コロナのおかげで気づいた人生の大切なこと

地球規模のコロナ禍で人々の生活は様変わりしました。
外出や人とのコンタクトが一部制限されたり、生活の中でマスクや手洗いが当たり前になりました。
経済活動は、一部の企業を除いて売上や利益が低迷し、失業者や倒産の件数が増えてしまいました。
不要不急の用事以外は家にいることが多くなり、家族との時間は多くなりましたが、体重が増えたり、うつに悩む一人暮らしの若者も増えています。

このような生活の中で、窮屈さを感じながらも、気づいたいくつかのことがあります。
その「気づき」は、自分の人生においてとても大切なことばかりでした。
以前の生活では漠然としか考えていなかったことや頭ではわかったつもりだったことが実はわかっていなかったからです。

気づいただけで、今だに結論が出ていないことがあったり、いろいろ考えたのに実行に落としこめていないこともあります。
それでもなお、これからご紹介する「気づき」は間違いなく自分にとって大きな収穫だったと思います。

人生で大切だと思うことに気づき、未熟ながら自分で考えたからです。
考えるだけでなく、ネットや本で勉強もしました。
ここに紹介する「気づき」は「歴史に学ぶ」です。

[歴史に学ぶ]
世界規模の災害や歴史の教科書に掲載されるような重大な事件が起きたとき、過去に起きた同じような事例が紹介されます。
今回の厄災の規模を比較をするためでもあり、そのときに学んだ教訓を生かすためです。
私は、「これは使える!」と思いました。

コロナの影響で受けた経済的な打撃を考えると、世界的な不況が来るかもしれないと考えたからです。
私は、「過去の世界的な大不況のとき、どのようなことが起き、どのように行動すれば助かったのか?」を歴史から学ぶことにしました。
具体的には、以下のテーマです。

・過去に起きた同じような災害や不況のとき、実際に起きたことは何か?
・生き残った人は、どのように判断し、行動したのか?
・混乱した社会のなかで、財を貯えた人は、どのように考え、商売をどのように工夫したのか?

要するに、災害や不況のときに、「どのように生活を守ったか」、そして「不況のときに仕どのように仕事を工夫したか」です。
人間が本質的に変化していない限り、歴史を学ぶことは有意義だと思います。
たまには、いいことを考えつくものだと自分に感心しながら勉強を始めてみると・・・根本的な問題にブチ当たりました。
恥ずかしながら、「歴史に学ぶ」とは具体的に何をどのように勉強すればよいかがわからないのです。

具体的にどうすればいいのか?
ネットで検索してみましたが、自分の納得する情報は入手できませんでした。
インターネットでは、マスコミの記事、関連書籍の紹介、経済の専門家による解説がほとんどでした。
マスコミの記事は、不況の概要と事実の紹介だけです。
経済の専門家のコンテンツは、より詳しい解説がされているのもありましたが、基本的には事実とその分析がほとんどでした。
よく考えてみると、生き残るためのノウハウや商売の工夫は、マスコミの記者や経済の専門家の範疇を超えていることに気づきました。
記者は起きていること、経済学者は不況のときの市場の分析や解説をすることが本業であり、商売の工夫はそもそもジャンルが違っていたのです。

残されたのは書籍です。
とりあえず本屋に行き「アメリカ大恐慌」に関する本を3冊ほど買ってきました。 

読んでみた結果、やはり答えはよくわかりませんでした。
なぜ、大恐慌が起きたのか?、それによって経済や社会はどのように変化したのを経済指標を中心に書かれてありました。
また、悲惨な状況になった人々の逸話も書かれてあります。
不況が起きた背景や原因、社会の指標の変化、人々の暮らしの記述はわかったのですが、肝心の私の質問の答えはわかりませんでした。
これでは、私の知りたかったテーマのひとつしか解決できません。
一番知りたかったのは、「今すべきことは何か?」なのです。
本の選択を誤ったか、勉強する方法を間違えたか?
結局、2冊ほど読んで止めました。
自分なりに試行錯誤を繰り返しましたが、決定的な打開策が見つからないまま、時間が流れました。

