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宇宙のギャルソン 〜星の分裂と希望の数〜


古賀史健さんのこの記事を読んで、あと、あるニュースの記事を読んで、わーっといろんな思いが湧いてきたので書きます。
ツイートもしたけど収まらないので。

昔、カフェで働いてた時に先輩Kさんが「パリのギャルソン」という本をプレゼントしてくれた。
パリのカフェで活躍する様々なギャルソン達の、ユニフォームにフォーカスしてたくさんの写真とともに紹介している素敵な本だった。
しかし、その時の僕は「ギャルソン」という言葉の意味がわからなかった。
「ギャルソン」って何ですか?と聞いた僕に対して、簡潔に説明してくれた後、Kさんはこう言った。
「この先、楽しいことばっかりやな。」

Kさんは、自分でカフェをやるのが夢だった。
いろんなカフェを訪れ、コヒーはもちろん、空間やファッション、映画、音楽など、カフェを構成させ得るあらゆるカルチャーやスタイルを旅するように、憧れを抱いて、自分の理想を築くために積み重ねてきた。
もちろん「ギャルソン」という言葉は、Kさんだって最初から知っていた訳ではない。
そこから広がる深淵な世界への入り口に立つことの喜びや、これから待ち受ける感動を知っている、自らも経てきたからこそ、「ギャルソン」という言葉の扉を開いた僕に、「この先、楽しいことばかりやな」と言ったのだ。

この世界には知らないことがたくさんある。
当たり前のことを言っているようで、実感として捉えられているかどうかは怪しい。

例えば、人生を何十年も生きてきて、苦しくてもう生きる意味もないと思ってしまったとして、でも実はその外側に宇宙が広がっていて、いつでも、どこにでも行けると分かっていたら、考えを改めはしないだろうか。
そんなことも言っていられないほどの極限状態だったら、どうしようもないのかもしれないけれど、まだ間に合う段階だってあるはずだ。

自分の生きてきた人生なんて、どれだけ長かろうが1本の道でしかない。
他の道は通ってない。
引き返せないこと、もう会えない人、そういうのももちろんあるけど、ドラゴンボールはいつでも読めるし、今生きてる人なら誰にだって会えるし、ビートルズだっていつでも聴ける。
今あげた例のどれも不可能な人だっているのは分かってる。
でもたった3つの例だ。他にも、自分の使える感覚器のどれかを使って拾い忘れたものを拾いなおしに行くことは、できるんじゃないだろうか。
それはきっと、あなたが拾わなければならないものだったし、あなたに拾われるのを今も待っていると思う。

人が作ったもの、文明だけじゃない。家の近所の木かもしれないし、いつも見上げてる空かもしれない。風の音や潮の香り、星の配列。
探しに行きさえすれば、人間の感性で読み取れるものの可能性は実は計り知れない。

諦めてはいけない。
何も知らないのだから。

例え100年生きたとしても、どれだけ長くて濃い人生でもたった1本。
宇宙の時間と分裂した回数を基準に換算すると何も知らないのと変わらない。
僕らは宇宙で分裂しまくった結果の破片のさらにその一部分だ。
体内では、表面では、さらに分裂を繰り返していて7年ほど経つと細胞はほぼ全て入れ替わるらしい。
知ってた記憶も、入れ替わる前の細胞から単に引き継いだだけで、本当にそうだったかは最初の細胞しか知らない。
100年生きたとしても、人の記憶や知識なんてそれぐらい心もとないものだ。

だけど、確かに100年生きた。

それは、知らない宇宙と出会った時に、「ああ、100年生きたな」と、初めてわかるんじゃなかろうか。

何言ってるか自分でもよく分からなくなってきました。
だけど頭の中では確かにこんな感じで考えているからまぁまぁ忠実に再現はできている。
良い文章を書こうなどとは思っていない。
どうせ下手なのだから、このイメージを何となく共有できたらゴール。
というか書けばゴール。

要は、何が言いたいかというと、5歳の子が、餓死した。
僕らが、毎日あくせく働いて懸命に生きて作ってきた世界のその結果、少年が餓死した。
それが現実だ。やってきたことの結果だ。
これが今の世界の形だ。
ここからは逃げようがない。
絶望が生まれている。
何とかしないといけない。

たった1本の道しか歩けていないのに、絶望するなんてもったいなさすぎる。
人類は平等ではない。
しかし拾い忘れたものを拾いに行こうとした時、星の数ほどの希望が逃げもせず待ってるはずだ。
人間の数より多いはずなんだ。

希望がないんじゃない。あるのを知らないだけだ。全員がよってたかったって無くならない。
減るより多く生まれてる。
今日も分裂しまくってる。だから絶対無くならない。

出来るだけ早く、気づける人から気づいてくれ。
どうしようもない状況もあるだろう。それはどうすれば良いのか流石に分からん。
でもどうにかしようがある場合もあるんじゃないのか。何とかしようがあったんじゃないのか。
でなければやばいだろ。

でなければ、少年を誰が救うんだよ。救えたんだよ。


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