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マーダーミステリーのハンドアウト作成ツールについて

先日のマダミスフェスで新作「サザンクロス20xx」を発売しました!

「ペア選択型」という特殊なシステムもウリの一つであるのももちろんですが、キャラクターの外見や、調査盤面、各キャラクターのHO、読み合わせ等も凝った作りとなり、リッチなプレイ感覚で満足間違いなしの新作なので、ぜひ皆様プレイしてください!

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今回の調査の特徴でもある「電脳調査」の盤面
「電脳にダイブする」という雰囲気を感じてもらうため、特殊な条件を満たすと特殊な調査盤面となり、普段では知れない情報を知ることができる。右下のキャラチップなども特別に作成しており、見た目にも賑やか。


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今回のウリのシステムである「フキダシ会話システム」
オンラインマーダーミステリーの特徴である「顔が見えない」ことを最大限に活用し、各プレイヤーがまるでキャラクターの声優になったかのような臨場感で楽しんで頂けます。ぜひ一度この病みつきになる感覚を楽しんでください。

GMレスなので、知り合いの方を集めて頂ければ気軽にプレイすることができますよ!

…ということで、いきなりの宣伝失礼いたしました。

店舗公演限定の「時空の後継者」、前作の「異世界転生者になろう!」に続き、「サザンクロス20xx」を作成し、マーダーミステリーの作成をそれなりに経験することができました。

その経験の中で、「マーダーミステリーのハンドアウト作成ツールは何が良いのか?」というのを色々と試行錯誤してきた経緯があり、この経緯をまとめると一つの記事になるのではないかと思いました。

この記事が、他のマーダーミステリー製作者の方の一助になることを願い、記事を投稿します

ご紹介するソフトウェア
■メモ帳
■サクラエディタ
■Google Docments
■OpenOffice Writer
■その他のフリーソフト
■Microsoft Word
■画像編集ソフト(GIMP、アイビスペイント、Photoshop等)

■メモ帳

費用:★★★(無料!)
効率:★☆☆(最低)
装飾:★☆☆(最低)

みんな大好きメモ帳。
Windowsパソコンなら標準装備されているし誰しもお世話になっただろう。
文章を書くという点では原点にしてシンプルの極み

ただ文章に起こすという行為のみであればこれで十分なのだが、
HO作成を行うという点ではあらゆる点で機能が足りていない。

草案を書いたり、殴り書きして思考を整理したりするのには使えるが
文章作成ソフトとしても装飾ソフトとしても最低級であることは否めない。

せめて後述の「サクラエディタ」を利用した方が良い。


■サクラエディタ

費用:★★★(無料!)
効率:★★☆(普通)
装飾:★☆☆(最低)

https://sakura-editor.github.io/

みんな大好きサクラエディタ。
メモ帳に色々な機能が付いたソフトでありながら
その軽さや使いまわしは全く重さを感じさせない素晴らしさ。

筆者が特に便利だと思っているのが
「Grep検索」「矩形選択」「正規表現での置換」あたり
よくわからない人はググってみよう!

ただし、これはどこまでいってもベタテキストの編集に過ぎず
下書きや文章の骨格を作るのには良いが、
出来上がりのためには必ず他のソフトを経由する必要があるため注意。

(txt形式のHOはさすがにさみしすぎますよね)

筆者も、完成品の作成には後述のドキュメント作成ソフトを使っていますが、普段の文章の取り回しにはサクラエディタを愛用しています。

■Google Documents

費用:★★★(無料!)
効率:★★★(最高!)
装飾:★★☆(やや物足りない)

世界のGoogleが提供している無料で使えるWebサービス
https://www.google.com/intl/ja_jp/docs/about/

いわゆる「Microsoft Word」の互換ソフトとなっており、
強調表現や文字色の変更、画像の挿入などひととおりの事は可能であり
即座に印刷やpdf化もできるため、一通りの機能は具備されている。

Web上のサービスではあるが、全くそれを意識させず
モタつきや不便さを感じることはほとんどない。

特に素晴らしいのが、Web上のサービスであるがゆえに
Googleアカウントで異なる端末から最新のドキュメントを共有できること。

メインPCと出先で使うサブPC、あるいはスマホなどでも
常に最新のドキュメントを確認・編集できるため
がっつり自室で作業するときも、電車のふとした空き時間でも
臨機応援に編集が可能
であり、一度体験するとローカル環境には戻れない。

これが無料で使えてしまって良いのかと驚愕するレベルのツールであり
さすがは世界のGoogleだと感服するほかない、素晴らしいサービス。

…ただし、このツールにももちろん弱点はあり、
HO作成においては致命的となる、それが以下の2点だ

 ①フォントの貧弱さ
 Goole Docmentsには、規定のフォントのみしか利用することができず
 外部からのフォントのインストールが不可能となっている。
 デザイン性を重視するHOを作成する場合、
 フォントを指定できないというのはあまりに致命的すぎる欠点となる。
 
