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サカオタ的リーグワンクラブ東京脱出のススメ

今年1月7日に開幕を迎えた日本初のプロラグビーリーグ「NTTジャパンラグビーリーグワン」。2019年のラグビーワールドカップの熱狂と興奮が追い風となりプロリーグとして華々しい開幕を迎えるはずだったが、コロナ禍によってプロスポーツの観戦文化そのものが大きく変化してしまった結果、逆風の中での開幕を余儀なくされている。特に気になるのは、トップリーグ時代から引き続きホストタウンを置くチームが多かった結果、D1カテゴリーの12クラブのうち5クラブが東京を名乗っている「東京一極集中」の状態だ。

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試合日程に関しては時間や日にちをずらすなど工夫が見られるが、それもここまで被ると限界があり、2月26日開催の第7節を例にすると同日のまったく同じ時間に直線距離で3キロ弱しか離れていない会場でリーグワンの試合が開催される事態が起こっている。あまりにも近い会場同士で同じ時間に開催されると観客の奪い合いが起こりうる上、アウェイツーリズムの観点からも東京での試合が多くホームタウン周辺にファンなどが観光で落としていくお金は少なくなるため、地域への経済効果も望めないのではないかという見立てをサカオタの筆者としてはしたくなる。

そこで、関東特に都内にホストエリアを置くクラブにホームタウン移転を検討してほしいオススメエリアをサカオタ的な独断と偏見で勝手に提案してしまおうというのが今回の記事だ。堅苦しい入りになってしまったが、ご笑覧いただければ幸いである。

①栃木県宇都宮市(宇都宮都市圏)

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人口・・・112万人(宇都宮都市圏全体)

ラグビー熱・・・★★★☆☆

オススメ度・・・★★★★★

北関東第一の都市、餃子が有名な宇都宮市を中心とする宇都宮都市圏は政令指定都市を除けば日本最大の規模を誇る。また、東京駅から新幹線で約1時間、在来線で約2時間というアクセスの良さもあり、周辺には温泉など観光資源も豊富。

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ラグビー熱的にはこのあと登場する栃木県グリーンスタジアム(グリスタ)でのトップリーグ開催実績もあり、また田村優(日本代表)、熙の兄弟を輩出した國學院栃木など強豪校の存在も栃木県のラグビーにおける隠れたポテンシャルを秘めている。

スタジアム

栃木県グリーンスタジアム(収容人員15,589人)

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カンセキスタジアムとちぎ(収容人員25,244人)

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もし栃木県をホストエリアに定めるクラブが出てきた場合は上記2つのスタジアムの使用が見込まれる。いずれもJリーグ・栃木SCと共用することになると思われるが、グリーンスタジアムはJリーグのライセンスの問題がクリアできておらず、栃木SCのメインとしてはカンセキスタジアムを現状は使用しているため、トップリーグでの使用実績もあり、市場規模を考えてもラグビーはグリスタをメインに使うことになるだろう。

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さらにグリーンスタジアムは2022年度末には芳賀・宇都宮ライトラインの開業により宇都宮駅からのアクセスもさらに便利になることも見逃せない。

宇都宮には栃木SCのほか、バスケットボールBリーグの宇都宮ブレックスや野球独立リーグの栃木ゴールデンブレーブス、自転車競技の宇都宮ブリッツェンなど、他競技の団体も多数あるため、そういった既存の在栃スポーツチームとの提携やコラボレーションへの期待も持てる。

②四国(香川・愛媛・徳島・高知)

人口・・・約369万人(4県合計)

ラグビー熱・・・★☆☆☆☆

オススメ度・・・★★★☆☆

四国には過去にも現在もラグビーの有力チームや有力校はない、いわば「不毛の地」。しかし、かつて野球王国と言われた四国にも今やJリーグクラブが4つ誕生している。道は険しいが、今は「その他」の側に属するラグビーも四国から人気をボトムアップできる可能性はまったくゼロではない。古くから巡礼地として、風光明媚さと各地に点在する温泉地、名物グルメなど、今も旅行者の興味を惹いて止まない四国はアウェイツーリズムの観点からも最適といえる。

スタジアム

【徳島】ポカリスエットスタジアム(収容人員19,637人)

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【香川】Pikaraスタジアム(収容人員22,338人)

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【愛媛】ニンジニアスタジアム(収容人員21,419人)

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四国の経済規模やスタジアムの芝生の養生の問題を考えて、1県をホームにするより四国4県をホームとして新規にクラブチームを立ち上げるほうが良いかもしれない。リーグワンの世界レベルのプレーを四国のファンに見てもらう機会をつくること、地元選手の発掘と代表へ送り込むことを柱にラグビー普及に貢献していけるのではないか。

いかがだっただろうか。関東エリアにチームが集中しているリーグワンの現状だが、かつてのJリーグも開幕時の10クラブのうち6クラブが関東だったことを考えれば初年度から悲観することはなく、他地域への拡張や拡大に今後取り組んでいっていただければと考える。

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