LCK観戦メモ Match13-30 | 2023 LCK Spring Split

LCKとかいうリージョン、面白すぎて普通に全マッチ観てしまいました。
いや「普通に」は盛った。生活は完全に圧迫されています。

とは一体

逆に、観るのに一生懸命になりすぎて感想文を書くのが疎かになる本末転倒ぶり……いや試合観れてるならいいのか本来。

敢えて取り上げるマッチを見つけるのも大変なので、Week2から3にかけてのメタの変遷などについてツラツラ書いておこうと思う。

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Week2 Eliseの台頭

初週にはドラフトにちらほら顔を出す程度(ピック2回・バン8回)だったEliseだが、Week2からはバン・ピックともに常連となる。

Eliseが採用されるようになった理由はいくつか挙げられるが、
・Maokai/Sejuaniに対して序盤からアドバンテージを取れる
・トップ・ミッドにハードなADチャンプを置いてもよくなる
この二点が大きい。

タンクJGに対する有利

序盤からゲームのテンポを激しく奪い合う今メタだが、特にその傾向が顕著なLCKでEliseが評価を上げるのはある意味必然か。
MaokaiとSejuaniはもちろん依然として強力で、ここをJGのマッチアップで潰そうというのがEliseピックの主な狙いである。

その極地がMatch14 T1 vs KDF Game1 驚異のLv3gank
(KDFのボットレーナーはまだLv1)
祭りと聞いたFakerも我慢できずにゴーストで駆け付けている

ここまでの成功を収めたケースは稀なものの、他にEliseがピックされた試合では概ね上手いこといっている印象である。
その影響もあって、以降の各マッチでは
「お互いMaokai/Sejuani分け合ってゆったりめの試合にしましょうね~」
みたいなドラフトは鳴りを潜めることとなる。

Eliseと好相性のチャンピオンが地位を上げる

Eliseの強みといえば、やはり単体バーストダメージとタワーダイブのしやすさだろう。
この手のJGチャンピオンがピックされるようになると、他のロールでも当然
「Eliseと相性の良いチャンピオンを選ぼう!」という動きが活発になる。

トップで言うとRenektonとのコンボピックはよく知られていて、これは主にGank合わせの部分を重視したものだが、それ以外にもFioraやCamilleなど、序盤からキルを持てると有利が確定するスプリット志向のチャンピオン群も間接的に評価が上がってくる。

ボットでは元々強かったHeimerや、RでのCCチェインが可能なVarusとAsheなどが、レーン戦の強さも相まってより有利を広げやすくなる。

ミッドに関しては、相性という点ではそこまで影響がないように見えるが、ドラフトでEliseを優先した際にSylasを取られる可能性(取られた時の負担)が軽減できる部分は無視できないはず。

AD系フレックスピックの隆盛

プロシーンではダメージバランス(APとADの割合)が非常に重視される
試合序盤からのダメージトレード時やガンクの際、防具ひとつのあるなしでシビアにキルラインが変化するからだ。
(アマチュアの我々は、中々その領域まで到達できない……)

JG四強とされる内で、ファイター系のWukongとViはダメージソースがADのチャンピオン。
MaokaiとSejuaniはAPソースだが、出力の形としては比較的穏やか。
そこに現れたのがEliseである。
序盤から中盤にかけて(失敗していなければ)、安定してAPダメージを高く出力できるEliseがいるとなると、取れるチーム構成にかなり幅が出る。
この影響を強く受けたのはミッドレーンだと自分は見ている。
具体的に言うと、JayceとYoneをトップ・ミッドのフレックスピックとして強気に出せるようになったことが大きい。

JayceはWeek1から既に各チームで警戒されていたピック。
これはミッドであればKassadinやSyndraなどスケールの遅いメイジに対するカウンター。トップなら特にGnar相手に強く、また先出し安定のK’Santeとも充分に戦えるピックとして考えられていた。
これだけ聞くと「じゃあもっとピックすればいいじゃん」と感じるところだが、そこはやはりMaokai/Sejuaniのラインが壁となっている。

集団戦ではどうしてもポークの動きがメインになるJayceにとって、これらタンクJGがいる限りはその性能を発揮できるかどうか博打になる。
だがそこにEliseがいればどうだろう。
Eliseが上に述べたタンクJGに対して序盤から有利をつけ、彼らのスケールを遅らせていれば、ポークによるダメージも通りやすく、またダメージソースもAD(Jayce)とAP(Elise)に分かれているため、防具の選択にもプレッシャーを与えることができる。

Yoneに関してだが、Jayceよりは有効なマッチアップが少ないものの、特にKassadinには大きく有利が取れるピックとなっている。
そして何よりダメージ出力の形がAD/DPS型なので、ボットをポーク型VarusやAsheにした際、終盤のファイトにおいてタンクに対してのダメージを担保できる。EliseによってタンクJGが潰せていれば、そこはJayce同様である。
スキルショット系CCによるエンゲージに着いていきやすいのも優秀。

