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見え方の加齢変化(2) なんだか最近、眩しさを強く感じるんだけど、なぜ?

20~25歳の心身機能を100とすると、55~59歳では視覚と聴覚の機能がかなり衰えてきます。なかでも、明・暗の環境変化に順応する機能は35程度に低下すると言われています。

急に、暗い所に入った時、眼は見えませんけど、徐々に感度が上がり見えるようになりますよね。これが暗順応です。反対に、明るさに対して眼が慣れてくることは明順応と言います。

問題なのは、明順応ではなくて暗順応です。瞳孔の開きが弱くなっているためで、これを老人性縮瞳と呼びます。

私たちは瞳孔径を拡大縮小させることで、いろんな環境でもモノを見ることが出来ますよね。(猫ちゃんほどではないですが)

瞳孔径の拡がり方が小さくなってしまうと、網膜に届く光量が少なくなります。20歳を100とすると50歳では半分の50%、60歳では66%も! 減少しています。

40歳までは、暗順応にかかる時間は30分と言われています。個人差はありますが、50歳を過ぎると30分過ぎても適応できず、かなりの時間を要します。高齢になると急な明暗変化には対応できなくなります。

暗順応が苦手になるなら、部屋をうんと明るくすればいいのかな? と考えがちですが、実は、明るさの識別能力もまた低下し、若い人よりもグレア(まぶしさ)を感じやすくなってしまいます。

本来、透明であるべき水晶体や硝子体が加齢により不透明になりますと、眼の中に入った光が散乱してしまい、眩しさを強く感じるのが原因です。加えて、視野に入るモノそのもののコントラストも低下してしまいます。

シニア世代を対象とするならばコントラストを強くした掲示が必要であり、かといって強く明るい光を用いることは避けた方がよいのです。眩しさを感じるだけになってしまう可能性があります。

最近、ビッグメガネでも、眩しさを何とかしたいというニーズが増えています。サングラスだけではなく、日常使いのメガネでも、眩しさを軽減する機能を加えたレンズをお求めになる方が多いです。

日差しの強さ。夜間運転時の対向車のライト。煌々と照らされた商業施設の照明。海辺の照り返し。

加齢により変化してしまう私たちの見え方ですが、近年は、さまざまな種類の高機能レンズが開発されており、いろんな悩みを持つ方のニーズに対応できるようになりました。ビッグメガネでも、加齢による見え方の変化に対応していますので、どうぞ、気軽にご相談ください。

余談ですが、シニア世代の視力低下は静止画だけでなく動体視力にも影響を及ぼしますから、ユニバーサルデザインを考えるときはスクロール式掲示板などの速度を考慮する必要があります♪