 ②デザインの不自由さ
 デザイン系の機能は必要最低限しか用意されていないため、
 「背景画像を設定する」や「複雑な画像の重ね合わせ」が難しい。
 特に致命的なのは「背景画像をフチ無しで配置できない」こと。
 これもまた、デザイン性を重視したHOでは致命的となる。
 
①②いずれもデザイン的には致命的な欠点であり、
Google社に感謝しながらも、泣く泣くこの選択を断念せざるを得なかった。

一方で、①②の欠点を許容するシンプルなHOを作成するだけであれば、
費用面・使い勝手の面からは言うことなしのツール
であるため、
見た目にこだわりがないのであれば、素晴らしいツールであるといえる。

■Open Office Writer

費用:★☆☆(無料!)
効率:★☆☆(使い勝手悪し)
装飾:★★☆(やや物足りない)

https://www.openoffice.org/ja/intro/writer.html

Google docmentsと続いての選択肢となるのが、
WordのオープンソースバージョンであるOpen Office Writerとなる…のだが

正直、これは全く使い物にならなかった。

Wordとしての機能は具備している、いるはずなのだが

 ・動作が微妙にカクついてストレスが溜まる
 ・直感的に文字や図形が配置できない
 ・何の前触れもなく突然アプリケーションが落ちる

など、とにかくソフトウェアとしての品質が悪く(?)
逆に作業を邪魔されているとしか感じられなかった。

無料であるため文句を言う権利もなく、ソフトウェアとの相性の問題であり、使い方次第では無料で素晴らしいドキュメントが作成できたのかもしれないが、このソフトを試した時間は完全にムダであり、もう二度と使うまいと思ったソフトだった。

■(その他のフリーのドキュメント作成ソフト)

これ以外にも色々とフリーで利用できるドキュメントソフトを試してみたが、いずれも何かしら欠点があったり、直感的ではなかったりして選択肢として対抗馬となり得るソフトは存在しなかった。

■Microsoft Word

費用:★☆☆(高額/サブスク年1万)
効率:★★★(最高!)
装飾:★★★(必要十分)

https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/word

おそらく世界中で最も使われているであろうドキュメント作成ソフト。さすがの貫禄で、世界のMicrosoftが作成しているだけあり
必要な機能は十分に具備しており、拡張の余地も十分にある。

Google Ducmentsの欠点であった「フォント」や「デザイン」の問題も解決されており、Google Documetnsの長所である「Web上でのファイルの共有」もOneDriveを介する事でWordでも同様のことが可能となる。

よって、機能面で言えばMirosoft Wordが欠点の無いソフトであると結論付けられる。

唯一のデメリットは、やはり価格だ。
officeの契約をするには年1万3千円(買い切り3万2千円)の金額が必要となり、この金額は決して安いものではない。

ただし、商品として売り出すレベルのHOを作成したいのであれば、
無料で出来る範囲ではやはりさみしく、必要な投資であると思って潔く購入することを強くお勧めする。
(※筆者も、試行錯誤した末に早く買っておけばよかったと後悔しました)

■画像編集ソフト(GIMP/アイビスペイント/CLIPSTUDIO/Photoshop)

費用:★☆☆~★★★(無料~数万円)
効率:★☆☆(よくない)
装飾:★★★

番外編として、画像編集ソフト(筆者はCLIP STUDIOを使用)で
HOを作成するという方法もあるが、これは正直オススメしない

画像編集ソフトということもあり、表現の幅は非常に幅広く、
微妙な色合い、画像の重ね合わせ、ピクセル単位のレイアウト配置など
ドキュメント作成ソフトとはレベルの違う仕上がりが可能なことは事実だ。

ただし、その代償として、画像編集ソフトは基本的に
長文をだらだらと書くことを想定したインターフェースになっていない。

最初に気合を入れて作るときは何とかなったとしても、
その後の微調整や見直し作業が非常にやりづらい。

・画像編集ソフトであるゆえに、ページ数の概念が無い
 ⇒ページ毎に画像を作成し、pdf化の際に画像を張り合わせる必要がある

・wordで可能な文章の検索、置換といった行為が難しい

・ちょっと文章を編集したいだけなのに動作がいちいち重い

・文字色に拘る必要はないのに毎回RGBで指定されて微妙に文字色がズレる

などなど、本来不必要な部分で要らない手間が必要となってしまう。
正直、こういった部分での心労はただただ無駄に苦しむだけであり、
作品制作のモチベーションや品質が逆に下がってしまう。

よほど見た目にこだわったHOを作りたいのでなければ、
作業効率の面から、素直にドキュメント作成ソフトを使った方が良い。

■総括

以上の結論を総合すると、自分が出した最適なツール体系は以下の通り

①下書きや殴り書きは「サクラエディタ」
②本番のドキュメント作成は「Microsoft Word」
 ⇒ただしデザインにこだわらない場合は「Google Docments」


ただし「これが唯一絶対の作業ツールだ!」というつもりはもちろんなく、あくまで自分が触った形での好みというだけであることに加え、世の中にはまだ見ぬ素敵なツールがあると思っております。(Macで使えるPagesとか気になってます)

こんな便利なツールがあるぜ! みたいな情報があれば、ぜひぜひ教えてください!

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