Week3 ボットとサポートのピック保留

Week1の試合を観戦していた人には言うまでもないが、
「1stピックフェイズ(最初の三体ずつを取り合う部分)は、ボットとJGを取り合って、ミッドとトップは後回し」
というのがドラフトのお約束だった。
多少例外は見られるものの、この傾向はWeek2まで続いており、サイド選択の如何はそのまま
(ブルーサイド選択の場合)ボットかJGを勝たせたいのか、
(レッドサイド選択の場合)トップミッドいずれかを勝たせたいか、
を量る指標となっていた。
しかしWeek3に突入し、このお約束が徐々に崩れ始める。

LucianとZeri 許されなかったのは……

結論から言うとLucian(そしてNami)だった。
Week3におけるLucianは、ほぼ毎試合でバン。
バンもピックもされなかったのはたった1試合。僅かに開いた3ゲームでは、全てLucianを確保したチームが勝利している。
Lv1-2が多少苦しいくらいで、Lv3以降はAll-inとショートトレード性能が共に高く、1コア(ゲイルフォースと帝国の司令)が完成しただけで他ロールが耐えられない火力を出すピックなど、到底許されるはずもなく……。

ガチで許されざるチャンピオンが発見されたということは、翻って
「まあコイツらなら……キチィけどやれんこともないな……」
とされるチャンピオン群が定まりつつあることの証左でもある。
そしてボットレーンは大航海時代に突入する。

ぼっとれーんおゆうぎ会

Caitlynサポートとは何なのか。
Kalistaサポートとは、Twitchサポートとは一体……。
いやそもそもHeimerサポートって何? お前誰?
教えてくれKeria。答えてくれBeryL。これが君達の望んだ世界なのか――

冗談はさておいて、現状ボットレーンの力関係については正直難しい部分が多すぎる。整理して話すのがしんどいのでとりあえず書き散らしてみる。

Lucian/Namiは流石にまずいことが分かった。
Zeriは序盤のハラスを乗り切れば終盤止まらない。
これがYuumiと合わさるのはスペルの差が無法なので許せない。
でもSivir/YuumiならZeri/Luluでスケール勝ちできる。
Zeri/Luluを潰し切るにはHeimerにVarus/Ashe/Caitlynあたりが必要。
その全部をバンするには枠が足りない。
Heimer先出しにはKarmaが安定。隣はJhinかEzrealか。
DPSが他レーンにいるならJhinの方がウェーブクリアの面で優秀。
開いてるならVarus取れるのがもちろん良い。
Eliseの影響でボットをポーク型にしてもよいケースが増えた。
じゃあ今ってVarusが一番良い? 実際良く見えるけど。
う~~~~~~~~~~~~~~ん……

ミッド・トップの先出し

上述の通りボットレーンのパワーバランスが複雑化し、言ってみれば後からどうとでもなる(成功しようが失敗しようが、中盤以降ある程度戦えるマッチアップを用意できる)ようになったこともあり、1stピックフェイズでトップやミッドのピックが頻繁に行われるようになった。

目を引くのはレッド側3rdピックでの先出しKassadinや、K’Sante+タンクJGのセットピック辺りか。K’Santeはそれまでレッド側4thピックが半ば定位置と化していた印象も強く、前半で確保されるのを見ると未だにギョッとする。
Ryzeなどもバンから漏れるケースが増えつつある。

異常サポート連中について考えてみる

・Caitlyn
タワーをたくさん殴れる。罠も置ける。ウェーブクリアが簡単で強い。

・Kalista
Rで隣を助けられる。タワーダイブでまあまあ便利。ジャングルキャンプをチェックできる。ドラゴンとバロンに触りやすい。

・Twitch
一生Roam宣言♪ レーンの強い対面をRoamしまくって拒否れる。お留守番する人が上手くないと無理。やってることは2JGに近い。
ここは正直、相手をしたBrionもNongshimもかなり上手く対応していたので、未知数の部分が多い。しっかり伸びたときのパワーはあるのだろうが、相手が下手くそなことを祈ってするピックってプロシーンでは成立しないんじゃ……。
多少差はつけられるものの、ちゃんと警戒されているとキルまではあと一歩届かない印象。まずボット以外にそこまで勝たせたいレーンってある?
一番カスだと思ってるけど、実は一番考えてみたいところ。

Week3まで追ってみて

色々とメタが回っている。
しかもそれが週ごとになので、見応えがあってとても楽しい。
何よりどのチームにもチャンスがありそうなのが良いですね。KDFもNSもなんとか一勝を挙げ、プレイ内容も徐々によくなっています。
上の三強も微妙に怪しい部分があったりして、順位表はまだまだ荒れそうです。

唯一心配なのはDRXですね。
是が非でも勝たなきゃいけないマッチをTwitchサポートで落としたのはメンタル的にもかなり痛い。チーム内の不和に繋がらなければいいですが。
JPプレイヤーとしては、Rascalが破格のスタッツを叩き出して頑張っている分、負け続きなのは見ていて胸が痛みます。

Week4も楽しんでいきましょう。

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