22/07/16 【感想】Gのレコンギスタ(劇場版第1~3部)

この映画…すべてがその場のノリで進行する…!

全5部作が予定されている「ガンダム Gのレコンギスタ」劇場版。
そのうち現在公開されている、

  • 第1部『Gのレコンギスタ I 行け!コア・ファイター』

  • 第2部『Gのレコンギスタ II ベルリ 撃進』

  • 第3部『Gのレコンギスタ III 宇宙からの遺産』

を見ました。

僕はつい最近人生初ガンダムを見たばかりで、この記事の中に登場する「ガンダムっぽさ」というフレーズはガンダム知らんくせになんとなく思っている勝手なイメージだと読んで下さい。
その上で書くのですが、この作品すげえガンダムっぽくない!
こんなに登場人物みんなネアカでサッパリした性格のガンダムがあるのか!?

一番最初の方でクリム・ニックというパイロットが敵方で出てくるんですけど、この男が自他共に認める「天才」で、切れ長の鋭い目つきといいオカッパに三つ編みの髪型といい絶対プライドが高くて執念深い性格のキャラなんだろうなと思うんですよ。
ところがこいつ、主人公のベルリの操縦の腕を素直に認めるわベルリに関節極められてもほどかれると特に気にせず話を進めるわめちゃくちゃ爽やか。

士官候補生的なポジションで警察的組織に属するベルリの前にクリム・ニック達は海賊として現れるわけなんですが、ベルリは成り行きから海賊のためにガンダムに乗って戦うと、そのままなんとなくずっと海賊と一緒に行動します。いいの!?
警察的組織の側ではベルリは海賊に誘拐されたと思っていて、特に運行長官というお偉い立場にいるベルリの母親などは単騎ベルリを連れ戻しに突撃してくるのですが、海賊船でベルリが元気にしていると聞くとそのまま海賊船に乗って一緒に航行します。いいの!?

そう、この作品…すべての登場人物の状況適応能力が異常に高い!!
端的に言うと、その場のノリがすべてを支配している

長官と教皇と軍の最高責任者いう作中の複数体制におけるトップ層が秘密の会議を行っているところにベルリ達が乱入して話に割って入るシーンがあるんですけど、なんかそのままシームレスに話に加わるんですよ。
この作品、とにかく「勢い」。
最近「逆襲のシャア」を見た時は「思ってた以上に『気持ち』なんだな」と感じたものですが、この作品は『勢い』。

途中、なんか暗い部屋でトップ層のキャラが秘密裏に電話をかけてなんだか暗躍をにおわせるシーンがあるんですが、「休日なのでできない」「週明けにならないと回答できない」とか銀行の一般客みたいなことを言われて普通に頓挫します。トップ層なのに。
暗い部屋から秘密裏にかける電話は『勢い』がないので通じないんですね。

3作目ともなると様々な勢力が入り乱れてステークホルダーもどんどん増えるんですが、ただどの勢力の人員もその場のノリで行動するのでマジで収集がつかない。
「異なるバックボーンを持つがゆえに決してわかりあえない」とかそういうテーマは全然なく、その場のノリでアッサリ他勢力と一緒に行動するので完全に学級崩壊してます。
3作目の途中、何度もモビルスーツでバチバチやりあってる複数勢力のメンバー同士が偶然みんなエレベーターで一緒になっちゃうシーンがあるんですが、このなんともいえない雰囲気がマジでこの作品を象徴していて好きです。

3作目の途中から出てくるロックパイという他勢力のエースパイロットは「地球人がぁぁ!!」と叫びながら最新のモビルスーツを駆って殺しにくるなど非常に「ガンダムっぽい」キャラで、この作品をガンダムっぽくしようと孤軍奮闘しているのですが、悲しいかな学級崩壊しているこの作品において完全に浮いてしまっています。どういうことだよ。なんで真面目に戦争やってるのにノリの悪い奴みたいな感じにならなきゃいけないんだ。

というわけでみんなその場のノリでわちゃわちゃするために全然位置エネルギーがたまらず、なかなかバックボーンとストーリーがわからない作品なんですが、みんなサッパリしていてノリが良いために非常に楽しく見られます。3作とも感想が「よくわかんないけど楽しかったぜ!」でした。
でも第3部は特に色々な事実が明かされてストーリーが一気に動き出した感じがして面白かったですね!
今月第4部が公開になり、続けて来月の第5部も見られるようなのでとてもワクワク。映画館で見るのが楽しみです!