インフレ

働いている時代がずっとデフレだった団塊ジュニア世代が定年し始めるタイミングで直面しているインフレ。もともと終身雇用だとしても、退職金制度はほとんど無くなっているとしても、団塊ジュニア世代は就職も氷河期、定年もこの状態と恵まれていない世代だ。若い時は豊かだったつけが今になって来たとも言えるが。

12年前のアベノミクスと言われるインフレ政策。本当はもっと早くやるべき政策だった。バブル崩壊後のデフレ時代が日本の産業を潰してしまった。それでもインフレ政策を行わなかった理由は団塊世代の退職金を守るためでもあった。

団塊世代が定年を迎え始めるタイミングでバブル崩壊は起きた。バブル崩壊の理由はいろいろな要因があるが、その一つに団塊世代が引退して、内需を支えてきた団塊ジュニア世代が生産する側に回るという構造変化も要因の一つだ。

バブル崩壊という金融崩壊の後、デフレによる産業崩壊が起きた。バブル崩壊後も資本家には内部留保があり、その金は海外移転していった。この時代にいろいろもう終わっていたのだが、ここに来てのインフレ、円安。それまで取り繕っていたものがいろいろ剥げてきた。世界はついに円に見切りをつけた。このインフレは一過性のものには見えない。それまで日本はデフレにばかり恐怖してきたが、終戦直後のハイパーインフレ時代を忘れてしまっていた。

デフレはまだその国に価値があると世界に見られているが、インフレの国はその国の価値が世界に認められていない。今までの時代にもハイパーインフレで潰れてきた国を見てきたのにそれをずっと他人事だと思い込み、自分事とは思ってこなかった。

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