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”広告”であちら側とこちら側をつなぐ(裏企画メシ2021#2)

明日の企画メシは「伝統の企画」。九龍ジョーさんのお話を待ち遠しくワクワクしながら今日を過ごしています。

事前課題を考えながら、私が念頭に置いていたことをいろいろと書き留めておきたいと思います。

今回のテーマをどう考えようかな

テーマをいただいた時点ではわたしは完全に伝統芸能初心者。上記の記事どおり、タッキーも歌舞伎やってるらしいとか、神田伯山さんよくテレビでお見けするなあ~あれ?お名前変わってる?!というレベルのものでした。

完全にアドバンテージだな、と思った。だってわたしはこの時点でよく知らないこちら側のひとだから。このお題に対して、これを活かして私は「伝統芸能の鑑賞を趣味としていない人たちに魅力を伝え足を運んでもらう」企画にしたいと思いました。

カテゴリーも選び放題。どれもよく知らないから。伝統芸能そのものでもいいし、ジャンルでもいいし、ひとでもいいし、演目でもいい。それって楽しすぎる!

ちなみに伝統芸能には定義がない。まず辞書にない。文化庁にお電話して伺ったところ、補助金対象などのなかで審査基準はあれど、国として政府として言葉を定義しているわけではないという新たな発見。(ご担当者さまお忙しい中、ご丁寧にありがとうございました。)これに準じて、新しい伝統芸能を定義するのも一興。

お祭りや盆踊りってあんまり伝統芸能感ないから、みんなで参加できる伝統芸能という文脈で行くのも一興。

気になっていた落語家柳亭 小痴楽さんを見に行って推しまくるのも一興。

ぜ~んぶ調べてみて、でも最後にはもともと掲げていた「伝統芸能の鑑賞を趣味としていない人たちに魅力を伝え足を運んでもらう」にもとづいて、データから認知されているが多くの人が見に行ったことがなく、だんだん検索量も減ってきている伝統芸能とわかった能楽にフォーカスしました。(その前に九龍ジョーさんといとうせいこうさんの記事の中に能楽へのリスペクトがつづられていて、そこが完全に突破口。)

そのあとは、あの世が舞台に現れるという切り口や、実際に行って「こりゃトリップだわ」という発見(わたしはトリップものが好き…。)、調べる中で「行った人は結構そう感じているらしい」という実感が得られたので、大好きなwiredを意識しながら記事化。どうしても取り組む中で1本コピー化に難儀し、どうしたら読んでもらえる記事になるか様式も工夫しました。明日きっともっと出てくると思いますが、まずは着眼点をもっと研ぎ澄ます必要があったなと反省…。

広告とは、あちら側にある対象物をこちら側の言語で魅力的に伝えること

初回で私が振り返った、自分の中のインディペンデントな部分を他人にひらく、という内容。

それが今回の伝統芸能というテーマで実践したかったことです。

調べている中で、伝統芸能をあちら側(どっぷり浸かった人)の言葉で魅力を羅列する紹介記事を見かけました。若手演者XXXの斬新な感覚に基づいた技量が光る~、古来XXXXから伝わるXXXXという所作で現代に当時の文化を再現することで今にいながら昔がわかる‥‥、等々わからないのが申し訳ないぐらいにどれもピンと来なくて、何が原因なんだろうと考えました

株民の「まだ投資やってないの?早くやったもん勝ちだよ!JOIN US!全然怖くないよ(圧すご。そしてなにを根拠に言ってるの?)」という言葉とか、ゴルフおじさんの「社会勉強だよ、あとお風呂気持ちいいよ(う~ん、その勉強いらないし、行ったことないからな…)」という言葉とか。それはこちら側の思考と行き来していないからなんだなと思いました。

だから、まだその世界の魅力に気づけていないひとの心のとっかかりに、言葉を投げ込む。それを徹底しようと思いました。

九龍ジョーさんは、芸能に対する広くて深い知識と経験に裏付けされた確かな洞察で、まだひらかれていないカルチャーを外に届けていく。中でもおそらく一番得意とされているのは、ひとをよく知り、ひととひととをつなぐこと。そうすることでカルチャーAの文脈とカルチャーBの文脈を縒り合わせて、見え方を変えていく。

そういったように私には見えます。

わたしもそこに行きたい。

派生する2つのトピック

①インサイトをつかむか、強制的に体験させるかしかない

これは昨日感じたわたしが、広告という世界で目指したいこと。そして、男女不平等性に気づかせるという企画を見て思ったこと。

【アイディア概要】
女性に生まれたことは、恐怖体験そのものだ。小さいころから言われる「女の子だから」でがんじがらめ。社会役割として、かわいい若い女性になり、貞淑な嫁になり、おおらかな母になり、そのまま家庭に入ることを強いられる。その狭い世界の中で一生を終えるのだ。それをホラー映画に見立てるアイディア。

私はこれ全然わからないです。そもそもの女の一生って恐怖だよねってのがわからない。なんだったらそんなに決めつけられると違うよ~と反発したくなる。「これはターゲットの代弁で、彼女たちの共感を誘うものであり、あなたはターゲットじゃない」と言われればそれまでですが、こころの深層(インサイト)にたどり着いたときにこの表現だったかは私はわからない。

でも、別で見たアイディアで近い目的に対して納得するアイディアがあった。(記憶の再現なので、うまく伝えられるか…。)

【アイディア概要】
男女の生涯賃金格差は大きい。男性1に対して、女性は2/3。そこに着目した「2/3 SHOP」企画。正規料金を払っても買えるのはすべて2/3サイズの商品。包みをあけると2/3サイズのハンバーガーに、2/3しか入っていないドリンク。Tシャツなんて広げると裾がきられておへそが出ちゃう。…でもこれが格差のリアル。

このアイディアたちをみて、「こちら側のひとをじぶんに憑依させて、伝わるものにする or 後者の例のように有無言わさず疑似体験ではっとさせる」2つにつきるのかと思っていますが、そう単純なわけもなく…この論点は丁寧に自問し振り返りたいと考えています。

②建築業界をもっと拡張したい

私は人生でやりたいことに、クローズドな建築の世界をそとにひらくということをずっと思っています。厳密にはその中でもアカデミックな領域ですが。今回の伝統の企画がすごくここにミートしていました。

とっても長くなりそうなので、ペンディングしているライフコンセプトの記事で併せて書いてみたいと思います。


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