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23/10/01 花蓮(3) 太魯閣、そして寿司が残った

昨晩日記を書き上げたあと、そろそろ洗濯機が止まった頃かな~と思ってホテルの2階に降りました。

僕が今回泊ったホテルは宿泊客なら無料で使える洗濯機がついていて、それを回していたんですね。そろそろ終わる頃だろうと思って見に行ったのですが…洗濯機は止まっていました。そしてその中には、水に浸かったびしょ濡れの服が。え、どういうこと!? 故障!? 電源ボタンを押してもつかない。コンセントを抜き差ししても変化なし。壁の説明を読むと…そこには「利用時間 7:00~22:00」の文字が。
22時になったら問答無用で全設備がシャットダウンし、たとえ洗濯機の中に水がたんまり入っていようと問答無用で中断するってことか。「うたばん」みたいだ。(昔TBSでやっていたTV番組、照明の労組が強いだとかで収録が長引くと照明が落ちていた)

なので今朝は起きるとまずしっとりした洗濯物、どこまで行程が済んでいたかわからないシャツと下着を洗濯機に入れて回すところから一日をはじめました。

ホテルをチェックアウトして、タクシーで駅へ。
おととい書いた通り花蓮駅は市街地から離れているのですが、そのため花蓮はタクシー天国です。
駅のコインロッカーに荷物を預けました。

771櫃23門。カッコいい。暗証番号を設定してロックする方式です。自分のロッカーの番号を忘れたり暗証番号を忘れたりしたら詰みます。

台湾鉄道に乗って新城駅へ。

田舎の駅!! 大好き。
勝手な印象ですが、台湾鉄道の駅はこういう「ド田舎の駅」か駅舎に力の入った「大きい駅」の両極端に分かれている気がします。

そして新城駅からバスに乗って太魯閣ビジターセンターへ。

ワッ!山の中!!バスからは普通に海が見えていたのにいきなり山に来るのでびっくりします。
今日はこの「太魯閣国家公園」を歩いて山とか川とかを見ます。

ビジターセンターでヘルメットを借り、再びバスに乗って「燕子口」へ。
岩壁に無数に空いた小さな洞穴に燕が巣を作っていたことからその名がついた場所だそうです。

こんな感じに、ほとんど岩壁みたいなところをギリギリに道が通っており、そこを歩いていけるようになっています。
ちなみに話が前後しますが、今年の8月に落石で道が一本壊れてまだ修復中らしく、ちょっと迂回したルートでここまで来ています(同僚談)。

岩盤の中を洞窟のように通って歩くのが楽しい。

普段iPhoneの縦向きで撮った写真は縮小して表示している当noteですが、今日ばっかりはビッグサイズのまま掲載させていただきます。
見よ、この規模感!

岩盤に沿った道が曲がりくねっているのがまた良いところで、曲がるたびに景色が変わるんですよね。しかも曲がるまでそれが見えない。なのでどんどん新しい景色を楽しめます。

しかしこのあたりであることに気づきます。
…僕しか歩いてなくない??

燕子口のあたりではいっぱい人がいたんですよ。そのあとなんか大きな橋を渡るところで観光バスがいっぱいあって…旅行客がいっぱいいて…その後トンネルを歩きながら、観光バスが来るたびに道を開けて…そういえばこのあたりから…歩いている人を見なくなった気がする…。

ことここに至って、確信します。
この太魯閣の岩盤ルート、スポット間の移動は徒歩で行うものではない。
ただ既に2kmくらい歩いているので引き返すのはなんか癪である。あと単純に一人で景色を見ながら歩くのが楽しい。

道中、日光が直撃する区間があってしんどかった…。
歩きながら、山登りをする人がカップヌードルを最高のごちそうだと言っていたのを思い出していました。確かに今いちばん食べたいものはカップヌードルかもしれない。あの一番ベーシックなやつ。
水をちびちび飲みながら歩き、石が落ちてこなそうな場所に来るたびにヘルメットを取って汗を拭い…。

歩き続けると、「九曲トンネル」につきました。

そしてこれが本当にきつかった

先ほど「どんどん新しい景色を楽しめる」のが歩く楽しさだと書きましたが、トンネルに入ると当然景色の変化はゼロ。ずっとひたすらトンネル。

しかもトンネル内を歩いていると距離の感覚がなくなり、あとどれだけ続くのかもわからない。実は上の写真の看板に「全長1,220m」と書かれているのですが、当時はこれを認識しておらず、全長すらわからないまま歩いていました。

トンネルの向こうにやっと光が見えたときの嬉しさといったら!!
そしてトンネルを出るとそこが次の景観スポット「九曲洞」でした。Wikipediaいわく「太魯閣渓谷でもっとも素晴らしい景観が見られる場所」だそう。

ここはちょうど立霧渓が大理石の岩盤を裂いて流れる雄大なさまを目の当たりにでき、確かに絶景。
特に僕の心を掴んだのが、岩。

写真ではうまく伝わらないのがもどかしいところなのですが、この岩の大きさそのものに凄まじく圧倒されたんです。ただそこに「ある」だけでひたすらに雄弁。
大理石の白い渓谷の中でもひときわ訴えかけてくるものでした。

そして景観スポットであることのなにが良いって、バスが来るということ。
つまりもう歩かなくていい…!助かったんだ…!!

残りの景色はバスから眺め、終点の「天祥」でヘルメットを返却し、屋台でソーセージとドーナツを食べ、またバスに乗って新城駅に戻り、台湾鉄道で花蓮に戻りました。

その後ドリンクスタンドで買って飲んだ甘いフルーツティーのうまかったこと…!水分が、糖分が、冷たさが、全身の細胞に染み渡っていくようでした。ああ、本当に身体が欲していたのはこれだったんだな…。


その後、台北に帰ろうとしたら指定席を1日間違えて予約していたことが発覚し、なんとか当日中の指定席に変更できたので駅で電車を待ちながら寿司を買って食べました。

おいしかったです。