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苫小牧市令和6年度9月第7回定例会「一般質問」

以下の内容は、令和6年9月に開催された苫小牧市第7回定例会の一般質問において、市議会議員である私、嶋中康晴が行った発言内容と苫小牧市の答弁をまとめたものになります。
文字数の関係で実際の言葉を若干簡略化していますが、内容については調整しておりません。(実際は全ての質問答弁がもっと丁寧な言葉でやりとりされています)

一語一句正確なやり取りをご覧いただきたい場合は、以下のURLよりアーカイブ動画をご覧いただければ幸いです。

【苫小牧市議会インターネット中継アーカイブ】

Ⅰ:交通行政(1)ライドシェアについて

質問先:総合政策部・まちづくり推進課
目 的:市内で見られる交通課題に関する行政の見解に対し、ライドシェアの可能性を提案

▼嶋中
交通行政について、本市における現在のタクシー台数を知りたい。
▼答弁
市内のタクシー事業者は、本年8月末現在において事業者数が個人タクシーを除き5社。台数155台に対して稼働率が50%程度となっている。
▼嶋中
5つの事業者が155台を抱え、稼働率が50%程度ということだが、昨年度と今年度のタクシー台数に変化があれば原因と見解を含めて聞きたい。
▼答弁
市内タクシーの台数については、昨年度と比較して64台減少している。減少の要因は、未使用車両について、利用者の多い札幌圏等へ移転したことが理由とタクシー事業者から伺っている。
▼嶋中
1年間で219台から64台減少し、155台になったということだが、これは単純計算で3割程度、台数を減らしているということ。現在の稼働率を見れば、それによって台数が不足しているわけではないと分かるが、決して小さくはないインパクト。
では、大きく台数を減らしている本市のタクシー情勢だが、日中と比較すると夜間のタクシー台数が少ないと感じる。実態は把握しているか。
▼答弁
夜間の時間帯のタクシーの運行については、日中の時間帯と比較して50%程度の稼働率に留まっている。
タクシー事業者からは「高齢化が進んでおり、酔客によるトラブル等が多い夜勤を希望しない運転手も多く、夜間の運行シフトを十分に組むことが難しい。」ことや「平日の夜間については一定程度運行車両を確保することができているものの、限られた配車数のため需要が多い時には対応できない場合もある。」と伺っている。
▼嶋中
あくまで感覚的なものではなく、実際の稼働率で見ても日中の半分程度という実態があることが分かったが、この点もう少し深掘りしたい。
実際に夜間の飲食事業者や、夜のタクシー利用が多い市民と話しをしても、やはりタクシーが捕まり難いといった声を聞くことが多い。こういった声についても見解を聞きたい。
▼答弁
タクシー不足については、飲食店を営むまちなかの関係者及び利用者から、特に年末年始や、春の歓送迎会のシーズンにおいて、夜間の時間帯に不足しているとの声を聞いている。一方で、日中や平日の夜間帯については、以前に比べタクシー不足が緩和されてきたとも伺っている。
今後もタクシーの運行状況を注視するとともに、利用者の声について、ハイヤー協会と情報共有を行い、可能な範囲になるが対応に努めていく。
▼嶋中
確かに私個人の肌感覚でも、例えば錦町周辺で食事をした後にタクシーを利用する際、以前よりかなり拾いやすくなったと感じる。
しかしエリアを変えてみると、例えば西部西地区では未だに夕食後にタクシーの配車を依頼しても、地域を理由に断られることが少なくない。
流しているタクシーはもちろん、電車到着時間の駅前ですらタクシーを見かけることがない。
このような地域間格差についても把握できているか。
▼答弁
夜間のタクシー運行については、事業者から、利用者の多いまちなかを優先して配車をしていると伺っている。
また、利用者が少ない地区においては稼働率が低い状況にあるため、収益確保の面で厳しく、運行シフトを集中させることは難しいとも聞いている。
▼嶋中
あくまでタクシー運航は民間事業者による企業活動ですから、収益効率を上げるため、より短時間で確実にお客様を確保できるまちなかに偏ってしまう現実は理解できる。
しかしだからこそ、ライドシェアといった制度が世界各国で導入されているのではないか。
タクシー会社が「この地域は収益確保が困難」と判断した地域に、最低限の資格取得や登録などによって許可を得た地域住民が、自家用車での送迎サービスを展開できれば、地域住民の移動手段に新たな選択肢が増え、地域の飲食店でも安心してお酒が飲め、一定数の副業を促進でき、タクシー会社にも無駄な配車依頼が入らなくなる。
国内で進んでいる、現行の日本式ライドシェア制度の進捗や課題感を踏まえ、本市としての見解を聞きたい。
▼答弁
ライドシェアについては、タクシー需要に供給が追い付かない地方都市が抱える課題解消につながる施策として国が進めており、既に札幌圏で導入されているほか、伊達圏及び信知安圏において導入を検討していると伺っている。
一方で、現行の制度は、通常利用するタクシー運賃と同額であること、さらに、台数が不足していると国が認可した時間帯にのみ運行が認められる条件が課せられていることから、タクシー不足の解消に直結することは難しいとの見方もあるが、市としては、国によるライドシェア制度の運用について今後も注視し、公共交通会の議論を踏まえて方向性を見定めていく。
▼嶋中
この件に関しては現状、法制度による限界があることを十二分に理解している。しかし市民や地元事業者のため、国や関係業界に提案し続ける姿勢や、制度が変更、もしくは規制が緩和された際に迅速に動けるよう調査や準備を進めてほしい。
併せて、全てを行政サービスや国の支援制度に頼るばかりではなく、地域住民と地場の事業者が連携しながら「地域の課題は地元の人間が協力して解決する」という「住民による自治」のあるべき姿を忘れず、私自身も地域の人間の一人として地域に提案していく。
今後も、西部西地区はもちろん、本市全体の交通問題について、総合政策だけではなく商業振興や福祉・医療・教育などの観点からも提案していく。できれば行政にもその想いや活動を理解・共感してもらい、積極的に情報提供や意見交換の場など、様々なサポートをしてほしいと思っている。こちら要望として本質問を終わります。

