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23/06/03 西門の虎

仕事中にニュースを見ていたところ、こんな記事を見つけました。

(台北中央社)台北市の繁華街、西門町に位置する遠東百貨台北宝慶店が7月末に閉業する見通しとなった。1972年に開業し、台北に現存するデパートとしては最も長い歴史を有する。8月には取り壊される予定で、51年の歴史に幕を下ろす。

https://japan.focustaiwan.tw/economy/202306010007

西門街といえば僕もたびたび行ったことのある場所。あの最高に味のあるショッピングセンターも西門街でした。これは取り壊される前に一度行っておかねば。決して「6月から閉業に伴うセールを開催する」という文につられたわけではありません。

というわけでやってきました。まず最初に気づいたことは、もうすでに来たことがあったということです。(完)

…いやまあ、デパートなんて何回行ってもいいですからね。
名残を惜しみながら、なんか試食を勧められているうちに気づいたら「高くない?」と思いながらドライフルーツを買ってしまいました。今でも「高くない?」と思っています。

日本では経営に苦しみ、特に例の病が猖獗を極めていた頃は閉店の話を聞くことが多かったデパートですが、ここ台北の地ではかなり元気です。
半世紀以上の歴史を持つこの遠東百貨台北宝慶店も思い切りにぎわっていました。デパートらしからぬ入り組んでいて変なところが繋がっている建物の構造から歴史を感じます。人がすれ違えない狭さの階段とか普通デパートにないですからね。これもまた味と思うと、消えてしまうことは名残惜しい…。

さて、西門街では他にも日本では減りつつあるものが生き残っています。

同人ショップ「とらのあな」を運営する虎の穴が7月5日、池袋店を除く全店を8月31日をもって閉店すると発表しました。とらのあなはコロナ禍以降閉店が相次いでおり、残っていたのは6店舗のみ。それらの店舗も、1拠点を残して全て閉店する事態となりました。

https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2207/20/news018.html

同人ショップ「とらのあな」は例の病以降閉店が相次ぎ、現在残るは1店舗池袋店のみ…かのように見えた。
だが、とらのあなは死滅していなかった!

ここ台北には、池袋以外唯一となるとらのあなの実店舗が存在しているのです!!
日本では滅びゆく同人ショップを台湾で生き残らせる"オタクの蒋介石"がいたのかは分かりませんが、西門エリアにおいてアニメイトと並んで日本のオタク文化が栄える場所となっています。

入り口の様子

ただここに来る前にアニメイト台北店にも行ったんですけど、そっちは大いににぎわっていたのに対し、こっちは空いていますね。
フロアのほとんどは「日本から輸入した同人誌」。アニメイトの方は翻訳された日本のマンガが主なので、ターゲット層のボリュームがそもそも全然違うんですね。
僕は空いてる方が好きなのでこっちのほうが落ち着きます。というかアニメイトの繁盛ぶりがすごい。

その後公園や博物館巡りなどをしたのち、過去2回食べられなかった「天天利美食坊」のルーロー飯を食べました。
ここの隣のお店も普通においしいんですよね。そんなに並ぶほどでは…ぐらいの感想を勝手に頭の中で下書きしてから食べたのですが。

うっっっっまいんですよこれが!!!

タマネギやキノコの旨味をガンガンにきかせた肉味噌が半熟卵の黄身と絡んで実に分っかりやすくうまい!
ぶっちゃけ「西門は一通りクリアかな」とか考えてたんですけど、これを食べるためにまた来ちゃうよ。
ルーロー飯の名店では中正紀念堂駅近くの「金峰魯肉飯」も挙がることが多いですが、日本人に最初に食べる台北のルーロー飯としてはココを一番オススメしたいかも。並んだことを後悔させないうまさです。
「加蛋」にチェックを入れて目玉焼きを載せるのをくれぐれも忘れないようにしてくださいね!!