マンスリー・ブルージェイズレポート 5月編
そろそろ梅雨に入りそうな時分ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。5月は多くの怪我人を出したブルージェイズですが、勝率は5割を超えア・リーグ東地区4位とよく踏ん張っているほうだと思います。そんなブルージェイズの5月を振り返っていきましょう。
チーム成績まとめ
チーム勝敗 27-25 アリーグ東地区4位
投手陣5月成績まとめ(月単位ではなくシーズン通算)カッコ内はMLB全体の中の順位
ERA 3.91(14)
与四球 163(20) 奪三振 468(13)
チーム打撃成績まとめ
チーム総得点 263(6)
打率 .258(3)
出塁率 .324(5)
長打率 .440(2)
OPS .764(2)
ホームラン 77(2)
盗塁 28(9)
投手陣総括
エースのリュは非常に安定しており、ERA2.60、58.1イニングを投げほぼ同じ数の58個の三振を奪っており、それでいて与えた四球は8個と、文句なしの安定感を見せています。2番手のレイは20年の制球難がウソのように、5月は29.1イニングを投げ与えた四球はたった3つでした。それでいて投球回以上の三振を奪っており、良い時は支配的なピッチングを見せます。ただ月間はERA4.60と、安定感には欠けました。3番手のスティーブン・マッツは月間ERA4.41でしたが、32.2イニングを投げ、ブルぺン不足に苦しむチームにはとてもありがたい先発ピッチャーとなっています。
4月同様、まともな先発はここまででした。トッププロスペクトのピアーソンが5/9に怪我から復帰し今季初登板しましたが、2.1イニングを投げ3失点、5つの四球を与えるなど惨憺たる結果に。リアルタイムで観ていましたが、ゾーンを大きく外れるボールが多く、明らかに制球が定まっておらず酷いものでした。フォームを改造中とのことで、まだ長い時間がかかりそうです。ただ希望もあり、同じくトッププロスペクトでマイナーで圧倒的な成績を残していたアレク・マノアが5/27のヤンキース戦で満を辞してメジャーデビュー。6イニングを投げ無失点、2四球で7個の三振を奪うという見事なデビューを飾りました。先発投手不足のチームにおいて救世主となりそうな存在です。
ブルペンはさらに苦しく、フェルプスは手術により今季ほぼ絶望、ボルッキも怪我で離脱しており枚数が足りていません。最近になってロマノがクローザーを勤め始め、100マイルを超える速球を武器に打者を制圧していますが、彼以外のリリーバーは特に目を引く存在はおらず。前半は安定していたチャットウッドは5/30のインディアンス戦で1.1イニング2失点、5四球を与えるという目を覆うばかりのピッチング。暫定クローザーだったドリスはERA4.76と冴えず。ブルペンは6月中旬復帰予定のメリーウェザーを心待ちにしたいような状況です。
野手陣総括
もうそろそろ声高に叫んでもよさそうなので。22歳の天才がいよいよ覚醒の時を迎えています。ブラディミール・ゲレーロJrは.323/.430/.634/ OPS1.065と三冠王すら狙えそうな猛打を振るっています。今季大きく改善されたのがアプローチで、四球32に対して三振が32と、打撃面での穴がなくなりました。気の早い話ですがもし彼が三冠王を獲得すれば、あのタイ・カッブが22歳シーズン時に獲得した記録を日数面で上回るため、史上最年少での三冠王になります。偉業に期待したいところです。しかしそんな彼以上に月間で打ちまくった選手がいます。マーカス・セミエンは月間で.368/.429/.702 OPS1.130 8HR 22RBIと大爆発。シーズン通算ではOPS.915まで上昇しており、MVPレースにすら参戦してきそうな勢いです。守備走塁での貢献度も高いため、このまま調子を維持すればMVPの可能性はあるかもしれません。他に大きく調子を上げたのがテオスカー・ヘルナンデスで、月間OPSは.959 6HRを放つなど、中軸打者として相応しい働きぶり。驚きなのがシーズン打率.317という数字で、去年までのキャリア通算.245という彼からすると出色の数字に。シルバースラッガー賞を受賞した去年の打棒は伊達ではないかもしれません。
5月全体総括
ブルぺンに怪我人が続出でスターターが常時足りておらず、スプリンガーも欠く中、よく耐えたという印象です。ただ現在地区首位のレイズは一時11連勝するなど圧倒的な強さで君臨しており、ブルージェイズの今の状態では離されずついていくのは厳しい状況です。6月はスプリンガー、カーク、メリーウェザーなどIL入りしている主力たちが復帰予定のため、彼らが戻ってくるまでは以前苦しい状態が続きます。ただルーキーのマノアが支配的なピッチングをしたことは希望の光となっており、チームのブーストにひと役買ってくれそうです。
以上、今月の総括でした。スプリンガー、早く戻ってきてくれ。