ある日、突然「気づき」が降りてきました。

私は、かなり初期から新型コロナウイルスに関する新聞記事を集めていました。
2020年はほぼ毎日、コロナに関する記事が掲載されており、自分で必要と思った記事だけ選んでスクラップしていたのです。
自分が集めた記事の山を見ていたとき、打開策に「気づいた」のです。

その気づきとは、「今、起きていることを丁寧に観る。そして考察する。」
それこそが、自分の知りたかった答えではないかと。
自分の知りたいテーマによると思いますが、私の知りたいことなら過去の勉強よりも「今」の情報を学ぶのが合理的ではないかと思ったのです。
過去の新聞の切り抜きをていねいに見てみると、
「コロナウイルスの感染症から生き延びるために、予防方法が紹介されている。」
「生活を守るための国や地方の政策が整理されている。」
「ダウンした売上をカバーするために努力している企業が紹介されている。」
「コロナ禍で思いもよらなかった問題が起きている。」
新聞の切り抜きなので、系統的な内容ではないのですが、自分の知りたい答えがあちこちにありました。
わざわざ過去の別の事例を苦労して探さなくても、勉強する素材が毎日印刷されて運ばれてきていたのです。

早速、自分が集めた記事をテーマごとに分類しました。
自分の問いに関する答えを系統だてて分類し、自分の知りたいことの答えとなる記事を掘り下げて、考察することにしました。
こうして、自分の知りたかった答えは、自分の中で決着しました。

ただし、「歴史から学ぶ」方法は、わからないままです。
これは、今後の課題としますが、試行錯誤の中で「歴史から学ぶ」ヒントを得ることができたので、ご参考までに紹介したいと思います。

①古典
自分の知りたいテーマに関する古典の名著は、最高のテキストだと思います。
時間のフィルターをくぐり抜けて、なお愛読されている作品には必ず読むだけの価値があります。
理屈抜きでおもしろい、本質的な部分が理解できる、考え方や表現の原型であるなどのメリットは、私が言うまでもありませんよね。
例えば、私は「働くこと」について考えたり、「健康」について勉強します。
いろいろな情報を見たり、本を読んだりしますが、心から感心した本が古典にありました。
「働くこと」については、幸田露伴の「努力論」、「健康」については、貝原益軒の「養生訓」です。
確かに読みづらい文章やその時代の難解な表現もありますが、それを差し引いてもなお大きなメリットがありました。
小説などは、歴史の事実から勉強することとイコールではないかもしれませんが、私にとって歴史に残るような本を読むことは「歴史を学ぶ」ことと拡大解釈をしています。
これまで、正直、あまり古典を読んでこなかった自分ですが、これからは積極的に人生の教科書にしたいと思います。

②ひとつのテーマをまとめた資料・書籍
自分の本棚を見ていて気づいたことがあります。
それは、特定のテーマをまとめた本があることです。
このことに気づいたのは、ミステリーのオールタイムベストをまとめた雑誌を見ていたときです。
あるテーマについて、情報が整理されているということは、これまでのそのテーマの歴史の概要が学べると思います。
(もちろん、テーマによりますが・・)
ジャンルは限られるかもしれませんが、「戦略」や「ビジネス法則」などはこれまでの代表的な戦いや法則が整理されたものがあり、勉強する材料としてはアリだと思います。ただし、このタイプの本の欠点としては、一つの章やセクションの記事のボリュームが限られますので、十分な情報量ではない場合があります。
あくまでも、概要を把握することやスクリーニングとして活用したいと思います。

③その他
歴史の映像コンテンツとして、非常に優秀な作品のひとつにNHKの「映像の世紀」があります。
「ひとつのテーマを歴史に学ぶ」のではないのですが、「歴史そのものを学ぶ」には、私にとって最高のコンテンツでした。


