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水道ニュース・倉敷市・平均改定率20.82%の引き上げを検討


倉敷市、水道料金引き上げに向けた審議会の審議結果

倉敷市水道事業経営審議会は、市長に対して水道料金の適正水準についての答申を行いました。審議結果によると、現行の料金体系では物価上昇の影響や水道施設の更新・耐震化に必要な経費が42.4億円不足しており、これに対応するために平均改定率20.82%の引き上げが必要とされています。この引き上げは、2025年度からの3年間に実施される予定です。

料金改定の背景と必要性

倉敷市では、水道料金の引き上げが不可避と判断された背景には、水道施設の老朽化や耐震化の必要性があります。これらの施設の更新には膨大な資金が必要であり、現行の料金では賄いきれない財政的な課題が浮上しています。審議会は市民生活への影響を最小限に抑えつつ、水道サービスの持続可能性を確保するため、適正な料金水準の確保を目指しています。

引き上げがもたらす影響と市民への試算

20.82%の料金引き上げが実施された場合、平均的な4人世帯の1か月の水道料金は約458円上昇する見込みです。この試算は、市民の生活負担を鑑みた上での計算であり、引き上げがもたらす具体的な経済的影響についての見解も含まれています。市民の生活費の一部としての水道料金の増加が、地域経済や家計へどのような影響を与えるか、今後の検討が求められています。

地域比較と将来展望

倉敷市の水道料金引き上げの決定は、岡山県内の他自治体の動向とも関連しています。例えば、岡山市では2024年から15.7%の引き上げを実施し、更に2026年には20.0%の改定を予定しています。これらの動きは、地域ごとの財政状況や水道施設の更新ニーズに応じた具体的な対応を反映しています。倉敷市も将来の施策として、市民の生活とインフラの持続可能性を保つための戦略的な決定を迫られています。

倉敷市経営審議会の議事の経過は下記のとおりです。

倉敷市水道経営審議会の答申の原文は下記です。

答申では、水道料金の改定について、倉敷市の水道料金は現在でも中核市の中で5番目に低く、岡山県内では2番目に低い水準です。しかし、物価の上昇が続く中で現行の料金水準を維持することは困難であり、災害時にも運営を継続するための内部留保資金が不足する見込みです。これに対応するため、審議会は水道料金の見直しを行い、料金を適正な水準に引き上げる必要があると結論付けました。具体的には、料金算定期間を令和7年度から9年度の3年間とし、その間に総括原価方式を採用して料金を算定した結果、平均改定率20.82%の引き上げが必要と判断しました。

次に、水道料金体系について、現行の用途別料金体系を維持しつつ、各単価を一律20.82%増加させる料金表が提示されました。また、今後の水道事業の経営に対する要望として、料金改定の必要性を市民に丁寧に説明すること、企業債発行額の抑制、老朽化した施設の計画的更新と耐震化、そして将来的に安全でおいしい水道水の供給を確保することが挙げられました。最後に、審議会はこれらの答申を踏まえ、倉敷市水道事業の健全な経営と安定的な水道水の供給を図るよう求めています。

水道は、地方公営企業として経営されています。