あの波はどこから

サーフィンをはじめてそろそろ2ヶ月。

その年の5月の湘南は比較的波があり、6月も梅雨時期にしては悪くなかった。

レベル的には波がどうこうよりも、とにかく出来ればよかったので、波の質うんぬんよりも、波がある事の方が肝心だった。

しかし、その日は突然やってきた。

梅雨明けで夏到来。 気分はいいけど、波はどフラットで湖のよう。。

毎日海に行っていれば、こんな日もあるのだろうけど、当時は週一サーファーの僕には、信じがたい光景だった。

そして波を求める強い気持ちはおさえられず、いつか波乗り雑誌で見た、外海にはたいてい波があるという記事が、ふと記憶にたちのぼり、車とサーフボードと僕を遠くへと駆り立てた。

近い外海というと、房総か伊豆が頭に浮かび、すこしの迷いの後、縁のあった房総を目指す事とした。

あてがある訳じゃない。

とにかく東を目指して何時間も走り、どこをどう通ったのか、車はようやく南房総にたどりついた。

そして苦労はむくわれた。

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