[実際に勉強になった情報]
これからご紹介するのは、実際に自分が勉強した情報の一部です。
テーマは「商売の工夫」です。
新型コロナウイルスの影響で売上や集客が低迷した企業が、生き残りを賭けてチャレンジしたいろいろな工夫の記録です。
これを読んでいただければ、「ビジネスの工夫のヒント」はもちろん、「元気」が出ること請け合いです。


[新しい旅行ガイドブック]
コロナ禍で最も大きな打撃を受けた業種のひとつが旅行業界ですよね。確かに、ツアーの売上などは非常に厳しい状況ですが、なんと新しい旅行ガイドブックを企画し、コロナ終息後の旅行需要にもつながる工夫を各社が展開しています。これまでの旅行に行くためのガイドブックとは一味異なる新しいジャンルです。

・るるぶ宇宙:
旅行ガイドブック「るるぶ」(JTBパブリッシング)が2021年3月に発行した宇宙旅行のガイドブック。出発までの訓練やリハーサル、国際宇宙ステーションの内部の解説などを網羅しています。
「るるぶ宇宙」は、完売の書店が相次ぐ人気となっていました。この本は、2020年5月に全社員から企画を募集した中から誕生しました。コロナ禍による緊急事態宣言が発令され旅行雑誌は打撃を受けた時期のアイデアです。コンセプトは従来と同様「見る、食べる、遊ぶ」。
巻頭を飾るISSは、NASA(米航空宇宙局)が商業活動の場として民間人を最大30日間、年2回受け入れると発表した施設。トイレは?食事は?滞在費用は?と素朴な疑問にビジュアルで解説。「ISS内は乾燥しているため保湿クリームは必需品」など“庶民目線”のマストアイテム情報も掲載しています。

・るるぶONE PIECE:
大人気漫画ワンピースの世界に、現実の観光地を当てはめて紹介する企画。
3月4日発売し、当初は3万部の発行予定だったが、ファンから事前予約が殺到し発売前に増刷が決まった。税別1250円の価格ながら、すでに9万部のヒットになっている。「作中に登場した舞台のモデル地を探し出し、 麦わらの一味になった気分で旅すること」がメインテーマですが、作者の尾田栄一郎氏も、一部を除きモデル地は明かしていません。そのため、「編集部員と、協力する編集プロダクションのメンバーで単行本を冒頭から読み返して検証し、取り上げる場所をピックアップしていった」とのこと。(編集長を務めた高橋香里氏)。
制作は海外の『るるぶ』の海外情報事業部が担当したため、世界各地の知識や写真などの資料は十分にあるのが利点です。さらにブログ等で作品の関連情報を発信する個人のファンにも協力を得て、検証を進めていったそうです。
最終的に制作には約半年を費やしましたが、作者の尾田氏から「これはまじで楽しい!!」との直筆コメントが寄せられ、表紙を飾っています。未経験の分野でも、既存の『るるぶ』のノウハウを存分に活かすことができた素晴らしい企画ですね。

・るるぶ新日本プロレス公式ガイドブック:
(出版社の初回コメントです)
新日本プロレスをもっともっと楽しむための観戦ガイドブックです。
男性ファンのみならず、今や「プ女子」とよばれる若い女性やファミリーにまで人気が広がる新日本プロレス。本誌は、本隊・ユニット別の選手紹介やルール、観戦マナーなどプロレスビギナーに役立つキホン情報から、人気選手が出身地のゆかりスポットや巡業先のお気に入り店を紹介するグルメガイド、遠征に便利な全国会場案内まで、観戦をさらに楽しむための情報が盛りだくさん! るるぶならではの「見る(観戦)」、「食べる(選手おすすめグルメ)」、「遊ぶ(出身地や巡業地の観光情報)」を1冊にギュッと詰め込んだ、新日本プロレス公認「公式ガイドブック」です。人気選手の直筆サイン入りグッズが抽選で当たるプレゼント企画も!

