手のひらの温度と、心の温かさ
最近聴いている音楽の歌詞にこんなフレーズがある。
この一言で私は小学生の頃を思い出した。
友達の一人が言った、
「私の手、冷たいから心があったかいの」
という言葉。
そういえばそんなものあったよなー、とやっと思い出すような迷信。
小学生女子の無邪気で何気ない一言だったけど、私は勝手に傷ついていた。
「それが本当なら、私の手のひらはあったかいから、私の心は冷たいんだ」
言葉の裏側を造り上げ、無意味に傷つく、私はそういう子供だった。傷つきながら、誰かに肯定してもらいたくて、でもどう動けばいいのかわからなくて、気づいたらもう大人になっていた。手のひらと心の温度の迷信なんて、とっくに忘れていた。
そして今、私の求めていた言葉に、約10年の時を経て出会った。音楽と共に。
「そんな残酷なこと言わないでよ」、って言ってくれた。
言葉は時を超えて相手に伝わる。良くも悪くも。
だから大切に、紡いでいかないといけない。どこかの誰かの為に、そして自分のために。
だからいつか、新品のノートの一ページ目の高揚感とか、小学校帰りのやけに眩しかった夕日とか、「まだまだ子供でいてね」と言われたときの気持ちとかを、ふとした時に思い出して、それを自分でも言葉にしていたい。
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