24/01/22 ホホイの補遺のちょっコマペ

最近「逆転裁判123」を遊び終えて、そしたらちょうどもうすぐ「逆転裁判456」も出ることを知り。ただ最後に遊んだ「逆転裁判3」が1や2ほど楽しめなかったこともあって買おっかなーどうしよっかなーと悩んでいたのですが、感想をアップしてしばらくしたらどんどん逆転裁判を遊びたくなってきました。今週発売だそうなので買います。
今週はブルアカの更新もあるしポケスリのアプデもあるしゲームがアツいぞ。

感想記事では好きなエピソード上位5つについて個別の感想を書きました。実は最初は全収録エピソードでランキングを作ろうとしたものの、プレイ直後に感想を書きそびれていたものがあったので断念したのでした。
そのためいくつか「書いたけど結局使わなかった感想」が残っており、ここでお焚き上げさせていただきます。

もちろんネタバレですのでご注意を…。


[2] 第2話 再会、そして逆転

難しすぎ!!!

逆転裁判2はシリーズを通じてもかなり難易度の高い作品だと聞いたのですが、僕は特にこの話に苦戦させられました。
難しいといってもひらめきや思考の飛躍が必要とかだと気持ちよさがあるんですけど、この話の難しさってひたすらゲームの側が何をさせたがってるのかがわかりづらいんですよね。ゲームとのコミュニケーションが難しい。銃痕をめぐる話とか全然わかんなかった…。

ミステリファンは顔を火傷すると真っ先に入れ替わりを疑うので交通事故の話を聞いた瞬間から葉中未実による葉中のどかの乗っ取りを疑っていたのですが、これを先に疑ってしまっていたのが逆に難しくしていたかも。ゲーム内の導線から外れてしまうと一気にナルホドくんと歩調が合わなくなります。

それにしても、この話の真犯人は3部作を通じてもかなり邪悪だと思います。逆転裁判の犯人で誰に一番「悪」を感じるかはその人の善悪に関する考えが出そうだなあ。

…という感想をプレイ直後に書いていたんですが、その後この犯人はさらに邪悪になって帰ってきました。


[3] 第2話 盗まれた逆転

お、終わってる…。

被害者、依頼人、真犯人、これらすべてが犯罪者。
依頼人は脅迫されたとはいえ数々の窃盗行為を行っていたのですが無罪放免されてしまいます。いいの?? マヨイちゃんが倉院のツボを大事に思うように、それまで仮面マスクに盗まれた数千万円の貴重品たちも大事に思う人がいると思うのですが…。
むしろこっちの方が法の暗黒時代じゃないか?

ゲーム部分が丁寧で遊びやすかったのは好感触。
事前に撮影した監視カメラの写真を事件当夜に撮ったものと装うため、事件当日に搬入された黄金象を動かす…つまり「現場の方を写真に合わせる」動きを暴いていくのはよくできていました。
最後の「1回だけのゆさぶり」も良かったでしたね! 元々気持ちのいいやつですが、システムと噛み合ってイカした演出になっています。まあ僕はちゃんと説明を読まずにいつものクセで一言目からいきなりゆさぶってゲームオーバーになったのですが…。


[3] 第3話 逆転のレシピ

非常にオーソドックスな、ここへきてチュートリアルのようなエピソード。
突っ込みやすいムジュンを突いていくとロジックの積上げによって殺害時の状況を全く食い違わせる大胆なトリックを破れるようになっていることなど、丁寧な逆転裁判の実装という感じ。
本土坊薫は既に抱き込んでいるのにわざわざ爺さんを巻き込んで外部の証人を作ろうとした回りくどいトリックなんですが、その割にその爺さんが証人として予想外に機能しないため全然不可能性が香ってこないのはまあご愛嬌というか…。
そもそも偶然宝くじが当たったので偶然持っていた青酸カリで殺害し来るかもわからない客に入れ替わりを見せたところ偶然エプロンしか見ておらず顔を見ない奴だったのでうまくいったという凄まじい真相なのですが、これだけとんでもない真相でもムジュンに突っ込んで掘っていくスタイルだとそこまで気になりませんでした。これは「逆転裁判」形式、ひいては法廷モノの構造的な強みではないでしょうか。『ユダの窓』とかもトリックだけ抜き出すと結構小さく見えてしまいかねないのですが、書き方であれだけの傑作になっていると思います。

それにしてもこの話は「つきつける」との意思疎通がうまくいかないことが多かったなあ。2,3手先で使う証拠品が露骨すぎてわかってしまい、それらをつきつけてミス扱いにされることが特に多い話でした。
…ということをプレイ直後にメモしたのですが、この不満は続く4話や5話でさらに深刻なものになりました。


その後の不満がさらに深刻なものになった話は完走した感想でちょっと書きました。

幹が一本道の(個別ルートのない)アドベンチャーゲームにおいてプレイヤーのやることってつまるところ「ちょっとコマンドが複雑なページ送り」になるんですが、いかにそう感じさせないかがゲーム作りになってくるんだと思います。そしてそのための実装は「プレイヤーの意図がゲームに反映されるようにすること」であるはずです。
ある種チューリングテストのようなもので、自分の思考に対してゲームが的確に答えてくれるほどプレイヤーは自分のプレイをちょっと複雑なページ送りだと感じなくなりますし、逆に自分の思考がゲーム内に汲み取られないと自分がやりとりしている相手はただのIF文なのだと冷めていきます。

逆転裁判の場合、究極的には「『つきつける』が可能な選択肢を可能な限り拾う」しかないんじゃないかなあ。
各証拠品や登場人物の持つ属性をリストして、その場で「正解」となるべき仮説が持っている属性とカブる部分のある選択肢が選ばれた際にゲーム側で取りこぼされてしまわないように網羅する。
こういう属性の抜き出しや力技の総当りチェックってそれこそマシンが強い分野なので、今だとライターとAIの協業によってもっとキマれる推理ADVが作れるんじゃないかと期待しちゃいます。