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遅れてきたレインボーマン ~期待値の高さに立ち向かう大阪人
素敵な会場でのディナーパーティにお呼ばれした。高層マンションの最上階。大阪のビル群と、太閤さんの大阪城とを見下ろしながら、美味しいお酒と高級ケータリングに舌鼓を打つ。なんとも贅沢なひと時が始まろうとしていた。
あろうことか、集合時間に2分も遅れてしまった私に言い訳などない。言い訳などないのだが、セキュリティの関係でロビーに取り残された私は、参加者が既に「乾杯の練習」を終えたテーブルの、いわゆるお誕生日席に通された。
「はい、じゃあもう一回乾杯しましょう」。主催者のやわらかい声が響く。
「お誕生日席の方、ご発声をどうぞ」。
その時である。ビルの谷間から真っ直ぐに立ち上がる極太の虹。鮮やかな架け橋が天空へと突き刺さるのが、おそらく私だけに見えた。
「大変お待たせいたしました。後方をご覧ください。虹とともに参上したレインボー間﨑です」。
見事な虹に吸い込まれるかのように見入る皆さん。ひと呼吸あって会場は大爆笑。よっしゃ、ハートをわしづかみ!
乾杯の発声を終えた私に、
「案外あっさりでしたね」
「レインボーからもっと話を広げるかと思った」
ここは浪速のど真ん中。そびえるような期待値に立ち向かえ。
人前で話すなら、常在戦場の大阪人たるべし。
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