・にゃっぷる:
地図の出版事業を手掛ける昭文社ホールディングスから2021年1月29日に刊行された旅行ガイドブック誌「まっぷる」の猫バージョン。
「まっぷる」は観光情報を主な観光地ごとに紹介する雑誌スタイルの旅行ガイドブックシリーズ。
定番の見どころや注目スポット、話題のご当地グルメなどを取り入れて現地を堪能する過ごし方を紹介しているほか、街歩き用の地図やドライブにも便利なロードマップなど、旅行には欠かせない地図をふんだんに収録しているのが特徴です。
そんな同社のネコ好き編集部員による何気ない会話から生まれたのが『にゃっぷる』。
猫島や看板猫がいるお店へのお出かけを計画している最中に、「まっぷるが<ねこ旅>をプロデュースしたら面白そう!」と盛り上がった妄想がそのまま企画書に発展。その企画を聞きつけた社内のネコ好きスタッフたちが集結し、昭文社の人気シリーズ誌も巻き込んで作られた異色のコラボ本です。
予約段階で注文殺到→発売日前に異例の緊急増刷を決定したそうです。
  
・レールウェイ マップル 全国鉄道地図帳 :
日本全国の路線・駅を収録した、本格鉄道地図帳。
特長は、大迫力の地図上に、現役鉄道路線全路線を掲載、全駅をルビつきで表示しています。
「車窓景観の地理的解説」「単線複線」「トンネル・橋梁」「鉄道遺産」など、「いま」の<鉄旅>を楽しむ情報も豊富に収録。現在の鉄道事情と過去からの変遷が同時に楽しめる情報・資料が満載です。
全428ページの豪華保存版、「日本の鉄道」を堪能できる一冊です。3000円を超える値段設定ですが、発売直後から品切れ続出。
Amazon「鉄道カテゴリ」ほしいものランキング堂々の1位!『レールウェイマップル 全国鉄道地図帳』増刷決定しています。

旅の図鑑シリーズ:
学研プラスの「地球の歩き方」の蓄積を生かして、新しいシリーズを開始。
各国の大統領・首相の経歴がわかる指導者図鑑、知られざる岩の成り立ちや伝説にふれる奇岩・巨岩図鑑、世界各都市の名前の由来やおもしろ雑学が満載の  首都・主要都市図鑑の3タイトルが発売されました。

『世界の指導者図鑑 2021~2022年版 208の国と地域のリーダーを経歴とともに解説』
『世界の魅力的な奇岩と巨石139選 不思議とロマンに満ちた岩石の謎を旅の雑学とともに解説』
『世界246の首都と主要都市 199の首都と47の主要都市を旅の雑学とともに解説』

「地球の歩き方 東京」:
本書は、「地球の歩き方」シリーズ初の国内版になります。
なんと、発売から半年間で8.9万部突破しました。Amazon、楽天ブックスの旅行ガイド関連カテゴリ売れ筋ランキングでも連続1位を獲得。
企画時の2019年はシリーズ創刊の1979年から40周年のタイミングでもあり、キリの良い記念本なので、とことん情報盛りだくさんの大ボリュームにしよう!と現役&OB含め、地球の歩き方のベテランスタッフが集結して制作が始まりました。
エリアガイドでは、スポットの紹介だけでなく、街の歴史やその土地の歩き方、地名の由来など読んで楽しめる要素を盛り込みました。
「江戸から続く東京」と軸を決めて「伝統工芸体験」「東京発祥グルメ」「銭湯」「商店街」「文豪の名店」などふつうならガイドブックの巻頭にはこないような特集を多数採用しました。
江戸以前、旧石器時代から始まる「年表」の特集を8ページにもわたって作ってしまいましたがこれは読者からとても好評です。


