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シングルママと会社員〜思った以上の働く格差を考える

シングルで会社員やってます。と知れ渡ると、こっそりお悩み相談される機会が増える。

誰からかというと、子持ちの人妻。つまりは、旦那さんとの結婚解消を目論んでの情報収集目的の人たち。

経済的にキツそうなのは、想像つくらしいが、それ以外にどんなことがあるのだろう、とのこと。そして、実際に子供との暮らしがどうなるだろうということ。

個人的には、離婚も転職も引っ越しみたいなもので、したいならすればいいんじゃないか(自分の人生なんだし)と思うのだけれども、シングルママとして生きることは、思った以上に世の中の向かい風を感じるので、そういうのを書いてみる。

離婚が決まって、働くことを決めた、娘が1歳のとき、
取り急ぎ、仕事の少ない島を出て、街に戻った。

そして、取り急ぎ、派遣の仕事を見つける。

市役所に行った時はまず、生活保護を打診された。 「イヤ、働きたいんで。」とそれ以外の道を相談する。

離婚の状況とか、1歳抱えての再就職の厳しさなど、相談員の長年の経験からくる優しいアドバイスだったんだろう。年金も免除申請を…とも言われた。

調べると母子家庭の平均年収は手当も含め、200万円ほどらしい。

派遣で働き続けると、ずっとそれくらいだろうと思い、年齢的にも、フルタイムの仕事に戻らなければ、そこから抜け出すことは無理だな、と気づいたので、
児童扶養手当の補助額がグンと下がる、一年後をリミットに正社員の仕事を探した。

年齢的にも、経験職種的にも、思った以上に子持ちバツイチの風当たりはキツかった。

こういうの、差別っていうんだろうなぁ、とか、採用する気のない人事担当の失礼な話を聴き流しながら、思ったりしていた。

さすがに煮詰まってきたので、知り合いのコンサルに相談してみた。
「厳しいのは、社会がそうだからしょうがない。でも逆手にとって、女性が活躍するしかない業界を選んだらいい。」と。

アドバイス通り、手当たり次第送っていた履歴書を絞ると、効果的だった。

そして、年齢的なことも逆手にとって、若い子たちのマネジメントや、仕組み整備が必要そうな企業に狙いを定めた。結果いくつか内定をもらえるようになり、無事正社員に戻る。

そこからは、世間の共働き育児世帯と同様の問題にぶつかる。

保育時間とフルタイム勤務時間の相性の悪さ。

残業や出張は基本出来ない。
夜は育児があるため、仕事後の飲み会も基本不参加。
これでは出世レースから弾かれてしまう。

ましてや、月に1度くらいは体調を壊す、乳幼児。出世どころか、まず職場の人間関係を良好にするために神経をすり減らす。

9-18のフルタイムで出勤しようとすると、保育園に預けるのは8−19の11時間。

そうすると、娘に会えるのは朝晩の2時間ずつくらい。
その多くは食事の準備や、用意に追われている慌ただしい時間。
もう、平日は娘と話せない、くらいの感覚だ。

なので、娘が病気の時たまに会社を休むと「ママといっぱい居れて嬉しい。」などと、切なくなるようなことを言われる。
病気になるのは、ある意味ママと子の両思いな気持ちが引き寄せた現象か、などと思ったりもする。

