北村邦夫氏を批判する

朝日新聞「新型出生前診断を考える 不安や葛藤、私の場合」に、私のコメントが掲載されました。

https://www.asahi.com/articles/ASL9B7QFRL9BULBJ022.html

私のコメント「社会が追い込んでいる」の上に、「産む・産まない納得の上で」というタイトルで日本家族計画協会の北村邦夫氏がコメントしています。

氏の言うことには、なるほどと思う部分もあります。「産むか産まないかを自ら決められることは、歴史的に女性が勝ち取ってきた「リプロダクティブ・ライツ」(性と生殖に関する権利)の基本です」という意見は、女性たちが主張してきた大切な点です。

しかし、「理由が何であれ中絶をしようとする女性には、それが自分の人生で必要な選択だと納得した上で中絶してもらいたいです」という意見は、一足飛びだと私は思います。しかも、「新型出生前診断」に関する議論なのですから、当然その少なくはない理由には「胎児の障害の有無」はあるわけです。そのような選択的中絶と、そのほかの中絶とを区別せず、「理由が何であれ」と言うところに、北村氏の問題があります。

選択的中絶以外の中絶であるなら、私は最終的に妊婦の決定に委ねるよりないと考えています。「胎児のいのちが大切だから中絶をしてはいけない」とは思いません。しかしながら、選択的中絶の場合は、様相が一変します。「胎児の生の質によって、その胎児が生まれてよいかどうかを決定している」のです。これが、選択的中絶以外の中絶と決定的に異なるところです。

その上で、私のコメントをお読みいただければありがたいです。

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