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アイレベルを落とすということの意味

アニメ制作にかかわっているとレイアウトで「アイレベルを落として」とリテイクなどで言われることがある。要は目(カメラ)の位置下げることだがややこしい時がある。

【演出意図的に判断】

大体の場合は状況的にどんな修正してほしいか分かることが多い。

アイレベルに限った話ではないがデザイン的に3分割法とか、状況見せたいから引きとか、迫力出したいから寄ってなめたい、など何の役割を果たしているカットなのか分かっていれば何故この修正が必要なのか分かってくる。

それとアニメだと使われるレイアウトの傾向があるのでなんとなく分かる場合も多い。

見せたいものを中央に配置するとか、手前のものが邪魔してないとか、ある程度法則性がある。やりたく無い絵とやりたい絵はそれなりに絞れる。

【確認の仕方】

しかし直接確認できるのなら簡単にどういった意味でアイレベルを言ってるのか確認したい。

あおりになる感じでアイレベルは下げる感じですか? のように確認する。

規模が大きいプロジェクトとかだと直接対面ではなく制作管理の人を挟んでやり取りする場合もあると思います。

【アイレベルってややこしい】

要するに目(カメラ)の位置のことなので3D的に考えると分かり易い。

しかし2Dの絵でアイレベルの位置の示すと個人的にはややこしい。

アイレベルは画面に対する目(カメラ)の位置を水平に引いた線だ。

だが言葉そのままにこの線のアイレベルを画面に対して下げるとむしろ目の位置が上がることになる。意図していたことと逆にしてしまう可能性がある。

【アイレベルと地平線の角度】

2D的な見え方だとアイレベルと地平線は同じ高さになる。

しかし同じアイレベルの高さでも角度が違ってくる場合がある。

角度とは”カメラが向いてる方向(角度)”の角度です。

3Dの立体で見ると分かりやすいです。

対象物を正面から捉えている

アイレベルは“カメラ本体の位置”と”カメラが向いてる方向(角度)”の組み合わせの結果で作られています。

カメラ本体の位置と目標点(角度)の2つ。

【2種類の方法】

単純にアイレベルを下げると言っても2種類ある。

1.まず映したいターゲットの方を向きつつカメラ本体が下へ下がる方法。この場合カメラの角度は徐々に上に向いていく。

地平線の位置はあまり変わらない。単純にあおりにしたい場合はこちらを使うことが多いと思う。

カメラ本体は下へ行くが目標点は固定

2.もう一つはカメラをそのまま下に下げる方法。カメラの角度は固定。カメラからの見え方は地平線が上がってレイアウトが大きく変わる。

レイアウトに入れたいものの調整などレイアウトのフレーム自体を変えたい場合はこちらを使うイメージです。

カメラ本体と目標点両方をそのまま下げる

同じアイレベルを下げる修正ですが、レイアウトが大きく変わります。

実際にはどちらかをメインにして1と2両方使って微調整をすることが多いとは思います。

【伝え方】

地平線そのままでアイレベル下げて欲しいとか、何かやりたいことを伝えたい上で下げてと言えば誤解は少なくなる気がします。

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