[ルーブル美術館の逆襲]
アメリカのメトロポリタン美術館、ロシアのエルミタージュ美術館と並び、世界三大美術館の一つとして知られるルーヴル美術館。「モナ・リザ」や「ミロのヴィーナス」などをはじめ、国境と時代を超えた絵画・彫刻・工芸品など美術品30万点以上が所蔵される同館には、多様なコレクションを一目見ようと、年間850万人を超える人々が世界中から訪れています。

言わずと知れた世界最多の入場者数を誇る美術館ですが、コロナの感染拡大で大幅な減収に陥りました。
2019年に年間960万人が訪れたルーブルは、新型コロナ第1波に伴う都市封鎖(ロックダウン)で昨年3~7月に休館したのに続き、第2波が押し寄せた10月末以降、現在も閉鎖中。来館者は270万人と前年比で72%も減り、9000万ユーロ(約116億円)超の減収となりました。

しかし、起死回生のアイデアを連発して、収益回復の布石を打っています。
まず、オンラインショップのリニューアルを発表しました。新たに4年間のパートナー契約を結んだ「ユニクロ」や人気インテリアデザイナーと共同開発したファッショングッズを目玉にしたのです。
 モナリザや「ミロのビーナス」といった人気作をモチーフにした衣料品や雑貨の販売量に応じ、ルーブル側の収益が増える仕掛けです。仏国内でも人気が高いユニクロの起用について、広報担当者は「多くの人の興味を誘う国際的なブランドだから」と説明しました。オンラインショップの購入者の半数近くは国外客で、順調な売り上げを記録しています。

2020年12月には英クリスティーズと連携し、特別オークションを開催しました。現代アーティストから提供された作品だけでなく、「モナリザの定期点検に立ち会い間近でゆっくり鑑賞できる権利」(8万ユーロ)、「ランプを持って夜の館内を見学できる権利」(3万8000ユーロ)など一風変わった商品で話題を呼びました。計236万ユーロを売り上げる成功となり、ルーブルは今後の追加開催を検討しています。

さらに48万点超の所蔵作品の画像や制作情報を無料公開する新しいウェブサイトも開設しました。将来的には、全作品を公開する予定です。
直接収入には結びつきませんが、話題性は十分で、いろいろな仕掛けを企画しやすい工夫もしています。


[地方ホールの活路]
コロナ禍で大きな影響を受けているエンターテインメント業界。クラシック音楽の演奏会の開催も中止・延期が相次ぎ、地方のホールは運営が特に厳しくなっています。
このような苦境の中、大津市の滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールは、2020年3月に無観客でオペラを上演し、インターネットで生配信しました。

びわ湖ホールでは、2020年3月7・8日のオペラ≪神々の黄昏≫の公演に向けて、ヨーロッパから演出家やキャストも来日して、稽古を行っていました。ところが、2月26日、コロナの感染拡大により、政府から大規模イベントの自粛要請が出されました。28日には、県が公演の中止を決定しました。これを受け、同日、スッフ、キャスト全員を大ホールに集め、公演中止と無観客上演、DVD制作を提案したところ、全員から大きな賛同の拍手が沸き起こりました。
​職員が上演に向け様々に奔走する中で、配信もできるのではないかという声が直前に上がりました。本番のわずか3日前、無観客上演とYouTubeによる無料ライブストリーミング配信を発表し、当日を迎えました。

動画配信サイトYouTubeで無料生中継された視聴数は、最も多い時で同ホールの客席(1,848席)の6.6倍を超え、2日間でのべ36万8520アクセスを記録、最終的に世界30ヵ国、約41万人が視聴しました。
コロナ時代の先進的な文化イベントと評価され、菊池寛賞を受賞しました。
ちなみに同賞を公共ホールが受賞するのは初めてです。

※菊池寛賞:文芸春秋の創業者・菊池寛(明治21年~昭和23年)が日本文化の各方面に残した功績を記念するための賞。文学、映画・演劇、新聞、放送、出版、その他文化活動一般において、1年間に最も清新かつ創造的な業績をあげた人・団体、もしくは永年にわたり多大な貢献をした人・団体に贈られる。

