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#6-1 インサイドセールスのテクニック(SDR編)

最近年末ということもあり、なかなかnoteをまとまって書くことができていません。(良くない言い訳のはじまりです・・・)
少しずつ書き溜めているところです。

さて第5章ではインサイドセールスのKPI設定方法と部門間の連携方法を学習しました。
第6章では具体的な実務レベルで必要となるスキルの話です。

参考図書

第6章 成果を出すインサイドセールスのテクニック

6-1 SDRの問い合わせ対応テクニック

① 温度感の高いリードへのテクニック

■ 「スピード」で成約につなげる
問い合わせからの商談作成がメインのSDRは様々なリードを同時に対応する必要がある
・温度感の高いリード(資料請求、料金表ダウンロード、デモ動画閲覧、その他問合せなど)は商談獲得率が30~50%と高く、商談後の成約率も高い傾向にある
・商談獲得率を上げるためテクニックは
「リード流入から初回アプローチまでを5分以内にすること」
→温度感の高いリードに対するテクニックであり、低いリードには実行すべきでない
・温度感の高いリード流入時には以下を確認する
 「既存のお客様かどうか」
 「すでにほかのSDRが対応済みか」
 「すでに商談化しているお客様ではないか」
リード流入をインサイドセールスマネージャーにいち早く通知するためのオペレーションの改善も必要

■ 「チャレンジ」で成約につなげる
・チャレンジとは以下の3つを指す
 ① 詳細情報の取得
+ 初回商談を円滑に進めるために必要
+ 温度感の高いリードは事前準備の時間が限られているため、初回商談で信頼を得ることが難しいのが現実
「せっかくのお時間頂戴しますので、貴社にとっても価値のある時間にしたいと考えています。そのために追加で2~3点質問させていただけませんか?」と伝えることで詳細情報を取得して商談化率および成約率を上げる

 ② 訪問日の前倒し
+ 初回訪問までの時間短縮は商談全体の期間短縮につながる
売上 = 商談数×単価×成約率÷期間で求めることができる
+ オンライン商談の一般化によりスケジュール調整が容易になってきた

 ③ 上位役職者の同席依頼
最も重要なチャレンジで、中小規模の企業においては重要なポイント
上位役職者を早期に商談に巻き込むテクニックは
「社内で上申される際に、資料作成や社長からの質問に対応するのは大変ではありませんか。直接ご訪問して説明させていただきますので是非ご同席いただけませんか。併せて社長がお持ちの課題にもお答えできるかもしれません」

+ この上位役職者の同席と訪問日前倒しのチャレンジは両立しないため、どちらを優先すべきかはルール設定が必要

引用:インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド ISBN 978-4 7981-6754-1 P160~165

<所感>

まずは温度感の高いリードに関する内容で区切りを付けました。
にしても茂野さんが説明するテクニックのお客様への言葉遣いや伝え方は本当に実用的な内容です。
そのまま今すぐ使えるテクニックが満載で、インサイドセールスの概要から実践までとんでもないコンテンツが一冊詰まっています。

超良書です。

② 温度感の低いリードへのテクニック

■「仮説」と「SPIN」で対応する
・温度感の低いリードとは「ホワイトペーパーDL」「展示会やウェビナー」「外部媒体からのリード」など
温度感の低いリードには2種類あり、そのそれぞれに対する対応方法

温度感の低いリード①:「対象部門や役職ではある」
■ 「ニーズはあるが話したくない」ケース
信頼を得るために最も良い方法は「仮説を立ててお伝えしてみること」
自分ごとに置き換えても投資不動産の電話で「老後の資産形成に不安がありませんか?」と聞かれて急に自分の悩みを話し出すことはほぼない。これに近い感覚であり、お客様はまだ企業のことも製品のことも知らない
仮説を立てるうえで重要なのは、お客様に興味をもつことで、課題の仮説を立てることができる

■「ニーズが顕在化していない」ケース
・SPINが有効
S:Situation Questions(状況質問)→ 事前調査でヒア項目を絞りこんでおく
P:Problem Questions(問題質問)→不完全な状況を確認する
I:Implication Questions(示唆質問)→問題の影響範囲を拡大し課題に対する価値観を変える。お客様が大きな問題ではないと捉えている状態を変える
N:Need-Pay Off Question:問題解決によって得られる副次効果を質問しメリットをより具体的に感じていただく

温度感の低いリード②:「そもそも対象部門でない」
・非常にシンプルで「該当部門を紹介もらう事」
すぐに紹介してもらえず、「担当に転送しますので、メールで送ってください」という場合にも、メールにダウンロードリンクを張ってリード流入させるなど、ダウンロード履歴が分かる仕組みを使って送信する

