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23/11/04 小碧潭に行かないで

僕はいつも台北市内を走る地下鉄・台北捷運を使って通勤しているのですが、最近なんとなく「終点行ってみたい欲」が高まっていました。
ということで今日は、いつもは中正紀念堂駅で降りる緑の路線・松山新店線に乗って終点の新店駅に行ってみました。

新店駅は台北市をはみ出して新北市に位置し、駅名には「碧潭」という二つ名が併記されています。この碧潭、景勝地として有名で、かつて「台湾八景十二勝」に数えられたのだとか。そう言われると八景側なのか十二勝側なのか気になるのですが結局分かりませんでした。
ちなみにその景色の良さから「小赤壁」とも言われた、ということが新北市観光サイトに書かれていたのですが、赤壁に三国志の印象しかないので景勝地の印象がなく、ピンときません。
これは行って確かめてみるしかありませんね。(ネタバレ:ヘッダーに写真あり)

新店駅を出るとバザーのようなものをやっていました。ういろうのようなものが売られていたので買って食べてみます。もちもちしてうまい。すあまとか好きなんですよね。

昔ながらの商店が並ぶ「新店老街」を歩きながら新店なのに古い商店なのかというここを訪れた人が誰しもするであろうツッコミを心に抱いていると、すぐに碧潭風景区につきます。

碧潭の三大景勝ポイントとして挙げられていた緑の水面・吊り橋・「碧潭」と書かれた崖のすべてが一瞬で揃うRTAプレイヤー御用達のつくりになっています。

景勝、一瞬で終わった。
ヨシじゃあ帰るかともさすがにならないので、川沿いを歩きます。

川を眺めながら食事やお茶を楽しめるお店が並び、ボートを楽しむ人達も見えて素敵な休日。それにしてもやっぱり名前にもある通り緑の水面が青空の下で映えますね。

川沿いの観光向けアーケードを端まで行くと、突然登り坂へと接続します。

登り切るとめっちゃいい景色!

そして登るとちょうど有名なラーメン屋さんがあります。この店しかないような場所なんですけど、それでも繁盛していて店の外まで行列ができていました。ただ、あまりおいしいとは思わなかったな…。

さて、ここでひとつ大事なことを書いておきます。
新店駅へと続く松山新店線には途中で盲腸線が飛び出しており、「小碧潭」という駅にピヨッと繋がっています。

小碧潭なんて名前がついているのでここが碧潭の最寄り駅なのかなと思ってしまったのですが、全くそんなことはありません。
そしてラーメンを食べ終えた僕は「せっかくだし小碧潭駅まで川沿いを行って、そこから電車で帰るか~」と軽い気持ちで自転車を漕ぎだしたのですが、後にこれを後悔することになります。

自転車で川沿いを走っているうちは気持ちよかったです

小碧潭駅周辺はいわゆる太い自動車道がいくつも走っており、そしてこのような場合の常として「地図上は交差しているように見えるところが立体的に交差しておりつながっていない」「道路の反対側に渡ろうとしても延々横断できる箇所がない」という構造になっています。
これによって、僕は長い道のりの果てにようやく道の反対側に小碧潭駅が見えたと思ってから全然たどり着かず、結局新店区公所駅から帰ることになりました。
小碧潭駅、多分グラフィックは用意されてるけど実際に行くことはできない駅です。

このへんから川が見えなくなります。いや、これも自然いっぱいで気持ちいいはずなんですよ…気温が33℃でさえなければ…。

これは皆さんへの忠告です。どうか、小碧潭駅に行こうと思わないでください。小碧潭駅には何もありません。

真面目な話をすると、駅の周りに高いマンションがいっぱい建っていたので、どうやら日本でいうところのニュータウン的な町で、そこのために地下鉄線を伸ばしたんじゃあないかなと思います。

そしてやっと橋

この写真で奥に見えるマンション群が小碧潭ニュータウン。東京都内の千葉側にある住宅街のような雰囲気で、きっと住むにはいい場所なんだろうと思います。ちなみに当然ですが橋がないと川を渡れないので、地図上は近いはずの所にも意外と行けません。

このあと散々苦労し、遂にはやむをえず自転車を担ぎ上げてフェンスを超えることまでして路線変更したりしながらなんとか自動車道の迷宮を脱出することになったのですが…それでも、まだひとつ報われたと思うのは、僕のこの過酷な走りをスマートウォッチだけは認識してくれていたこと。
消費カロリー計算、ありがとうね…。アクティビティとして「サイクリング」を設定して走り出したはずが開始ボタンを押してなかったのでサイクリングとしては一切記録されてなかったけど…。