21/12/30 個人的マンガオブイヤー2021

個人的マンガオブイヤーとは僕が今年読んだマンガの中でお気に入りを選ぶものである!
そのマンガがいつ出たかは一切関係なく、「僕が2021年に読んだマンガ」が対象です。
小説はこっち。

映画大好きポンポさん

個人的に2021年ベスト。
映画化もされていて、僕は映画で見て面白かったので原作も一気読みしました。同名のタイトルからはじまる全6巻の作品群なのですが、「映画大好きフランちゃん」が一番好きです。
登場人物みんな映画が大好きで映画に夢を見ていて、それぞれがプロフェッショナルで、そして「映画に自分の夢を投影している」のがとても美しい作品です。モノが映画なので様々な分野のプロフェッショナルがリスペクトしあい協力しあいながら、皆の夢を投影したものを作り上げていくのが良い。…というだけにはとどまらない面白さのパターンが巻を追うごとにどんどん出てくるのでとても語りきれません。
映画版は感想を書きました。

まちカドまぞく

魔族の女の子と魔法少女の女の子が友情を育む町角日常系ゆるかわマンガなのかと思いきや、街や少女たちの過去をめぐるストーリー部分がどんどん加速し、それとともにキャラクターたちの成長や絆も描かれてどんどん読ませるマンガになりました。
こういうマンガってシリアス回になると退屈になってしまうことも少なくないのですが、情報の出し方が巧みかつ「今までの日常パートに存在していた描写を伏線として起こす」技術が非常に高くてシリアス回もめちゃくちゃおもしろいです。
あと単行本で読んだときに各巻でちゃんとストーリー的に収まりが良くなっているのもお上手。

よふかしのうた

2021年面白かったマンガを語るなら個人的にこのタイトルを挙げないわけにはいかない。去年以前から読んでいるタイトルなのですが、今年更にギアが上がっていた印象です。
舞台の移行やフェーズの移行によって面白さのタイプをどんどん変えていく技術のあるマンガで、それゆえに味が一定せず「ずっと面白い」ということが実現されていたのですが、今年はそれまで通過してきたフェーズの集大成のような話になってもうテンションはクライマックス。
7-8巻の感想を貼りますが、クライマックスになるのは9巻です。

ゴールデンカムイ

以前単行本でまとめて読んだ後、樺太編の途中くらいまで読んでいた作品だったのですが、今年夏頃に当時のほぼ全編に相当する285話が無料解放という凄まじい大盤振る舞いがされていたのを一気読みしました。ハマりにハマって3日で全部読み切っちゃった。
これも「どんどん面白さが変わる」系の話ですね。主義も目的も異なる大量の「濃い」キャラクターたちが入り乱れ、しかも敵味方がダイナミックに変化し、更に取材量をバックにしたハッタリの数々がその地盤を支える。めちゃくちゃハイテンション・ハイカロリーな極上のエンターテインメントです。
一番好きなのは電話交換手が「申します申します」といって受話器をとるところ。「もしもし」の語源だという知識があったんですが、それとシナプスがビビッとつながって一気に「本当にその時代なんだ」という説得力みたいなのが生まれるんですよね。ここのくすぐりかたが本当にうまい。

メイドさんは食べるだけ

最後にほっこり部門。
なかなか外に出ることが難しく、また外に出てもマスクを取れなくて「季節の空気のにおい」を感じることが難しかった1年でしたが、それをこのマンガが埋めてくれました。


今年も面白いマンガがいっぱいで幸せだったなー。
昨日今日で呪術廻戦を8巻まで一気読みしました。これ、めちゃくちゃ「ジャンプマンガ」ですね。平成期ジャンプマンガの手癖みたいなのがこれでもかと詰まっていて、地元の友達と遊ぶような楽しさがあります。