしてしまっているような感覚に襲われる。理由は分からないが、会社での「こういうことを書くべきかもな」という実質の型のようなものに合わせて思考する癖みたいなものがついてしまったか、そうでなくとも新しい環境で新しい頭の働かせ方をしてオーバーヒートしてしまったか。それでもなく単なるストレスによる疲労か。なんにせよアウトプットが全くできない状態が続いている。だからこそ、一番手軽かつ気持ち良さのあるタイピングと日記のコラボだ。これは一生書いてられるし、アウトプットにもなる。自分の考えをまとめるほどでもなくとも外に排出することは思考の新陳代謝を生むという点で思考する頭をどんどん柔らかくしてくれるのではないかと考えている。まぁ、全く根拠はないしプラシーボ効果をはちゃめちゃに期待しているだけでもある。

この数千字に及ぶ文章は「俺はこうやって自分の意志を素直に外に排出することができるんだ」と自分自身に訴えるためのものなんだろう。

そして変な高台へとたどり着いた。


ポケパーク1の中央広場にあるウッドハウス!?!?!


登る。


広角が映える

ぎゃ~~~。綺麗ね。忍者になってこの木々の上をぴょんぴょん走り抜けちゃいたいわね。風が気持ちよくて人も少ないから景色とスマホを交互に見ながら15分くらいぼーっとした。位置エネルギーは健康に良い。

降ります。


入場してきた中央広場から既に800m歩いている。もうへとへとだ。この高台のすぐ近くにお花畑の丘があるらしく、最後にそこだけ寄って帰ることにした。帰りも片道ほぼ1km歩かなくちゃいけないからね。万博公園、想像の10倍広い。


一番好きな写真

着いた。お花畑!!!
もう春のピークは過ぎており、半分くらいは枯れてしまっていたが、このお花だけはキラキラ咲いていた。景色に興奮して何のお花か全く確認していなかった。これなんですか。

やっぱりお花畑っていいもんで、色が鮮やかってそれだけで心にグンとくる。それが大量にあるもんだから圧倒されちゃう。お花畑の写真をつい誰しもが撮ってしまうのは風景が心に入りきらないからだと思っている。春に来ればよかったと後悔した。来年の春はでっかいお花畑に行ってでっかく圧倒されたい。


LSD虫取り網

で、問題の写真なんですが。インスタに「LSD虫取り網もある」という文言と一緒に投稿した写真。全くウケなかった。なんでだ。奇抜な虹色を見るときに使う例えの引き出しの一番上には「LSDの幻覚」が入っている。むしろこれ以外で虹色を面白く例えるとどうなるんだ。「オーロラの虫取り網」?んーーー。「失敗したべっこう飴」?助けてください。俺にはこいつを救済することができません。どうしてお花畑に虫取り網が落ちているんですか。

流石にもう書くのも疲れてきたし退園することにします。


どちらかというと入るときに撮る写真

太陽の塔のデカさは何回視界に入っても新鮮に驚くことが出来てよかった。全部回れなかったしまた来るね。待っててね。


位置エネルギーは健康に良いので観覧車に乗った。これ日本一でかいらしい。こんなところに。それはそうと最近の観覧車はクーラーの設置のために密閉されていることが多いから熱唱ができて最高。中途半端に歌ったせいでカラオケ行きたくなってきたな。人前で歌うの避けてるせいでカラオケ全然行ってないや。なにはともあれ、観覧車、高くてでかくて楽しかった。このくらい雑な素直さでコンテンツを楽しんでもいいのかもなと思わせるアホさが観覧車にはある。好きだ。

あとはららぽーとを少し散策して「これただのイオンじゃん」とひとりごちってから帰りました。一人で時間を潰す休日はこんな感じになりがち。7000字も書けたし実はいい休日だったかもな。楽しかったかも。

観光の楽しみ方ってイマイチよく分かってないのだけど、こうやって自分がその新天地で浴びまくった空気を帰宅後の家でどう処理したかが最終的な楽しさになるのかなというのが苦し紛れの今日の教訓かもね。こういう時にフッ軽で誰か誘う胆力はいつまでたっても持てる気がしませんわ。とほほ~!


P.S.

「シンジ、猫を診ろ。診ないなら帰れ。」

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