⑯-前編[介護ライブレポート]義母のおかげで勉強できた病気の予防 前編

義母がショートステイに入所した後、再度の介護認定を受けました。
施設長のアドバイスに従ったのですが、その結果は要介護4でした。
これまでは、要介護2でしたので、2ポイント悪化していたということになります。

義母の状態の変化は、カミさんも私も感じていましたが、「生活環境が変化したせいかな?」ぐらいに考えておりました。
これまでは、家族と遠く離れた一人暮らしでしたが、今は実の娘が近くにおり、食事の心配がない生活に変わりました。
一人の生活の緊張の糸が切れて、安心したのではないかと考えたのです。
しかし、よく観察してみると、少し心配な変化が見られます。
「話し方」と「歩行」です

カミさんがもっとも心配したのは、義母の話し方です。
会話が通じるのに時間がかかる。何回も聞き直す。違う話題を話し出す。
会話が途中で止まることもあります。

もし、義母の状態が自然に悪化をしているのなら、思い切ってショートステイの入所を決断して良かったと思いました。
正直な話、「第一希望のケアハウスが空くまで待つ」選択肢もあったからです。
入所の手続きが一度で済みますし、ショートステイで待機するには自己負担も発生します。
この点については、義母、ケアマネ、家族で検討し、「時間」を最優先することにしたのです。
早めの決断を下したのですが、結果的にはこれでよかったと思いました。

「歩行」は、以前より弱弱しい、歩幅が短い、スピードも遅いように感じました。

義母の歩行は、前から兆候が見られていました。
少しでも筋力を維持し、体重をコントロールするために、義母には繰り返し運動の重要性を説明し「無理をせずに少しだけでも続けてください」とお願いしていたのですが、あまり運動していなかったようです。
散歩もほとんどしない(特に夏と冬)ので、室内でできるウオーキングマシンを買いましたが、隣の人にあげちゃったと笑っておりました。
結果的には、筋力が落ち、体重が増え、堂々たる体躯で心臓にも負担がかかっております。

健康を維持するには、自分である程度の努力が必要なことを義母が教えてくれています。
では、どんな努力をするのがいいのでしょうか?

一般的には、体育系と文化系の両方の趣味を持つといいと言われています。
特に詳しい説明も入らないでしょうが、「体を動かすこと」「頭を働かせること」の両方がカバーできるからですね。

義母は、若いときから特に趣味のない人でしたが、町内の「老人会」に入っていました。
カラオケや近くの温泉など、季節のよい時期には週に3回も出かけていました。
今、思うと義母の健康を支えていたのは、この老人会の活動だったと思います。

このような地元の「集まり」は、一人暮らしの高齢者にとって、「健康の維持」「病気の予防」の重要なポイントになると思います。
運動、社会との接点、楽しみ(気分転換)など、メリットは大きいからです。
※現在は、コロナの影響でこのような活動は極端に減少していると思いますが・・・

先に書きましたが、「趣味」の重要性も義母が教えてくれてます。
できるなら「体育系」と「文化系」両方の趣味。
今からでも、興味があることにチャレンジしていこうと思います。

病気を予防し、健康を維持するためには「運動」と「食事」が大きなポイントになります。
一人暮らしの高齢者の食生活で注意したい点も2016年の新聞記事で勉強しました。
それは「低栄養」です。

高齢者の低栄養とは、タンパク質、炭水化物、脂質などが不足し、ビタミンなども摂取が不十分な状態を言います。
東京都健康長寿医療センターの新開省二副所長によると「日本国内の65歳以上の2~3割が低栄養の傾向にある」とのこと
中でも、筋肉や臓器などを形成するタンパク質の不足が目立っているといいます。
(ちなみに「タンパク質」は、血液の中の血清アルブミンという値が重要な指標となります。)
この研究所は東京都小金井市と秋田県大仙市で高齢者の栄養に関する調査を行っており、タンパク質や脂質などの摂取量が少ないやせ形の人は肥満気味の人に比べ、八年後の生存率が1割程度低いことがわかったそうです。
「70歳を超えたら、メタボよりフレイル(心身の衰弱)やサルコペニア(筋肉と筋力の低下)に注意して食生活を組み立て直すことが重要」と強調しています。
なるべく多くの種類を偏ることなく食べることが望ましいのですが、まずは自分の食の内容を確認することが最初の一歩ですね。
特にタンパク質の不足が目立っているとのことですので、肉、魚介類、卵、大豆、牛乳・乳製品などの摂取を見直してみてくださいまし。

念のため、ひとつだけご注意を。
現在、持病で栄養指導や食事療法をされている方は、今のままの食事をお続けくださいね。
今回の話は、あくまでも食事制限のない高齢者で、普通食を召し上がっている方が対象です。

※2016年5月31日付 中日新聞「高齢者に広がる低栄養」より

次回も「病気の予防」について、レポートしたいと思います。

以上

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