⑮[介護ライブレポート]介護認定が変わるということ

義母がショートステイに入所したときに、施設の責任者の方から、再度、介護認定を受けるようアドバイスをいただきました。
もちろん、即、お願いをしたのですが、これがどのような意味を持つことなのかがこの時点ではわかりませんでした。
今回は、「介護認定が変わるということ」についてお話しします。

まず、介護保険制度のおさらいです。
簡略化するために少し乱暴に書きますが、ご了承ください。

介護保険は、介護が必要な人が認定を受け、その結果を基に、その人に最適な介護プランを受けることができるという制度です。
まず、心身の状況を確認し、どのくらいの介護が必要なのかを判定するのですが、これを「介護認定」といいます。
「介護認定」は、要介護度で表され、要支援1・2から要介護1~5のいずれかになります。
「要介護」と「要支援」では、当然のことながら「要介護」の方がより介護が必要な状態であり、数字が大きくなるほど状態はヤバイと考えてよいです。状態が悪いほど、より多くの介護サービスが受けるというシステムです。

要介護1~5と認定された方は、在宅で介護サービスを利用する場合、居宅介護支援事業者と契約し、その事業者のケアマネジャーに依頼して、利用するサービスを決め、介護サービス計画(ケアプラン) を作成してもらいます。
施設へ入所を希望する場合は、希望する施設に直接申し込みます。
要支援1・2と認定された方は、地域包括支援センターで担当職員が介護予防サービス計画(介護予防ケアプラン) を作成します。

義母は当初「要支援2」と判定されていました。
だから、義母のケアマネさんから「(義母の)一人暮らしはヤバイ状態なので、家族で対応を考えてください」との連絡をいただいたとき、若干の違和感を感じました。要支援2とは、基本的には介護は必要のない状態で、少しの支援で自立した生活ができる状態だからです。

これ、実は制度上の問題のひとつ。
つまり、一人暮らしが成立している時点で、重い認定を下すことは基本的には難しいのです。
レンジでチンすることができたら、自分で調理ができますと判定されることもあるようです。
なるほど、ケアマネさんの連絡で聞いた義母の状態と介護認定に差異を感じたのは、ここに理由があったようです。

その後、再度、介護認定をしていただき「要介護2」になりました。

介護保険には、介護度に応じた支給限度額があります。高齢者の介護の必要性の程度に応じて介護認定が決められ、その認定度ごとに月々のサービスの上限額が定まっています。この範囲内でケアマネジャーはケアプランを作成します。
介護度が重いほど限度額が大きくなります。それ以上のサービスを受けたい場合は、全額自己負担となりますが、受けられないということではありません。

たとえば、我が家のケースでは、入所を希望するケアハウスが空いていなかったため、待機のためにショートステイに入れていただきました。
ただし、一ヶ月間のショートステイの代金は、義母の要介護2では全額カバーすることはできません。そこで、足が出た分を自己負担でカバーしていました。
入所時の義母の状態を確認した施設長は、要介護2よりも重い状態と判断し、再度の介護認定をアドバイスしていただいたのです。

一人暮らしから介護施設に入所した場合には、介護認定が重い方に変わることがあるのは、先に述べたとおりです。

義母の再認定の結果は・・・「要介護4」でした。
最初にケアマネさんから連絡をいただいてから、1年以内に要支援2から要介護4になりました。
義母の状態も悪化したせいもあると思いますが、「一人暮らし」が判定に及ぼす影響も大きいと思っています。

要介護度が上がれば、介護に利用できる選択肢が増えます。たとえば、選べる介護施設の種類も多くなります。特別養護老人ホームは「要介護3」以上の方が入所の対象になっているのです。
また、介護で支払われる保険支給額が増えますので、サービスの種類だけではなく、量も多くなりますね。

今回は、介護認定の再チャレンジという施設長のアドバイスを本当にありがたく感じています。


ご参考までに義母の介護認定の区分について記しておきます。

・要支援2:立ち上がりや歩行の運動機能に若干の低下が見られ、日常用生活の一部に見守りや支援が必要な状態です。

・要介護2:自力での立ち上がりや歩行といった運動能力が低下し、排せつや入浴の一部、あるいは全てに介助が必要な状態です。

・要介護4:自力での立ち上がりや歩行がほとんどできず、食事などの日常生活全般に介助が必要な状態。コミュニケーションの部分でも、理解力の低下があり、意思疎通がやや難しい状態です。

【重要な注意!】
これはあくまでも「我が家のケース」として参考程度にお読みください。
最初から適正な介護認定をされているケースも多いと思いますし、事実、義母も一人暮ししている間に認定が変わりました。
今回のレポートの主旨は、「介護認定の判定が間違っていた」「制度に欠陥がある」と言うことではありません。
制度に忠実になれば、このような首をひねるケースがあるかもしれないぐらいにお考えくださいね。

ただ、介護認定の結果に納得がいかない場合、要介護認定のやり直しが可能なのだということは覚えておいた方がいいと思います。


以上

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