23/07/21 最近読んだマンガ(23年7月)

タイトル的に月次でやってる記事みたいに見えますし、前回は1ヶ月前です。不定期なんですけどね。

ヨコハマ買い出し紀行 (50話まで)

無料公開があったので読みました。ずっと興味のあったマンガだったので、読む機会をもらえて嬉しいです。そして果たしてとても好みな作品でした。

日本と思われる場所が舞台なのですがかなりの部分が水没していて、文明レベルも後退しています。その一方でアンドロイドが人間と変わらず生活していたり、現代の我々よりも進んだ科学が存在しています。主人公も喫茶店を営むアンドロイド。
このようなSF的だったりポストアポカリプス的だったりする設定なのに、描かれる生活は牧歌的で体温のあるものなんですよね。あえて一語にするならスローライフ。このバランスが絶妙。
つい最近『11文字の檻』収録作「クレープまでは終わらせない」の感想で書いたような、淡く穏やかな傾斜を感じます。

文明が終わりに向かうときってこれくらいのほうがむしろリアルなんじゃないかと思うんですよ。
今我々が生きているこの時代だって後世から見たら「地球温暖化による海面上昇で少しずつ世界が沈没していってることを知りながら過度に悲観的になることなく人々はのほほんと暮らしていた時代」と思われるのかもしれません。

あとマンガのモノローグって「誰のモノローグか」が分かりやすいように構図などで読者へ暗示するのが"セオリー"だと思うのですが、このマンガの序盤はモノローグ一言目では誰のモノローグか確定せず、読み進めると時間差でわかるようになっている感じがして面白かったです。
2,3巻くらいからはモノローグと同時に誰のものかちゃんと暗示されるようになったので、あえてやっていたのかはわからないのですが、誌面に情報が出るタイミングと読者が認識するタイミングがずれることで時間的な奥行きができているのが独特の味わいで好きでした。

続き買いたいんだけどなんとなく紙でほしい気持ちもあるんだよなー!


嘘喰い (80話まで)

これも無料公開で読みました。キッズか?
ギャンブルマンガだというのは知ってたけど思ってた以上にバトルマンガだった! 言うなれば「カイジだと思ってたら銀と金だった」って感じ。いや、それ以上かも。


耳元カユイ/寝耳ミズ 今日の切り抜き

リアクションが「画面上に流れるコメント」という形で表示されるので通常の4コマ漫画の枠や積載量を超えてリアクションを詰め込めるのがすごい。
あと吹き出しにとらわれない分画面の好きな場所にコメントを置けて、コメントの密集具合とかで表現できるのがいい!
上のモノローグの話で言うと、このコメントに関しては「不特定の誰か(視聴者)のコメント」なので、発信者の特定に必要な情報を一切載せなくていいからこそ容量を圧縮できているのかも。
画期的なフォーマットだと思います。