Ⅱ:スポーツ振興(1)第1回とまこまい氷夏フェス2024について

質問先:総合政策部・スポーツ都市推進課
目 的:「氷都とまこまい」を文化として盛り上げる官民連携イベントに成長させたい

▼嶋中
8月24日・25日の2日間、nepiaアイスアリーナにて「第1回とまこまい氷夏フェス2024」が開催され、両日累計で13,000人が参加し、真夏に「氷都とまこまい」を満喫したようです。今回、本市としては民間事業者を中心に企画・運営された本イベントを、どのように捉えているか。
▼答弁
「第1回とまこまい氷夏フェス2024」については、「苫小牧タウンマネジメント」が「氷都とまこまい」を盛り上げるため、市民がスケートに携わる機会やネピアアリーナに足を運ぶ機会を増やすことを目的として、「レッド―グルス北海道」との共催で企画した新たな事業です。
当日は、同チームのプレシーズンマッチを同時開催とし、試合観戦と屋外での飲食やステージイベント、競技体験などを組み合わせることにより多くの来場があり、大変盛り上がったと承知している。
市としては、このようなイベントを通じて、本市の文化でもある氷上スポーツの普及振興が図られることはもとより、アイスホッケーを「観る人」の拡大が図られることから、高く評価すべき取組みであると考えている。
▼嶋中
民間事業者が地域の特徴や財産を活かし、まちづくりや地域の賑やかしに繋がる大規模な催しを増やしてくれることは非常に大きな地域貢献であり、公民一体となって未来をつくる理想的な動きに繋がると感じる。
因みに本イベントについて、本市も活動を支援する連携や協力体制があったと聞いているが、内容を具体的に知りたい。
▼答弁
氷夏フェスへの支援については、本事業の後援をしており、主催者の要請を受けて公共施設へのポスター掲示や公式LINEなどを通じた広報・周知活動のほか、隣接する中央公園の借用など協力させていただいた。
また、市の補助金などを活用し、観光協会が実施している賑わい創出事業において、スポーツと食パート事業の一部として、プレシーズンマッチの企画やクラフトスパイスのPRなどを連携して実施した。
▼嶋中
本イベントを今後も継続していただけるなら、『真夏に氷都とまこまいをPRする』という意味で、メディア受けも良く、非常に影響度の大きなイベントになると思う。
これは個人的な願望ですが、次回以降、ときわスケートセンター等の施設に開催地を拡大したり、アイスホッケーの普及に貢献しているビアリーグも連携するなどして成長を続ければ、氷都とまこまいをPRする目玉イベントに成長できるのではないかと期待している。
本市としても、より積極的に様々な角度から協力・支援していくべきではないかと思うがどうか。
▼答弁
アイスホッケーの普及振興については、競技関係者をはじめ関係機関が連携し、取組を進めることが重要であると考える。
今回の民間事業者が主体となった新たな事業を成功裏に終了したことは大変喜ばしいことであり、今後も愛好者や無関心層を取り込み、アイスホッケー競技を盛り上げるとともに、市内外に氷都とまこまいをPRしていただくことに期待している。
