インターネット決済について思うこと

今はインターネット決済は当たり前。紙の紙幣に代わってビットコインという電子通貨が流行り、それによって億の金を稼ぐ人がいる時代。ただし、インターネットが始まった頃、私は電子決済自体信用していなかった。

暗号化技術として、金庫や自転車のチェーンのダイヤルを回すような秘密鍵の暗号化技術は歴史が長い。ダイヤルの数字やパスワードが秘密鍵だ。ただし、大手銀行がインターネット振込を出来るようにした際、そんな技術をインターネットで使用してしまった。自転車のチェーンや金庫、キャッシュカードの暗号をATMで入れるぐらいならばそんなものでも十分かもしれないが、インターネットでは常識はずれだった。その大手銀行はすぐにそれを廃止し、2重認証に切り替えた。

インターネット使用される暗号化、認証で使用される技術は公開鍵方式だ。これはインターネットの時代の少し前。比較的新しい技術だ。それがインターネットでの電子決済を可能にした。

公開鍵方式の技術は簡単に言うとエントロピー増大の法則で、エントロピーが増加するのは簡単だが、元に難しいという法則だ。もっと簡単に言えばパズルを組み立てるのは難しいが、壊すのは簡単。壊すのは暗号化で、その設計図を元に組み立てるのが復号化だ。その設計図を持っていることでその人が本人であることを認証することも出来る。パスワードのように手で入れる必要もなく、電子の世界で持っておける。壊れたパズルが公開鍵だ。

公開鍵で暗号化された情報は、秘密鍵の総当りするように当てていけば、復号化することも出来るが、それにはスパコンのCPUでも気が遠くなるほどの時間がかかるように暗号化される。さきほどの大手銀行の秘密鍵なんて総当りしてもそんなに時間がかからない。

公開鍵方式は現在、それを解く方法は無い技術として、インターネットの暗号化に使用された。当時、CIAやFBIはその技術をCIAやFBIには解けるようにしておくように要請した。ファーウェイの5Gバックドアが以前問題になったが、当初からバックドアが要請された技術だった。つい最近、FBIがIPhoneのパスワードを解くようにアップルに要請し、アップルはFBIの情報管理に疑問を呈し、それを断るなんてこともあった。今や、国や軍よりも企業の方がセキュリティ意識が高い時代だ。

そんな公開鍵方式の技術だが、実はそれを開発した技術者はそれをインターネットで使用することに反対した。その技術者は今は完璧な暗号化技術でも将来それが解けてしまう可能性を指摘していたのだ。公開鍵方式が使用されて30年になるが、それが解けてしまう可能性が実はある。そうなると、電子決済は出来なくなる。ビットコインは無価値になる。現在、当たり前のように使用されるクラウドも出来なくなる。SNSはもちろんだ。

実は、最強のセキュリティはネットに繋がないことだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?