呪われた夜 One Of These Nights
時はバブル期
日本の景気=サイコー 僕=最悪の時代
会社(社会)になじめず、女の人ともすっかり縁遠くなってしまっていた。 女性も職場には居るけれど、ここでは男女間を支配している原理が根本的に違うみたいで異次元に迷い込んでしまったみたいだ。。
・・・
そう、あの晩はまさしく、「 呪われた夜 」
だったんだ。
・・・・・・
呪われた夜
日本列島はバブル真っ只中で、景気のとてもいい時代だったけれど、その頃会社に入ってからの僕はというと、すっかり女の人と縁遠くなってしまっていた。
職場には女性が居ない訳ではないのだけれど・・なんとなくこの場所では、男女間を支配している原理が根本的に異なるみたいで、違う世界に来てしまった気がしていた。
今迄の学生時代が恵まれ過ぎていたのかもしれない。
いつかそのうちに、なにかが起こるという様なムードは職場にはぜんぜんなく、
「彼女がほしけりゃ、なにか行動を起こす」
必要があった。
新しい職場で働き始めるというのは、とてもストレスが掛かることで、ましてや学生から社会人なんていうと、180度近くも生き方を方向転換させられた気分で、世の中との向き合い方を変えていく必要性に迫られていた。
だけれども・・人間というのは順応性があり・・慣れてしまう動物でもあり、たくましいと言うべきか、図々しいと言うべきか・・・イヤ~な業務にも、ウルサイ先輩にも、対処の仕方がわかってくる。
すなわち、「仕事に慣れてくる」と、周りがすこし見えるようになってきた。
「あれ、この人けっこう可愛いかも」
そんなことを思うのは、急に押えつけらてしまったその分、浮わついた気持ちが、反動として出てきてしまったのかもしれない。
彼女は日に一度か二度、うちの課に図面を取りに来て、あっという間に帰ってしまうだけなのだけれど、ひと言ふた言とことばを交わし、天使のようなほほえみを毎日見ているうちに、男だったら、すこしだけ惚れてしまったとしてもおかしくはない、そんな姿。
「うーん、やっぱり可愛いな」
つぶらな瞳の彼女にちょっとだけ恋心。
一度火がついてしまうと、それを消すのは簡単ではなくなるから、見た目だけでなく、彼女の色々なことを知りたいと思うようになった。
新入社員ではないから、僕よりも年上なのは間違いないだろうけど・・
なんとか彼女のことを知りたいと思っていたその矢先、職場の先輩女子が、同じ課の若い連中だけで食事でも行こうかと誘ってくれ、先輩女子3人と僕ひとりの4人のメンバーで、クルマを出して運転するのは僕の役目になった。
これはいい機会・・話ついでに、彼女の事をちょっとだけでも聞きだす事ができればと、見た目どおりに天使なのか、それとも悪魔なのか、その両方をちょっとづつ兼ね備えた理想の女性なのか、つぶらな瞳はいつわりの瞳でないのかを探るべく、
チャンス到来
次回話につづきます
https://yasssy.com/story-ootn02
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