これから本格的なアイスホッケーシーズンが始まるが、市としても引き続き民間主体の取組を支援するとともに、若年層の競技人口拡大や全国高校選抜アイスホッケー大会の開催などを通じて、競技の振興に努めたいと考えている。
▼嶋中
今後の協力・支援について前向きな答弁で安心した。
もちろん、民間事業者と連携する事業は本件だけではないので、今後も様々な『公益性の高い事業』に対し、開放的で積極的な連携を広げてほしい。
最後に今後の政策について。
「氷都とまこまい体感プログラム」によって、道外からの交流・移住の創出に繋がっている実績や「とまこまいスケートまつり」が冬季のまちの賑やかしに繋がっていることは理解している。
しかし本市の市民・子どもたちの「リンク離れ」が年々進んでいると言われる中、『氷都とまこまい』として今後どのような取組を考えているか。
▼答弁
市民のリンク離れについては、十数年前までは多くの学校や公園などにリンクが造成され身近な地域でスケートを楽しめたが、現在はこれらが減少しており、気軽にスケートを滑る機会も減っていると考えている。
市としては、氷上スポーツ育成事業によって幼稚園や保育園がスケート授業などを実施する際の費用を助成しているほか、幼児・児童を対象としたアイスホッケー教室などを通じて、子どもたちがリンクに親しむ機会を創出し、まちの特色であるスケート文化が継承されるように努めたい。
▼嶋中
私自身も温暖化などの気候環境や、リンク作りの担い手が減っている現状は理解しているが、本市が持つ歴史的な背景や現存するスケートセンター等の施設環境を活かし、スケート文化を普及・継承してほしいと思っている。
競技スポーツにありがちな選手の選抜や競技大会の誘致は、優秀な選手を育てる反面、競技人口の拡大には繋がらないと言われている。先ほどの答弁の中にあったアイスホッケー教室のような取組こそが大切で、それらをどれだけ拡大・継続していけるか。本市出身の元日本代表アイスホッケー選手である大澤ちほさんが取組む「スマイルプロジェクト」もそうだが、地元アスリートや地元事業者、市民や関連団体が自ら動き、あらゆる場所でスケートに触れられる環境が自然発生していくようなムーブメントが必要。
一つの例だが、「写真の町」を宣言し、様々な政策を交えながら約30年間、緩やかに人口を増やし続ける東川町という町が道内にある。東川町は当時「写真の町」と宣言したものの、町民の意識が、町の特色と言えるまでは浸透せず、一度はキャッチフレーズを止めようかと悩んだ時期があったと聞く。そこから「もう一回やってみよう」となった際に取組んだことは、役場の電話窓口で「はい。写真の町、東川です」と応対すること。もちろん、それだけが理由ではないと思うが、そこから少しずつ町民がカメラを町内で構える姿を見るようになり、写真甲子園や国際写真フェスティバル等が活気付いていったそうです。
本市の「スポーツ都市宣言」や「氷都とまこまい」、「スポーツのまちづくり」の浸透度はどうでしょう。本気で本市の「魅力ある特色」にするのであれば、スポーツ都市推進課だけに限らず、全職員がこの宣言の意味を理解し、アイディアを出し合い、市民が誇りに思えるような風土を組織全体で作ってほしい。こちら要望として本質問を終わります。

