【情報セキュリティ回#9】大規模災害で増えるフェイクニュースの見極め方

令和6年能登半島地震の被災地の皆さまへの被害がほんとうに心配です。
これ以上拡大がないことを願うことしかできません。
被災・避難された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

今回の被災のタイミングから出てきたのが、フェイクニュース。

人が正常な判断ができない時を狙い、善意のふりして発信します。

とはいえ、画像技術の進化やAIの登場などで画像や動画を一瞥しても素人では見分けがつかないほどの技術レベルの現在、

あ、フェイクニュースだ!

と見極めるのは難しいのではないでしょうか。
見た目で判断できないとしたら、どこで判断したらいいのでしょう。

誰でもできる見極め方を数点紹介します。
フェイクニュースを経由した詐欺などの被害に遭う人が減るきっかけになれば幸いです。
(2024/1/14 見極めポイント③追記しました)


傾向を知る

そもそも、フェイクニュースは何のために発信するのでしょうか。

上記について、非営利組織「日本ファクトチェックセンター」様の記事でまとめられていました。

以下に引用します

こういった情報を発信したり、拡散したりする意図は何か。故意犯・確信犯・愉快犯の3つに分類することができる。

故意犯とは、それが誤っていると知りながら間違った情報を発信・拡散する例だ。例えば、Xではインプレッション数(閲覧数)に応じて収入を得るシステムがあるため、金銭的な目的でシェアされやすい災害関連情報を流す人もいる。

確信犯とは、それが正しいと信じて情報を発信・拡散する人だ。例えば、世界には人工地震で人を殺そうとする闇の勢力がいると信じる人は人工地震説を、原発は危険だから一刻も早く廃止すべきだという人は原発事故の情報を発信・拡散する傾向がある。

愉快犯は、人の注目を得たい、騙される人を見て楽しみたいという理由で間違った情報を発信する。

間違った情報を発信するアカウントを分析すると、多くの場合、この3つの類型に分類できる。同じアカウントが同じような情報を発信・拡散する傾向が強い。

日本ファクトチェックセンター様の記事より抜粋

上記からわかるのは、

自分の利益になるからフェイクニュースを発信している。

です。ココに見極めのヒントがあります。

見極めポイント①発信している人やアカウントを確認する

上記の記事にあるように、フェイクニュースを発信している発信元は、過去から同じようなニュースを発信している可能性が高いです。

なので、個人や企業からの発信なのであれば、その発信しているアカウントやメールアドレスを確認してみましょう。

政府や被災した地域の首長ですか?
被災地にゆかりのある団体の発信ですか?

上記でないなら
「フェイクニュースでない、と言い切れる理由がありますか?」と
自問しましょう。

怪しいなら、一旦は動きをとめるのがいいかと思います。
一旦は動きをとめるためにも、深呼吸しましょう。

直接被災していないのであれば、今その情報をを見て今すぐ動く必要もないはずです。

見極めポイント②発信しているサイトのURLを確認する

Yahooの募金サイトをかたった偽サイトが既に2024/1/3の時点で確認されています。

最近はサイトのデザインを一目見ただけでは正規のサイトか否か、判断がつかなくなりつつあります。

「URLを確認して、正規のサイトのURLと比較する」が、確認の手段として推奨とされいます。

しかし正直、どう比較したらいいか分からない人もいらっしゃるのではないでしょうか。

心配な場合は、少し面倒でも正規のサイトのメインページから該当リンク先をクリックしてみるのが確実で安心です。

Yahooの場合、Yahooのトップページ(yahoo.co.jp)から、募金サイトに進むと、正規のサイトにたどり着きます。

見極めポイント③インフルエンサーや芸能人の言うことをうのみにしない

情報が断片的な状態で発せられた情報は、誤っている可能性があります。

スピードを求めれば求めるほど、正確さが欠けます。
これは仕方がありません。情報がすべて揃った状態では遅すぎることが有ります。

避難の呼びかけは、スピード > 正確さ が優先されます。
人命に関わるからです。人の命は失ったら二度とは戻りません。取り返しがつかないのです。

一方で、スピードが求められない情報の場合は、正確さが大事です。
ある時点で情報がなかったことは、時間が経過されたことで情報がはっきりします。
結果的に、発した内容が誤っていることになります。

SNSや有名人が良かれと思って発した(そうではないこともあるかもしれません…)ことが、結果として誤りになることはあります。

上記を前提にできるなら、インフルエンサーや芸能人など、発した直後に扇動される必要はありません。

事実は現地にあります。現地から発せられた情報が正確です。
現地にいない人の情報は、どこか不足している可能性が高い。
一面でしか限定的な情報を見るしかないからです。

上記の場合、本人に悪気が全くない可能性があります。
「正義のために」と思っている場合すら考えられます。
なので、なおさら見極めることが必要です。

発する熱量と事実は別です。
「声の大きさ」に反射的に反応することもありません。
何もせずに正確な情報を待ちましょう。


まとめ

天災は日常からはかけ離れた、ありえない光景を作り出すことがあります。

その光景に驚き、他の人にも伝えたくなる感情はとてもよくわかります。
ただ、その光景は誰かが意図的に作成した創作かもしれません。

「創作かもしれない」と疑うことができること。

フェイクニュースで心を痛めないためにも、上記のように疑える知識を身につけてみてはいかがでしょうか。

フェイクニュースを作る熱意とスキルは、正しい情報の発信やこれから始まることになるであろう復興にぜひ使ってほしいな。が願いです。

以上です