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吹奏楽とボク、そして「酒井格作品集」

実はワタクシ、アマチュアの社会人吹奏楽団でサックス吹いてます。
吹奏楽に出会ったのは中学1年生の時。
それ以来、楽器を吹かなかったのは浪人時代の1年間と、
社会人になりたての半年間のみ。

大学時代は、吹奏楽コンクール全国大会金賞を目指して、
盆暮正月以外は朝から晩まで文字通り楽器漬けの生活を送ってました。
夢は叶わなかったけど。

社会人になってからも吹奏楽を続けられる環境にあり、
若い頃はそれこそ精力的に活動してました。

でも年齢を重ねるごとに仕事との両立が難しくなり、
もう随分前から日曜日に楽器に触るだけで精一杯。
特に最近は加齢と共に日曜日ですら楽器を吹くのが辛くなり、
重たい体をひきずるようにして練習に行くような状態なのが正直なところ。

所属楽団は高齢化が進み、団員数も減少。
それでも楽器を吹いたら幾許か心が軽くなるし、
30 年以上の付き合いになる仲間たちと会えるのも楽しい。
年齢を重ねた今だからこそ、趣味のコミュニティの大切さを痛感します。


先日、プロの吹奏楽団の演奏会を聴きにいく機会がありました。
演奏会が地元の音楽ホールで開催されるということに加え、
指揮者が以前お世話になったことのある先生だったから。

会場に入ると、物販コーナーで「酒井格作品集」というCDが目に入りました。

最初は、CD、しかも吹奏楽ということで、購買意欲は全くありませんでした。
でも「選曲の参考になるかも」的な薄っぺらい物欲が湧いてきたことに加え、
「The Seven Night of July」「森の贈り物」の2曲が収録されていたので
購入することにしました。
上記2曲は過去に演奏したことがあるし、大好きな曲だったので、
コンサートに来た記念として買ってもよいかな?みたいな。

その後、実際のコンサートで東京佼成ウインドの生演奏を聴いて、
プロの奏でる吹奏楽の響きに大感動!
吹奏楽って素晴らしい、そんな純粋な気持ちを呼び戻してくれました。
惰性でちんたら楽器吹いてた自分を猛反省すると同時に、
すぐにでも楽器を練習したい気分に。

で、演奏会が終了。
CD購入者は指揮者サイン会に参加できるというので、
先生に久しぶりのご挨拶も兼ねてサインをいただきました。

大井剛史先生のサイン入り

帰宅後にCDを聴いてみたら、あまりの素晴らしさにまたしても大感動!

酒井さんの曲はドラマチックで、思わず歌い込みたくなるようなメロディばかり。
サックスが目立つ曲が多いのも僕としては嬉しいポイント。

ただ、この段階では「この曲をうちの楽団でやるには難易度が高すぎるな」とか、
「このフレーズを演奏するには指が難しそうだな」等々、
今後の演奏会の候補曲を選曲する目的であったり、
自分が演奏する前提での参考音源的な扱いでしかなかったのが事実。

でも気づいたら、なぜだかこのCDばかり聴くようになってました。
通勤時は英会話を聴くと決めているのに、我慢できずに酒井格。
外回り営業中は普段音楽聴かないのに、電車に乗ると寸暇を惜しんで酒井格。
帰宅時の満員電車でも酒井格。
自宅でもパソコンやりながら酒井格。

聴いていて楽しいし元気をもらえるし、癒されたり切なくなったりもする。
聴けば聴くほどに好きになっていく。

クラシック音楽ファンて、必ずしも「学生時代にオーケストラで楽器経験あります」って人ばかりではないですよね?
ジャズファンも同様で、楽器経験ないけど聴くのが好きなんです、っていう
愛好家が大半かと。

では吹奏楽は?
吹奏楽の経験ないけど、曲が好きなんで吹奏楽のCD買ったり演奏会に行きます、ってファンがどのくらいいるのか。
いたとして、かなりレアな存在な気がしませんか?

でも、酒井さんの作品からは、ジャンルを越えて音楽ファンを魅了するパワーを
ひしひしと感じました。
例えば、普段クラシック音楽を流しているようなカフェで
「いちご協奏曲」と「森の贈り物」とか「148の瞳」とかが
BGMとして聴こえてきても絶対に違和感ないし、
逆に素敵だと思うんですよね。

このCDを音楽作品として純粋に楽しんでいる自分に、やっと気付けたわけです。
と同時に、僕の中にこそ吹奏楽に対する偏見があったという事実に辿り着けました。

この反省もこめて、僕は周囲の音楽愛好家にこの作品集を勧めまくるつもりです。
僕に大切なことを教えてくれた素晴らしい音楽家の皆様に、感謝です。


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