Ⅲ:スポーツ振興(2)市民ランナー増加による健康増進について

質問先:総合政策部・スポーツ都市推進課
目 的:市民に対するジョギング・ウォーキング促進による医療費削減を提案

▼嶋中
本市における市民ランナーの推移について。コロナ禍における運動不足対策や、ウォーキングやジョギングの健康効果が話題になることで、近年、日本中で取組む人が増えたと言われている。
本市もかなりのランナー人口に達しているのではないかと予想できるが、市民ランナー人口の把握はできているか。
▼答弁
市民ランナーについては、競技に限らず趣味や健康づくりの一環として取り組まれている方も多いことから、全体の人数を把握するのは難しい。
参考までに「とまこまいマラソン大会」の参加者のうち市内在住の方は、令和4年度は296人、令和5年度は482人、本年9月22日に予定している令和6年度の大会は447人となっているが、近年の健康志向の高まりからも、ジョギング及びウォーキングを楽しむ市民は相当数いるのではないかと推測している。
▼嶋中
数の正確な把握は困難であるということで理解した。因みに、笹川スポーツ財団が調査・分析した、年に1回以上ジョギングなどの運動をする全国の推計実施人口は、2002年の4.8%から2012年の9.7%に倍増した後、コロナ禍において一時増加したことを除くと、多少の変動はあるものの横ばいであると推測している。
これは苫小牧市の人口で換算すると10,000人以上の市民ランナーがいると推測でき、改めて市民の運動習慣や健康面に大きな影響を与えていることが分かる。
では、関連する大会やイベントから分析できる部分もあると思うが、本市ではマラソン大会やウォーキングイベントはどの程度開催されているか。他市との比較も含めて聞きたい。
▼答弁
マラソン大会とウォーキングイベントについて、市の主催事業としては、とまこまいマラソンとウォーキングフェスティバルを、それぞれ年1回実施しているほか、各自でウォーキングに取組むウォーキングスタンプラリーや、八地区スポーツフェスティバルにおけるウォーキング事業も実施している。
また、企業や団体などが主催するウォーキングイベントなども例年開催されており、多くの市民が参加している。
他市の開催状況については、本市と同規模の釧路市と帯広市において、マラソン大会を年1回開催し、ウォーキングに関してはマップを作成し、気軽にできる運動として市民向けに周知をしていると伺っている。
▼嶋中
あくまで釧路市・帯広市との比較ではあるが、積極的にウォーキング関連の事業を実施しているということで嬉しく思う。
因みに、国土交通省が定める「まちづくりにおける健康増進効果を把握するための歩行量調査のガイドライン」では「1日+1,500歩で年間医療費が約35,000円抑制される」と記されている。
もちろん、1日あたりの歩数を1,500歩増やすのは簡単なことではないが、本市の様々な取組が将来的な医療費の抑制に繋がることを願っている。
次に、とまこまいマラソンが勇払に移ったことによる参加者数推を、移行前の参加者数と比較する形で教えてほしい。
▼答弁
とまこまいマラソンの参加者推移については、北洋大学から緑ヶ丘公園までのハーフマラソン、10km、ファンランの各コースを設定していた平成29年度は合計で2,242人の参加があったが、平成30年度からハーフマラソンを休止したため、同年度は1,425人、令和元年度は1,068人と減少した。
その後、コロナ禍での2年間の中止を経て、令和4年度から勇払地区や苫東地域をコースとしてハーフマラソンを再開し、令和4年度は964人、令和5年度は1,048人、令和6年度の大会には801人の方にエントリーをいただいている。
▼嶋中
近年の参加者数の減少は、会場変更が要因になっている可能性もあるのか。
又、会場を移行した経緯についても改めて教えてほしい。
▼答弁
参加者数の減少については、開催場所のほか、同日に他の地区の大会と重複するなど様々な要因があるものと考えている。
会場変更の経緯については、以前の市街地を横断するコース設定の場合、交通規制や警備スタッフの確保が難しく実施が困難となり、平成30年度に一旦ハーフマラソンを休止する判断をした。
その後、復活を望む多くの声があり、実施の可能性を探る中で勇払地区の住民及び苫東の立地企業の理解を得たことから、令和4年度から現在の会場でハーフマラソンを復活した。
今後も、ハーフマラソンからファンランまで幅広い競技内容を提供し、市民ランナーはもとより、マラソン初心者の方にも多数の参加をいただけるようスポーツ振興に努めたい。
▼嶋中
