気狂いピエロにあこがれた

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片付けしてたら映画のチラシと前売り券の半券が出てきた。こんな片付け進むわけがなく段ボールの前に座って色々と懐かしむ。色々と。

写真は「勝手にしやがれ」と「気狂いピエロ」。
どちらも先日亡くなったジャンポール・ベルモント主演のゴダール監督作品、ゴダールの他の作品はそんなに好きじゃないけど、この2作品は大好きだ。
ヌーベルバーグのとても自由な映画のスタイルは「勝手にしやがれ」で世界的に広がったけど、その即興演出やハンディ撮影、同録、ジャンプカットは今見ても感情がざわざわする。と思う。何年も見てないからわからないけど。
で、このチラシと半券の後ろ姿で倒れそうに走っている男の画像は、この映画のラストシーンで、ピックアップされている

「俺は最低だ」「最低ってなんのこと?」

は、ラストシーン名台詞だ。

よくよく考えると、これから見る映画のチラシと前売り券にラストシーンの台詞がプリントされているのはネタバレにもほどがあるのだけど、もうその台詞だけが一人歩きするほど有名でみんな知っていること前提なので、プリントしてもそんなに問題ない。いや、むしろ、この台詞を載せないでどうする。そんな感じだったんだと思う。

今の映画はみんな技術的にもしっかりしていてそこそこバランスの良い(面白みにはかける)映画がけっこうたくさんのあって、自主制作的なツッコミどころ満載の映画がそんなにもてはやされることもないけど、こういう映画を見ていると映画はフィクションでもその時その瞬間のドキュメントで、その空気感とかドキュメント具合が、フィクションを超えてしまう瞬間を持った作品がやっぱり自分は好きである。と思い出した。すぐ忘れる。

でも、よくよく考えてみると、そんな匂いを持った自主制作映画はたくさんあって、ただ、もう、ものすごい数の映像が膨大にリリースされるから自分が知らないだけかもしれない。

ここからはネタバレになるので、これから見ようと思っている人は読み飛ばしてほしい(今更)が、2作品とも主人公は死ぬ。僕は特に「気狂いピエロ」の死に様が好きでたまらない。
好きなだけ好きなことをして、最後に「もう死のう」と頭にダイナマイト巻いて導火線に火を付ける。が、ふと思い立ち「やっぱ死ぬのやめた」とつぶやきダイナマイトを外そうとするが間に合わず大爆発を起こす。

アホである。まごうことなきアホである。

こんないい加減な生き様のなにがかっこいいか全くわからないがとにかくかっこいい。いい加減に生きたい。まあ、結構いい加減に生きてきた気もするが、もっといい加減に生きたい。

他人にもゆるく優しく。

じゃ、そういう感じで。

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