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ブルージェイズ デッドライントレードまとめ

どうも、ヤスです。現地7/30日が今年のMLBにおけるトレードデッドラインになりましたが、ブルージェイズは3人の選手をトレードで獲得しました。1件1件振り返っていきたいと思います。


①ブラッド・ハンドをナショナルズより獲得


ブラッド・ハンド(LHP)

Riley Adams(C)


ワシントン・ナショナルズのクローザーであるブラッド・ハンドをトレードで獲得しました。ハンドは31歳のLHPで、20年のFA時にはブルージェイズも興味を示しているとの情報がありましたが、トレードでチームに加わりました。ナショナルズでは41試合に投げERA3.59、21セーブの数字を残しています。ピーク時から四球率が上昇し、奪三振率が低下するなど不安な要素はありますが、待望のトップリリーバーの獲得が叶いました。移籍後初登板はセットアップとして投げましたが、ロマノがどっしりとクローザーに座っているため、ハンドはセットアップとして投げることが多くなるかもしれません。心強い存在になってくれそうです。

見返りに放出したのはキャッチャーのRiley Adamsでした。今年は3Aで36試合に出場しOPS.847とまずまず好調でしたが、ブルージェイズにはジャンセン、マグワイア、カークと若いレギュラー格が3人もおり、出番がブロックされていました。カークが怪我から復帰する前はメジャーに昇格していましたが、27打席で打率.107と全く打てなかったことも放出を後押ししたものと思われます。ブルージェイズからしてみれば特に痛くはない出費でした。


② ホアキム・ソリアをダイヤモンドバックスより獲得

ホアキム・ソリア(RHP)

後日指名選手2名

ダイヤモンドバックスから、リリーバーのホアキム・ソリアを獲得。今年は31試合に投げERA4.30と特筆すべきことはない成績です。29.1回で31奪三振と投球回を上回っているのはいいところですが、それ以外は正直よくわからないトレードです。ブルペンの枚数が増えた程度にしかポジティブ要素を見出せません。

交換相手は後日指名の2名。PTBNLと略されますが、文字通り後日にトレード要員が決まる形になります。ソリアであれば傘下プロスペクトランキング25位〜以下から2人という形になると思われます。こちらもブルージェイズからすれば特に痛くない出費になるでしょう。


③ツインズからホセ・ベリオスを獲得

ホセ・ベリオス(RHP)

Simeon Woods Richardson(RHP)

Austin Martin(SS/CF)

ブルージェイズにとってこの夏最大のトレードでした。27歳のベリオスは今年20試合121ニングを投げERA3.48、32四球126奪三振という成績。トップエースというほどの存在ではないものの、大きな怪我がなく計算が立つ優れたスターターです。彼は来年まで保有することができるため、オフにレイ・マッツがFAになるブルージェイズにとって来年以降も優勝争いをするための布石となります。ポストシーズンまで進めたときにはリュ、レイ、マノア、ベリオスと優れたスターターの4人ローテで回せるため、そういう意味でも大きな戦力アップになりました。これでローテは6人になりましたが、17連戦中のブルージェイズは8/7にレッドソックスと、8/10にはエンジェルスとダブルヘッダーがあるため、そこまでは6人でローテを回す模様です。

しかし、支払った代償は大きなものになりました。傘下プロスペクトランキング4位のSimeon Woods Richardsonが交換要員になるのは予想できましたが、同ランキング2位のAustin Martinまで入るとは思いませんでした。彼は20年ドラフト全体5位指名、契約金700万ドルで入団したスーパースター候補で、筆者としても将来のブルージェイズの主力としての姿を思い描いていたため、優れたスターターとはいえ保有できる期間が1年半となるベリオスとのトレード要員にされるとは、非常にショックです。

ただ、マイナーを追って彼の成績を毎日チェックしていましたが、不安要素がないわけではありませんでした。優れた打撃力が最大の強みな彼ですが、55試合196打席で打率.281、OPS.807と、スーパースター候補としてはやや物足りなく感じる成績でした。普通のプロスペクトなら十分な成績ですが、彼が受けている期待の大きさはこのくらいの成績に収まるほどのものではありません。

さらに放出を後押ししたと考えられるのが、長打力の不足です。もともとドラフト時からパワーに関しては平均より上程度と、特段高い評価を受けていたわけではありませんでしたが、196打席で2HRしか打っていません。適応の最中かもしれませんが、一抹の不安は抱いてしまいます。とは言え、もしこの数ヶ月でパワーが伸びそうにないと判断されたとしたら早計が過ぎますし、やはり彼が放出されてしまったのは非常に残念でなりません。

④トレード収支まとめ

in

ホセ・ベリオス(RHP)

ホアキム・ソリア(RHP)

ブラッド・ハンド(LHP)

out

Simeon Woods Richardson(RHP)

Austin Martin (SS/CF)

後日指名選手×2

Riley Adams(C)

⑤ 勝利は至上命題


勝つために犠牲にした将来は大きなものになってしまいました。特にベリオスにかかる期待は非常に大きなものになります。彼はこのあとの日本時間深夜に移籍後初登板を迎えます。エース級のピッチングを見せてもらいたいものです。

個人的にトレードにおいて一番大きな影響だと思っているのは、選手の士気面への影響です。特にベリオスほどの選手となると、その影響も大きいでしょう。ブルージェイズは現在首位から8ゲーム差と絶望的な差ですが、15年の地区優勝時はまさに同じようなゲーム差でデッドラインを迎え、大補強して奇跡とも言える大逆転優勝を果たしました。今年のチームは同じようなことが起きると信じるに値するチームだと思います。信じて8月の戦いを見守っていきましょう。