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23/10/09 台南(3) ダンダン心ひかれてく

昨日に続いて報告から入るのですが、出ました。

それほど大きくはないのですが…カサカサ走り、特徴的な2本の触覚が目立つ、昆虫が…複数…。

さて、昨晩早く寝たので7時すぎに自然と目が覚めました。

祝日の朝の台南駅前。まだ空気が薄く霞んでいます。
昼も夜も大いににぎわう駅前ロータリーも小走りで横断しちゃえるほど車が少なく、街がまだまどろみの中にある感じ。

コンビニで買ったオレンジジュースを飲みながら、歩いて朝食を食べに行きます。

立派な公園を歩いていると、体操している人がいたり。朝ですねえ。

今日来たのは「丹丹漢堡ダンダンハンバオ」という台湾南部にだけ展開しているハンバーガーチェーン。漢堡でハンバーガーのことです。漢堡でハンバオと読むので恐らく音から字を当てただけなのだと思うのですが、転じて「堡」ひと文字でハンバーガーのニュアンスを持つようになっているみたい。

たとえば下の写真のメニューではクリスピーチキンバーガーが「鮮脆鷄腿堡」という名前になっていたり。亜米利加から米ひと文字でアメリカの意味になったりするようなものですね。

それはさておきこのメニュー、「台湾南部ローカルのハンバーガーチェーン」の魅力が溢れ出ています。
4番のおかゆとフライドチキンとコーラのセットとかテンションの持って行き方がわからない。9番の豚肉とろみ麺線スープ(細くて短い麺)とクリスピーチキンバーガーのセットとか実にローカルみあふれるじゃあないですか。

というわけでそれにしてみました。これで500円しないんですよ、すごくないですか!?
駅前はあんなに空いていたことだし昨日のような名物の有名店でもないチェーン店なのであっさり入れるだろうと思っていたのですが、実は20人以上並んでたんですよね。でもこのお値段でこのハシャギぶりを見るとなんだかわかるような気がします。

クリスピーチキンバーガーは期待通りの味。コーラがうまい。
そして麺線はカツオだしがストレートかつ強力で、「ファストフード店のジャンキーな麺線」という未知の概念が実現しています。

牛肉湯やサバヒー粥もいいですが、丹丹漢堡、面白いですよ。

ついでなので市場を眺めたり、昔ながらの町並みが残る「神農街」を歩いてみたりします。

ここもこれから混むのでしょうが、まだ早い時間なので誰もいない神農街の写真を撮れちゃいました。

雑貨屋さんもなんだか雰囲気があっていいですねえ。
一番奥まで行くと寺院と普通の民家がギチギチに並んでいて、生活の中に地続きで存在しているのを感じられます。

レンタサイクルでホテルに戻り、荷物をまとめてチェックアウト。
じゃあな鐵道大飯店!たぶん僕はもう二度と泊まることはないけど、なんだかんだ楽しかったぜ!
神立地の上に激安なので、色々おかしなところがあっても全く不満はないです。あれから霊障もなかったし。
改装工事をする予定だと張り紙が出ていたので、もしかしたら次来るときにはきれいに改装されて、人口200万都市のメインステーションのド真ん前で「宿泊1元から 休憩1元から」とデカデカ掲げる鐵道大飯店ではなくなっているかもしれません。エレベーターが3基並んでいるのに連動していないためエレベーターを呼ぶときは3回呼ぶボタンを押さないといけない鐵道大飯店も、よく見ると3基目のエレベーターだけ違う機種を使ってる鐵道大飯店も、エアコンがデフォで「送風 10℃」に設定されている鐵道大飯店も、ベッドの左右に照明のスイッチがあるのでどちらか押すと部屋中の照明を消せるのかと思ったらベッド左側のスイッチを押すと部屋の左半分の照明が消えてベッド右側のスイッチを押すと右半分の照明が消える斬新なシステムだった鐵道大飯店も、いつかは思い出の中の存在になるのかもしれませんね。

台湾鉄道に乗って保安駅(そういう名前の駅です)へ、そしてそこからレンタサイクルで「奇美チーメイ博物館」へ。

台湾の実業家、許文龍が長年収集したコレクションを集めた博物館です。
1階に兵器や動物の剥製、2階にはなんと世界最多だというヴァイオリンコレクションや絵画・彫刻が並んでいるあたり、もうとにかく金持ちっぽいものをコレクションしたかっただけなんじゃないかと思ってしまったのですが、今調べたところによると許文龍は子供の頃から博物館が好きで自分で博物館を作るのが夢だったとか。こうして叶えているのはすごいですねえ。程度は全く違えど博物館好きとして尊敬します。
あの英会話教室に入るかどうか悩んでいることで有名なロダンの「考える人」も展示されています。

しかし僕のテンションが最も上がったのはなんといっても武器エリア!!

世界各地、様々な時代、様々な文明の武器が大量に展示されています。
共和政ローマ時代にはじまり戦列歩兵がミニエー銃を担ぐようになるまでの西洋の武器たちはもちろんのこと、日本の刀や甲冑、アラビアの曲剣やネパールのククリなどRPGで聞いたことある武器の実物が次々と。
この博物館にいるときにゾンビが襲ってきても立てこもって戦えます。

特にチャクラムを見たときは最高にアガりましたね!!
チャクラムとは金属でできた輪っかで、インドの武器です。指で回したり挟んだりしてから投擲する手裏剣のような武器なのだそうですが、こう…見ていると…「これ本当に強いのか…?」と思ってしまいます。
投げるにも力が伝わりにくいし当たっても力が伝わりにくい、かなり効率の悪い武器じゃない…?

帰ってから探してみたところ、チャクラムを投げている動画を見つけました。木の幹にちょっとやそっとじゃ抜けないくらい食い込む威力があるようです。ある程度重みがあるのかな。
ただ動画の中でも「指でクルクル回して投げるのは全く機能しない」と言っています。ゾンビが来たときにはおすすめしません。

1階には他にも自然動物がギュウギュウに詰まった展示が。

1階の展示、男の子の理想郷すぎる。
2階も500年前のバイオリンや100年前の自動演奏オルガン、絵画や彫刻など見どころたくさんでした。正直ここまでめちゃくちゃ楽しめるとは思ってなかった…「奇美博物館」という名前のせいで勝手に秘宝館みたいな印象を持ってしまっていたせいかもしれません。

再び高速鉄道の台南駅に向かい、ちょっとアウトレットモールをのぞいてみたりなんだりして、日本のアウトレットを想像していると案外安くなってないなとさもしい感想を抱いてから台北に戻りました。

いやー楽しかったですね台南!!
とにかく街の雰囲気がいい。少し歩くたびに突然お廟があってアクセントに事欠きません。出発前に「ネット民が投票で選んだ台南のドリンクチェーンの推しドリンクランキング」をもらっていたのですが、結局1店しか見つけられなかったなぁ。そういう意味でも、もっともっと歩きたい街でしたね。
機会があったらまた行ってみたいです。鐵道大飯店以外で。