かと言って、会社を自由に休んでいると、会社員としての未来がない。それ故、自由の利かない社畜と呼ばれてしまうのだろうか。

子供の病気は大きく分けて2つある。

●短期療養(1〜2日):発熱などの風邪
●長期療養(3日以上):インフルエンザなどの感染系、下痢や咳などの複合系

それらの対処として、色々あるけれど、一番はお金もかからず、娘の心にもいいのが自宅療養。

●自宅療養→会社休む

●病児保育(公的)→インフルエンザなどでも預かりOK。 
●病後児保育(公的)→病後の回復期の保育。高熱や症状の発生中は預けられない。

●訪問型病児保育(民間)→公的なものより、費用が高い。
●ベビーシッター(民間)→費用が高いので、シングルママとしてこの選択肢はない。

公的なものがあるではないか、と思われるのだろうけど、まず、定員がどこの地域も2名〜4名と少なく、絶対数として、地域に足りていない。

預けられたとしても、病み上がりの子供に、別の症状を持った病み上がり、もしくはそれ以上の症状の子供と狭い部屋で過ごすリスクを伴う。

つまりは、別の病気をもらってくる可能性がメチャ高いので、結果的に、子供の病気がただの風邪だったのに、快復が長引いたりする。

会社を軸に考えると、キャリアのためにも、職場の人への業務負担のためにも、出来る限り出勤するべきなんだろう。

でも、人として自然に思うことは、娘が熱を出して苦しい時には、直接は何にも出来ないんだけれど側にいたい。

少し付き合っていた父子家庭の元彼は、上場企業の部長クラスの人だったので、月10万くらい出して、平日の保育は両親に任せ、残業や飲み会などにも対応出来るようにしていた。

それを聞いた時、私もあと年収が60万くらい増えたのなら、ファミサポなどを活用し、保育時間(働ける時間)を延長できるのか、と考えたこともある。

それならば、今よりも心置きなく仕事が出来て…とも思ったのだけれども、
娘に会う時間が更に減る…、今の仕事がそこまでしてやりたいことなのだろうか…、という問題に戻ってきた。

これがすんなりイエスと言えないところが辛いところ。

正直、会社でやっていることは、根回しや保身の時間も多いし、私でなくてもやれる人はたくさんいる仕事だろう。

娘がもう少し大きくなって小学校に上がったとしたら、今度は放課後の学童問題が出てくるのだけれど、学童にも公的なものから、松竹梅様々ある。

松ならば月5万〜10万くらいはかかる。

放課後という貴重な時間に、いろいろな体験をさせてあげたいけれど、頑張っても今のとこ、竹の月1〜2万が精一杯だ。

結局、保育も教育も、随分とお金による格差があるではないか。

なんとか、シングルマザーの貧困枠から外れられたとしても、その後、手取りが20万くらいになると公的な補助のほとんどが打ち切られる。

その後は、普通に共働き世帯と同様の負担が始まる。
かといって、いきなり出世して、年収が上がるわけでもなく、打ち切られた補助以上の負担が、実額として発生する。

ならば月20万以下くらいが一番平和だったんではないか、という上昇志向に水を刺すような考えも生まれる。

その負担を緩和すべく年収をあげるためには、仕事の生産性を劇的に高めるか、残業などを増やし、育児を半ば諦めて仕事に専念するか。

生産性を高められたらば、最高なんだけれども、育児と家事に追われて、平日は寝落ちするほどに、エネルギーは消耗している。
なんなら、娘が寝静まってから、仕事の準備をしたりもする。
残念ながら非凡ではない私には、これ以上は難しいのかもしれない。

てことは、やはりシングルママと会社員としてのキャリアは両立しにくい、ということなのか。
(小学校の高学年になれば景色が変わるとも聞くけれど。)

社会のモデルとして、シングルママの子育ては20万以下で細々とやること、みたいになっている現状。大きく稼げない限り、中途半端な稼ぎでは負担の方が大きい。

そんなことをぐるぐる考えていると、
それならもう一度自分で仕事創る方へ、一か八か賭けるしかないか、という気持ちと、小学校高学年になるまでの何年かの辛抱だ、という気持ちの狭間でドツボにハマる。

残念ながら、あと、何年も今の会社にいると思うとメンタルがやられそうな状況でもあるので、一応求人にも応募していて、それなりにオファーもいただいている。

それでも、心の奥の方から、あと何年も会社員として同じように働けるほど、世の中の変化は甘くなくって、今もう一度、自分で仕事創れるようにしとけー、と言われている声の方が大きい気もする。

守るものがあるから、頑張れる。けれども守るものがあるから、決断を迷う。慎重になる。

直観で生きてきたように思っていたけれど、勢いだけだったのかもしれないな。

さぁ、これからどうしようか。


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