2007年に開催された東京マラソンをきっかけに、近年はマラソン大会による経済効果が話題になり、日本全国でマラソン大会を活用したまちおこしが一大ブームになった。
しかし新型コロナによる参加者の移動制限や物価高騰による参加費の値上げ、先ほどの答弁の中にもあった、ブームによる大会日程の重複などから地方を中心に定員割れする大会も増えてきている。
ただ、ランナーにとって大会というのは「トレーニングを継続するための目標」として重要であり、大会自体の経済効果だけではなく、参加者の運動習慣化による医療費抑制効果も期待できることから、ぜひ今後も参加者を増やすための工夫や努力を続けていただきたい。
しかし「走る」ということは、運動強度が高く全ての人が習慣化できるものではありません。そういった意味では「歩く」という運動が非常に重要で、その効果は先ほどもお伝えした通りです。本市におけるウォーキングに関する事業の詳細や規模について、過去との比較も含め詳しく聞きたい。
▼答弁
健康ウォーキング事業については、6月から9月の期間に、参加者が各自で設定したコースを歩き、公共施設のスタンプを15個貯めるウォーキングスタンプラリーを実施しているほか、10月には、参集型イベントとして5㎞と10㎞のコースを選択した上で歩いていただくウォーキングフェスティバルを開催しており、令和5年度の参加者数は事業全体で延べ563人となっている。
なお令和3年度までは、6月から9月にかけて毎月1回、約5㎞のコースを歩くウォーキングラリーを開催し、10月にウォーキングフェスティバルを開催しているが、コロナ禍の事業中止などを経て、令和4年度からは参加者の都合に合わせて取組むことが可能である、スタンプラリー方式に変更した。
▼嶋中
今後も是非、各個々人が日常でも継続してくれるような工夫を続けていただきたい。
因みに「とまチョップアプリ」の中にあるヘルスケア機能は、歩行促進による健康増進の施策として非常に良い取組みだと感じる。
私自身もこの機能を最近知ったが、改めて導入経緯や機能について説明してほしい。合わせて、少しPRが弱いのではないかと思うところもあるので、この点についても聞きたい。
▼答弁
とまチョップアプリについては、令和4年からアプリの利用が開始され、同年12月からスマートフォンの「ヘルスケア機能」と連携し、毎日の歩数に応じてとまチョップポイントが付与される機能を提供している。
アプリのPRについては、健康ウォーキング事業の参加者を対象に、登録手順等を記載したチラシを配布し周知を図っているほか、スタンプラリーの台紙にアプリのPRを掲載する取組により今年度は利用者が増加傾向にある。
市としては、生涯スポーツの普及や健康寿命の延伸を目指し、年間を通じてウォーキングに取組む方が増えるように、引き続きアプリの利用促進に努めていく。
▼嶋中
市民は歩けば歩くほどポイントが貯まりお買い物ができる。お店も儲かる。行政は医療費を抑制できる。素晴らしいスキームなので、是非、継続的に幅広く市民にPRをお願いします。
最後に、市民が走りたくなる、歩きたくなるまちづくりについて聞きたい。PRや環境整備、安全面など、どのような工夫があるか教えてほしい。
▼答弁
健康増進に繋がるまちづくりについては、市内各所のランニングやウォーキングに適したコースをウォーキングマップとして紹介しているほか、公益財団法人北海道健康づくり財団から、健やかロードの認定を受けて、環境整備を進めている。
今年度は、昨年9月に健やかロードの認定を受けた、沼ノ端地域の「そよ風と遊ぶ道」において、ウォーキングフェスティバルの開催を予定している。
開催に当たっては、関係部署と連携を図り、当該コースの周知はもとより、健康への意識啓発や歩くことの楽しさをお伝えする事業として実施したいと考えいる。
▼嶋中
先ほど私から、歩く量を増やせば医療費を抑制できる、とお伝えしましたが、こういったエビデンスは様々な研究機関から発表されている。
例えば、2型糖尿病発症リスクに関する研究では、「1日1時間程度運動する人は、1日の運動時間が5分未満の人と比較して糖尿病リスクが74%減少する」というデータがあり「糖尿病診療ガイドライン」にも記載されている。因みにここで言う「運動」とは、軽いジョギングやウォーキング程度の強度で十分だとされています。
駅前再整備の議論の中にも「ウォーカブル」というワードが頻繁に出てくるが、私個人は「環境配慮」「健康増進」「交流促進」「経済活性」などの効果があると、世界各国で成功事例の報告があることから、前向きに捉えている。
是非、ジョギングやウォーキングに関しては、今後も各政策と連動性を深めつつ、市民が積極的に習慣化できるようなPR活動やエビデンスの提示をお願いして本質問を終わります。

