書くとは、どういうことか #10
書くための環境を、どう整えるか仕事や家庭やその他諸々、様々な事情と制約をかいくぐりながら、何とか書くことを持続的になしていくには、どうすれば良いか。書いたものが孤絶のうちに死に絶え消え去るのではなく、曲がりなりにもほんのわずかでも、誰かに読まれ、その何滴かのしたたりが人を潤し、世界の幹と根と葉に沁み込んでいくようにするには、どのような技法と心構えと工夫が必要だろうか。
書くことを、自身の不安定な瞬発力に恃んでいては、それらが読まれ、他者に行き届く可能性は極めて小さい。いっとき