見出し画像

体を痛めて気がついたこと

今年2019年の始めころ、1月~2月のころだったかな。
今となってはぼんやりとしか日にちは覚えていないのですが。
勤めている会社で、インフルエンザが猛威をふるいました。
私の仕事は福祉。知的障害者の支援です。
施設の中で、利用者さんも職員もバタバタとインフルエンザにかかり、倒れていきました。
そんな中、私はなぜか元気でした。
ちょっとのどが痛くなったなーと思っても、一晩寝ると次の日には回復している。
職員も少ないのでその分もがんばって、怒涛のような時期をなんとか、残ったスタッフで乗り切ることができました。

そのインフルエンザが流行っていた時期のことです。
私の施設では、その日担当した利用者さんの様子を、職員が記録することになっています。
午後の記録を書いていたら、ある利用者さんが私の隣に座りました。
その方は、自閉症。
たまに施設内でもいきなり廊下や玄関等で全裸になって全身着替えたり、同じ言動を何度も繰り返したり。
普段は穏やかなんですが、ときどき近くにいる利用者さんをぎゅーっとつねったり、いきなりはたいたり!することも見られる方でした。

その方のある日のこと。
「ブランチュール、食べましょうね」
「ブランチュール?何?お菓子?食べようね」
「ブランチュール、食べましょうね」
「うん、食べようね」
「食べようね!ブランチュール、食べましょうね!」
後からスーパーでお菓子コーナーを良く見たところ、ブランチュールっていうお菓子があることを知りました。
ブランチュール、きっと食べたかったんだね…。

また、違うときに。
「ヤギの車。ヤギの車に乗るの」
「ヤギの車?ヤギの車って何?」
「ヤギの車。乗りましょうね!」
「えぇー。白い車ってこと?乗ろうね」
「乗ろうね!ヤギの車、乗りましょうね!」

その日、記録を書いていたらその方が私の方をいきなり向いて、ぎゅーっと右腕をつねってきました。
丸い目をさらに大きく見開いて。
まばたきもせずにじっと凝視したまま。
「痛い!やめてよ」
そう言ってもやめません。
インフルエンザで休みが多いため職員も少なく、その時は他の場所にぱらぱらと散らばっていて、だれもこちらには気がつきません。
やめさせようとその手をぎゅっと抑えようとすると、今度は私の左腕をぎゅうぅっと全身の力を込めているのか、と思うぐらいの強い力でつねります。
ここで負けちゃいけない!
凝視してくる目をしっかり見かえして、つねる手を抑えようとしました。
そのとき、遠くにいた別の男性スタッフが気がついて、止めに入ってくれて。
右腕のつねられたところからは、血が出ていました。

あとでその男性スタッフが施設長にそのことを話してくれ、施設長が私に声をかけました。
施設長「大丈夫ですか?」
私「大丈夫じゃないです。血が出ました。ここ。見てください。労災だー!〇〇君、ヤバいです」
施設長「ヤバいですね。逃げてください」

右腕は治ったんですが、傷あとが今も残り。
左腕は血が出なかったはずなのに、1年近くたった今もなぜか、うでを伸ばそうとすると痛みがはしります。

この痛み、治るのかなあ。
そのせいかどうかわからない。
でも、この出来事の前は全然痛くなかったのに。
体を痛めてわかったことがあります。

ひとつは、
まずは自分を大事にしようね
ってこと。

私は以前、自分を多少犠牲にしても、人のためにがんばっちゃうタイプでした。
でもそれで自分がぼろぼろになっちゃったら、もう人のためにもがんばれない。
やっぱりまずは自分を大事にしないと。
身にしみました。
今も物理的に腕が痛いから、余計に。

ふたつめは、
人とは適度な距離をもってつきあおうね
ってこと。

もちろん、適度な距離は相手によって違ってきます。
いくら、人には親切に、って思っても生身の人間でいる以上、物理的な限界があります。
それに相手によっては、してくれて当たり前で、いくらでも寄りかかってくるクレクレ君や、自分の利益しか考えない人とかもいたりして。
そうなると、疲弊するだけ。
エネルギーの消耗がハンパないです。
世の中には、まともに正面から向き合っちゃいけない人もいる!
危険だー。
なんだろうなー、40代になって体を痛めて始めて、心から理解しました。
私がいつまでも学ばないので、この出来事が教えてくれたのかもしれません。

自分が幸せで元気じゃないと、まわりにも貢献できないと思うので。
まず自分をだいじにしようね。


このYouTubeもおすすめです。


サポートに感謝!!好奇心がいっぱい。いろいろなことについて、もっと勉強したい!知ったこと、学んだことを文章にして伝えていきたいです。1人1人が幸せになって、その波紋が広がっていければいいな。