※びわ湖ホール
1998年9月、西日本初の本格的なオペラ劇場として開館。設備・音響の良さに加え、琵琶湖畔という美しいロケーションが魅力。17年より、ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」四部作を毎年一作ずつ上演。“びわ湖リング”の愛称で親しまれ、20年の「神々の黄昏」で完結する予定だった。


[コーラス用マスク]
全音楽譜出版(河合楽器子会社)は、歌唱時に飛沫は拡散するのを防ぐ「コーラスマスク」を発売しました。
この会社は、「カワイ出版」のブランド名で合唱向けの楽譜を販売している会社ですが、コロナで合唱の発表や練習ができない状況を考え、このマスクの開発を進めてきました。

幅32センチ、長さ34センチで生地にポリエステルとナイロンを使用。装着すると鼻から首元までを覆います。上部にT字型ワイヤーを入れてあり、鼻の形に合わせて自由に曲げられるほか、口の周りに空間を確保してブレス(息継ぎ)が楽にできるよう設計されています。

発売時は、大と小の2サイズありましたが、耳紐へのジャスターの追加で長さ調節が可能になりました。
これにより、フリーサイズとなってサイズに迷うことなく、アジャスターで調節することでどなたでも最適なフィット感でお使いいただけます。

また、ワイヤー・ハトメの変更でより快適な着け心地にしました。
縦ワイヤーの長さを15mm短くすることで、生地の張り感を軽減し、歌唱中に生じるずれを改善しました。また、ハトメ位置を変更することで従来よりも顔のラインにフィットするようになり、飛沫飛散防止効果を高めると共に、安定した着け心地で、より快適に歌うことが可能です。

飛沫飛散防止効果について実証実験も行っています。
飛沫量の計測では、マスク下方からの飛沫飛散については、不織布マスクと同程度の効果が確認されました(口元下方20cmで93.8%減)

このように改良される前から、「歌えるマスク」として合唱の愛好家に好評で、2020年下旬に発売して以来、一ヶ月弱で約2万枚を売り上げています。


[キーボード用ラップ]
愛知県の金型メーカー「エムエス製作所」と特殊鋼メーカー「山一ハガネ」は、会社内や施設内で共用するパソコンのキーボード用のラップ「タッチラップ」を開発しました。

2020年12月には兵庫県姫路市の病院でクラスターが発生しました。院内のスタッフ感染は、感染者と同じ端末のキーボードや控室を共用していたことなどが原因とみられています。
日本環境感染学会の「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対策ガイド 第3版」では、共用キーボードなどによる接触感染防止のためにこまめな消毒が推奨されていますが、キーボードの清掃は、溝や凸凹があるため難しく、決定的な消毒法は確立されておりません。。

「タッチラップ」は、キーボードを覆うようにラップフィルムをかけ、入力作業後に使った部分を巻き取ることで感染を防ぎます。
ラップフィルムは市販のモノでOKです。入力作業後の使用した面のラップ巻き取りは手動で行い、再び新しいラップで覆うことが簡単にできます。市販のラップ(50メートル)1本で約100回交換できます
エムエス製作所の迫田邦裕社長が友人の東京医科大病院の中村造準教授から「キーボードの感染対策に困っている」との相談を受け、開発を思い立ちました。
医療現場の細かなニーズに応えた素晴らしい商品ですね。


以上、コロナ禍でも果敢に挑戦している企業や商品をご紹介しました。
いずれも素晴らしい商品であり、企画ですね。
このような情報を勉強すると、どんな時代でもチャンスはあるものだと再認識すると同時に、なにより「挑戦」することの大切さを感じます。
暗いニュースが多いなか、「勇気」「やる気」をお届けできる企画を私も考えたいと思いました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

以上

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