Ⅳ:スポーツ振興(3)総合体育館のビジョンについて

質問先:総合政策部・スポーツ都市推進課
目 的:総合体育館と本市全体の「スポーツのまちづくり」に関するビジョンを確認

▼嶋中
今年度、建替え及び延命化についての調査を行い、その結果を基に今後の方向性が示される計画だが、改めて、現状考えられる今後の方向性について、調査結果により「どのような選択肢が想定されるのか」を教えてほしい。
▼答弁
総合体育館の整備については、建替えまたは延命化を検討するための調査として、今年度は総合体育館整備調査事業を進めている。
本調査業務を担う事業者を決定し、これから調査を進めることになるため、現時点において方向性を示す状況には至っていない。
建替え、または延命化のいずれにしても費用の捻出が伴うので、調査結果をもとに市全体の財政状況を踏まえながら、慎重に判断をしたいと考えている。
▼嶋中
建て替えにしても建設地がどこになるのか。延命化にしても建て替えまでの延命化なのか、延命の最長化なのか、かなりのパターンが考えられると思うが、現時点では無数にある選択肢に対して絞り込んではいないということで理解した。
次に、体育館の規模に関する考え方について。今後の人口減少などを踏まえ、大規模な体育館の必要性に疑問を感じている市民もいると思うが、大きな大会が開催された際の経済効果を知る機会があれば、市民の認識を揃えることができるかもしれない。
現状把握できているものがあれば、過去の大会の経済効果を知りたいが如何か。
▼答弁
過去に市内で開催されたスポーツ大会としては、直近の例ですが、令和4年8月に全国中学校体育大会・全国中学校卓球大会が総合体育館をメイン会場に開催されケースにおいて、選手・関係者のほか保護者などの約2,000人が日本各地から来訪している。
同大会は4日間の日程で開催され、宿泊や食事、交通費等を含めると、約1億円の経済効果があったと捉えている。
▼嶋中
約1億円ということで、決して小さくない経済効果があることが分かりましたが、全国大会規模の大会を開催する際、宿泊施設はどの程度市内で確保できているのか。
▼答弁
大規模なスポーツ大会における市内宿泊施設の確保については、先ほどの卓球大会の場合、大会側で配宿した選手・関係者に限った実績となりますが、市内10施設を利用し、延べ宿泊数で約2,000泊している。一方で、市内で宿泊施設を確保できず、一部の参加者は千歳市の7施設に配宿され、延べ宿泊数で1,000泊している。
その他に、保護者などが市内外の宿泊施設を利用したものと承知している。
▼嶋中
宿泊者の3分の1が千歳市に宿泊しているということで理解した。その際の本市宿泊施設の稼働率が分からなければ一概には言えないが、本市においては大きな大会誘致ができても、宿泊施設やそれに伴う食事機会、お土産の販売など、まだまだ経済効果を最大化できていないと感じる。
胆振地区で開催される大きなスポーツ大会を担う責務もあると思うが、今後の総合体育館を考える上で、財政負担と経済効果、市民の健康増進や子どもの成長機会など総合的な視点が重要になると考える。
もちろん総合体育館の老朽化を考えれば、建て替えか延命化のどちらかで早急に手を打つ必要があると思うが、駅前再整備の状況を踏まえると、同時進行は財政的に無理があることは市民も理解してくれると思う。
だからこそ、このタイミングで総合体育館の方針を駅前再整備と連動できるように考察し、着工の時期はズレるにしても、同時に方針を示していくことが重要だと思うが如何か。
▼答弁
総合体育館については、将来のまちづくりに大きな影響を与える施設ですので、整備の検討は市の最優先課題である駅前再整備の方向性を踏まえながら慎重に進める必要があると考えている。
今年度については、施設規模の検討や概算事業費の積算と並行し、駅周辺ビジョンとの連動における可能性や各建設エリアにおける相乗効果なども調査し、将来の総合体育館について方向性を示したいと考えている。
▼嶋中
同様の考えであり安心しました。個人的に、スポーツ都市を宣言している本市としては、大会誘致などによる経済効果以上に、市民の健康的な生活を実現するための運動機会の提供や、運動習慣の促進が重要だと考えている。