引用:インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド ISBN 978-4 7981-6754-1 P165~172

<所感>

①温度感の高いリードと同じくテクニックが散りばめ過ぎです。
温度感の高い・低いというのを意識せずスーッと理解できるのがすごいですね。
細かいですが、別部門からターゲット部門を紹介してもらうテクニックなんかは目から鱗でした。
インサイドセールスとして工夫できることがたくさんある!ということが良く理解できました。

ちなみに最近ホワイトペーパーというマーケティング用語も良く耳にします。
ホワイトペーパーに関する関連情報は以下に参考として載せておきます。

③ インサイドセールスが持つべきマインド

■トッププレイヤーに共通する考え方
・前提として温度感の高いリードでも50~70%は商談化しない
ワーストケースへの対応が必要(ベストケースは解決すべき課題があり商談する機会があること)
長い時間をかけてでも、「お客様にとって信頼できる人間になること」「最適なタイミングで商談として営業に引き継ぐこと」がインサイドセールスの介在価値
・お客様1件1件との信頼醸成の近道は徹底的な準備
 +資料やイベントの案内用のメールテンプレ
 +特定業界向けの資料や事例のセットなど
・ACW(After Call Work)は電話を切ってから次の電話に出るまでの作業を指す用語であり、「ヒアリング項目の整理」「次のアクション設定」「予定のカレンダー登録」「メール送付」などが時間を短縮することで生産性を上げる

■ 企業と個人を分けて考える
問い合わせした人とその企業の意向が同じとは限らない
・如何に担当者の温度感が高くても、企業が取り組んでいない場合に成約する可能性はない
担当者の温度感=企業の温度感と勘違いし、商談を設定するケースが多く、このような失敗の理由は「SDRが未熟」または「ターゲット企業の条件が明確でない」場合に起こる
ターゲット企業を営業に渡すのがインサイドセールスの仕事であり、ターゲット企業であればどんなに温度感が低くても商談を前に進めるのが営業の仕事

引用:インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド ISBN 978-4 7981-6754-1 P172~177

<所感>

担当者の温度感=企業の温度感と勘違いするというのは、インサイドセールスに限らずあるあると思いました。
ついつい人の良い担当者のために頑張りたいという想いが生まれるものだと思います。

一方でこうした想いを抱きがちで一生懸命やってしまう人はカスタマーサクセス向きかな?という気はします。
一度導入まで踏み込めれば現場サイドの人の気持ちを分かって、プロダクトチームに伝えることが重要ですので。

それぞれのパーソナリティを見極めて人材配置が不可欠です。

④商談化促進術

■ 成果の上がるコールリストの作り方
組織全体で商談が足りない場合は、過去の失注や古いリードをリスト化し、そこから商談を生み出すことが重要であり、このような状況下でどんな条件でリストを作成すべきか
1.失注商談(商談機会なし他決を除き、失注日が1年以上前のリスト)
2.失注商談(従業員数が30名以下で商談機会なし、失注日が1年以上前のリスト)
3.リード役職者リスト(役職が上位のリスト)
4.保有商談が少ない営業、営業チームのテリトリーリスト(住所や企業規模)
5.時事ネタに合わせたリスト(法改正、業界特需)

・自社のハウスリストにあまり企業情報が含まれていない場合は外部データベースも活用すると良い
1.FORCAS(受注データから受注企業と相関のある企業をリストアップ)
2.START UP DB(業種や資金調達額、調達日で検索可能)
3.Musubu(企業情報だけでなく受注や傾向分析が可能)

■ ウェビナーの導入による変化
・SDRがウェビナーを活用する際の3つのポイント
①ウェビナーを前提とした情報収集
・これまでのようなお客様の興味や関心事のヒアリングだけでは不十分で「参加しやすい時間帯」を聞くことが重要
・直前の申込みが増えたこともあり、SDRとしてお客様の興味と参加可能時間を把握していれば直前に参加を案内することもできる

②ウェビナー前後に必ずフォローすること
・当日あるいは前日にリマインドすることで参加率を高める
・ウェビナーの時間枠で質疑応答の時間を必ず設ける

③お客様からのフィードバックをマーケティング部門に引き継ぐこと
・ウェビナーはTV番組のチャンネル変更のように簡単に離脱されるので、コンテンツ内容の改善とウェビナーの進化が不可欠
マーケティング部門と共にコンテンツを作る時代

引用:インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド ISBN 978-4 7981-6754-1 P178~184

<所感>

もう無理やり所感書いているのか?と思われるくらい同じことを繰り返している気がしますが、本当に実用的な内容ばかりです。
インサイドセールスという概念は比較的新しいですが、「ビジネスとしては当たり前のことを当たり前にやる」。

これに尽きるな。感じた次第です。


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