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矢野顕子 × 上原ひろみ Recording Live in Tokyo ~ラーメンな女たち~@ Bunkamura オーチャードホール 2016.9.15

9/15 Thu.  Bunkamura オーチャードホール


僕が上原ひろみを知り、ファンとなった原点、矢野顕子×上原ひろみ。
矢野さんのデビュー40周年企画の一環らしいです。

このお二人のユニットは人見記念で2回、東京JAZZもあったし、
矢野さんのさとがえるコンサートもあった。
レコーディングライブとしては今回で2回目。

ここぞという時に微笑んでくれたクジ運の女神様に、神様仏様ご先祖様に、
心の底から感謝です、ホントに。

とびきりの素晴らしいライブになることは
初めから1ミリも疑っていませんでしたが、
この事前の心構えをもってしても鼻血ブーなライブ。

特に今回は矢野さんのピアノに感銘を受けました。
今年デビュー 40周年、長年第一線で活躍されていても、
その座に甘んじず、常に上を追い続けていて、
しかもそれを結果に結びつけている矢野さんが大好きです。

ひろみさんは、毎回必ず全力投球してくださる方なので、
その点ではいつも通りであり、
そして、それがいつも以上のレベルに達するのも、いつも通り。

アレンジも1曲を除いて全てひろみさんとのことですが、
ちゃんと寝てるのかな。

矢野さんとひろみさんのユニットが益々円熟味を増していく理由として、
そのひとつは間違いなく「ラーメン」なんでしょうけど(笑)
常に高みを目指して冒険し続けているのが一番の理由ではないかな?と
勝手に想像しています。

それにお二人とも、永遠に枯れない神の泉でも持っているんですかね?
同時にセッセと仕込みもしてると思うのですが
仕込み作業はかなりの重労働だと思うんですよね。
なのに、尽きることない表現意欲。
そこがプロ中のプロたる所以ですね、すごいです。

ライブ中は、息を呑む場面、瞬きしたくないと思う場面が、
わんこそば状態でやってくるので
ライブ後は幸福な疲労感で満たされました。

ホールを出ると、夜空には中秋の名月。

あとは、あっさり魚介系ダシの効いた
醤油ラーメンが食べられれば完璧でしたが、
渋谷は豚骨の街のようで、これだけは叶わず。

でも、幸せ過ぎるくらい幸せな夜でした。

ライブ録音CDは来年発売予定だそうです。
前回はレコーディングライブの約2ヶ月後にCD化されたのに
今回はちょっと長いですね。。。
映像も収録していたので、そっちもなんらかの形になったりするとか?

ま、楽しみは先に取っておくということで。

で、楽しみを取っておきたい方々とは、
CDを聴いた後に是非。

以下、ライブのネタバレ感想。

* * * * *

ステージに登場したお二人。
ピアノに座って、楽譜を確認して・・・なんてやっていたら
なんと、ひろみさんが忘れ物をしたとかで袖にひっこむ。

忘れ物とやらは一体何??

その間を矢野さんがトークで繋いでいると、
タタターっとひろみさんが矢野さんに歩みよってきて
「もう一回出るところからやりたい」とかなんとか。

んで、新たな気分で再入場。
こちらも新鮮な気持ちで再拍手。

のっけから、ワクワクするアクシデントで開演。

1曲目は矢野さんの名曲「東京は夜の7時」。
ひろみさんによると、長年演奏したいと思っていた曲であり、
彼女が生まれた年に発表された曲なこともあって、思い入れがあるそう。
曲に出てくる都市でのライブ訪問をクリアし続けて、
残るはリオとカイロとアンカレッジとか。でもリオは来週クリアだそうで。
次は、ひろみさんの訪れていない都市名が加わるとか加わらないとか
by矢野さん。
オリジナルはYMOがバックバンド(だったはず)
それがピアノ2台で演奏されたのが新鮮。

2曲目は「おちゃらかプリンツ」
「プリンツ」と聞いてハッとしました。
たぶん、ウェイン・ショーターの「フット・プリンツ」では?
(間違ってたらすんません)
2曲をミックスしたパターンのアレンジ。
この曲だけひろみさん以外のアレンジとのことだけど、なぜだろう?
ひょっとしたら全編インプロビゼーションだけで構成されていた?

3曲目「真っ赤なサンシャイン」
これも異なる2曲の合わせ技。
美空ひばりの「真っ赤な太陽」はわかったけど、もう一曲は不明。
おそらく有名な曲なんだろうな。
出ていったか死んでしまった恋人を思って嘆く系の歌詞、かな?

4曲目「飛ばしていくよ」
これはつい最近の矢野さんの曲。
まさか、この曲をやってくれるとは。
僕にとっては一番意外性のある選曲でした。
オリジナルは新世代テクノポップとでも言えばよいのか、
怒涛の高速ピコパコなのに、それをひろみさんがピアノで演奏。
人間に限界はないんだなーと。
矢野さんは伴奏をしながら、
高速ピコパコを一心不乱に演奏するひろみさんを見て
「ねぇ、楽しい?」と質問したら「うん!」と満面の笑みで返されたそうで。
爆笑。

5曲目「Dreamer」
ひろみさんトリオプロジェクト前作「ALIVE」からですね。
矢野さんがこの曲をリクストしたそうで
「でもその後、どれほど後悔したか」だそう。
歌詞がついてましたが「CAPE COD CHIPS」のように全編歌ではなくて
「Deja vu」のように要所要所パターン。
クライマックスは、お二人が同時にそれぞれ違う拍子を演奏して、
最小公倍数でピッタリ合うぞ作戦だと思う。
こういうのもやっちゃうあたりがスゴイです。

6曲目はひろみさん作詞作曲でワールドプレミアの「こいのうた」
歌詞がついたからこそ表現可能なひろみワールドですよねぇ。
こういう曲の矢野さんの歌がね、これまた温かくて。

7曲目「ホームタウン・ブギウギ」
矢野さん本拠地ニューヨークと、ひろみさん本拠地東京をつなぐ、
と言ってましたが
ひろみさんは本拠地を東京に移した?
それとも、この曲の中での音楽の役割としての意味?
ま、いいや。
「東京ブギウギ」と「ニューヨーク・ニューヨーク」のミックス味。

あれ?ラーメンな女たちなのに、あれがないじゃないかと思っていたら
満を持してのアンコール、新アレンジで食欲追加の
「ラーメン本気で食べたい」でした。

その後、相撲のように審議が行われた結果、take2は
「東京は夜の7時」「Dreamer」「飛ばしていくよ」
「ラーメン本気で食べたい」の4曲。

ひろみさんは、やればやるほどテンションが上がったようで
「楽しいね」とおっしゃり。

ひろみさんに腕をマッサージされつつtake2に挑んだ矢野さんも
やればやるほど調子が上がってきたとか。
これも、ひろみさんの魔力、元い、マジックか。

当初の予定より1時間以上も長く音楽に触れていられて
とても贅沢な時間をいただきました。

とか言えているうちは幸せで、
ひろみさんのレコーディングは、これが延々と続き、
遂にはスタッフが倒れる・・・に繋がるんでしょうね。

電車が動いているうちに帰れてよかったです(爆)


来年は、矢野&上原でツアーとかあるかも?
きっとあるだろうな。
レパートリー増えたし、ああ、楽しみだー!
早くもチケット争奪戦が心配。。。


セットリスト

1. 東京は夜の7時
2. おちゃらかプリンツ
3. 真っ赤なサンシャイン
4. 飛ばしていくよ
5. Dreamer
6. こいのうた
7. ホームタウン・ブギウギ
EC. ラーメン本気で食べたい


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