実際、東西に長い本市においてはどれだけ質の良い総合体育館を建設しても、全市民に影響を与えられるものではない。そういった意味で、市内各地域の運動施設について今後どのようにして利用者を増やしていこうと考えているか。
▼答弁
各スポーツ施設の利用者向上については、市の事業や指定管理者による自主事業を通じて、施設に足を運んでいただき施設を知っていただくことなど、地道に取組を進めてきた。
また今年度から、働き盛り世代や子育て世代などの運動無関心層を対象として、スポーツ習慣化促進事業を展開し、スポーツを始めるきっかけを作り、運動習慣の定着化に取組んでいる。
今後については、本事業が運動の継続に繋がるように、引き続き指定管理者と協力しながら、各地域に適した事業を展開し、各スポーツ施設の利用者増加に努めていく。
▼嶋中
スポーツ習慣化促進事業は、レッドイーグルス北海道との連携事業であることも含め、本市の強みを活かした魅力的な事業になると期待している。
しかし参加できる市民の数に制限があることから、答弁の中にもあった指定管理者の努力も含め、今後更なるスポーツ振興に努めていただきたい。
最後に、総合体育館に限らず、市民全体へのスポーツ振興の観点から聞きたい。
今後、部活動の地域移行により、放課後の部活動だけではなく、地域クラブなどが地域活動として学校施設を利用することが増えると予想できるが、学校が窓口となり続けるのは大きな負担になる。予約管理やセキュリティ、管理者配置などの業務を、スポーツ都市推進課と連携することで、市民のスポーツ機会を最大化することができるのではないか。
学校施設管理の視点だけではなく、「スポーツ都市宣言」「スポーツのまちづくり」を提唱する本市において、学校施設の市民利活用の最大化をどう実現するか。考えを聞きたい。
▼答弁
議員ご指摘の通り、部活動の地域移行や学校開放についても、今後はスポーツ推進の一環として進めていくことが重要と考えている。なお、部活動の地域移行については現在スタートしたばかりで、今後の進み具合など見ながら学校開放との調整などを行い、管理のあり方を構築する必要がある。
事業の民間委託や予約システムの導入については、今後先進市の取組などを参考にし、関係部署と協力して検討を進めていく。
▼嶋中
本市のスポーツ環境は他市と比較しても恵まれたものだと思う。総合体育館や緑ヶ丘公園の各種競技施設、nepiaアイスアリーナや3地域にあるスケート場、各コミュニティセンターや学校施設、野球場機能を兼ね備えた数々の公園。本当に素晴らしく、本市の特徴ある強みと言える。
あと必要なのは「スポーツ都市」を実現するために、中長期的なビジョンへ向けた政策を遂行する力です。それは決して「新しい総合体育館の内容」だけで決まるものではなく、明確なビジョンと、それに見合う計画と環境整備、市民を巻き込む企画力やPR戦略、そして組織がビジョンを元に一体となって遂行する組織力で決まるものだと思っている。
是非、本市が今まで築いてきた全市的な環境を活かせる、総合体育館を含めた新たなビジョンと、それを実現する組織の動きを楽しみにし、本日の全ての質問を終わります。

Ⅴ:議会を終えて

今回の議会では、総合政策部が担う、いわゆる「まちづくり」に関する案件に拘った一般質問になりました。
特に苫小牧市は「スポーツ」を総合政策部のスポーツ都市推進課が担当しているという珍しい街で(一般的には教育委員会のスポーツ振興や生涯スポーツという課が担当していることが多い)、「スポーツによるまちづくり」を想い描いて市議会議員になった私にとっては非常にやりがいのある組織なのです。

しかし、市が『スポーツ都市宣言』『氷都とまこまい』『スポーツのまちづくり』というスローガンを掲げている割には、市民への浸透度が低く、何を目的に、どこを目指して掲げている言葉なのかがいまいち見えてきません。
そこに対して、今回は提案や要望を繰り返したつもりです。

何より、駅前再整備や総合体育館の建て替えについては、本市のスポーツにおける未来を描く上で大きな転換期とするチャンスです。
今後も定期的に提案していきたいと思います。

もちろん、ライドシェアについても長期戦になることを厭わず継続して唱え続けます。

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