23/09/04 怖いもの見たさ。

いまBRUTASのホラー特集を読んでいます。
最近『影踏亭の怪談』を読んだときに自分がホラー作品の読み方に慣れておらず味わいきれなかったという感覚があったこと、および感想を書いたときミステリに比べてホラーを語る言葉を持っていないと自覚したことから、このジャンルを勉強してみたいと思いました。そこにちょうどこの特集がきたのでナイスタイミングと手に取った次第です。

この手のガイドものに関する好みは以前書いたとおりで、なんといっても「扱う点数」、そして「筆者の知識の該博さ」「扱う作品の幅広さ」を求めています。その点でこの特集は満足度が高いですね!
様々な媒体のホラーを444作品、有識者たちが紹介しています。

「怖さ」を数値化してその点数順で紹介しているというフォーマットもイカす。この手の採点って勇気がないとできないところで、「怖さは個人の主観」と言うことは簡単です。当然編集部もそれは承知の上で、でもあえてそこに数値化をしている。その責任感のようなものに惚れます。ホラー作品を444点紹介するときにどうソートするか、そりゃあ怖さだろう。そんな議論があったかは知りませんが、とにかく気持ちがいいです。
「怖さはホラー作品を評価する上で一側面でしかない」のですが「代表的な側面である」というところが、目盛りを打つのにちょうどいいですね。

紹介されている作品を見ていると「2chの怪談やオカルト系のスレッドで初出の話」がちょくちょく出てきて興味深いです。その一方でTwitter発祥という話は僕の読みすすめた範囲では出てきていないというのもまた興味深いところ。
やっぱり元々好事家が集まる、ある種「マニア度が濃い」場でマニアに評価されたような作品のほうが、一般にリーチしないとバズに至らないTwitterよりも強くなりがちなのでしょうか。

…と一度は思ったのですが、そもそも「匿名掲示板の、とっておきの怖い話を持ち寄るスレッドで語られた怪談」というのがロマンチックすぎますね。怪談が語られる場所として最強格かも。比べるほうがおかしい話でした。