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-グリークラブ-男性合唱組曲「御誦(おらしょ)」を聴く

今日は珍しくグリークラブの話になりました。私は高校時代に聖歌隊で活動していました。高校時代、関西では有名な大学のグリークラブが歌を披露してくれたことを話していました。

そこへ大学でグリークラブだったという人がやってきました。彼はグリークラブでトップテナーのパートだったそうです。メゾアルトの私より、高い声がでるはずです。久しぶりに音楽の話に花が咲きました。

懐かしい音楽の思い出がよみがえってきました。

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私の短大時代、コーラス部の友だちから他大学のコーラスやグリークラブのチケットが回ってきて、よく聞きにいっていました。

その中で、大阪大学のグリークラブのコンサートで披露された合唱組曲「御誦(おらしょ)」に衝撃を受けました。当たり前ですが男性合唱曲は女性には出せない声の魅力があります。男声の重厚な低音の響きと高音の美しさに魅了されました。カセットに録音したものを貰い受け何度も繰り返し聞いていました。

「御誦(おらしょ)」は隠れキリシタンのラテン語で祈りという意味のオラシオ(Oratio)が訛ったものだそうです。つまり隠れキリシタンの祈りの曲だそうです。

改めて調べてみると、作曲は映画やドラマでお馴染みの作曲家まさかの大島ミチルでした。こんなお仕事もしていたのですね。なるほど大島さんは長崎の出身でした。

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YouTubeを検索してみると、いくつかの男性合唱の「御誦(おらしょ)」が見つかりしました。いくつか聞いてみると、耳にあの頃の記憶がよみがえってきました。

そしてもう1つ

中学の同級生に、長崎の五島列島の隠れキリシタンの末裔がいました。彼のおじいさんに聞いた話を思い出しました。隠れキリシタンは葬式の時には、仏教徒ではないので、手を合わせることはできません。しかし手を組み合わせると、キリシタンであることがバレてします。だから手を体幹につけ直立不動で、その死を悼んだそうです。

そんなエピソードを思い出しながら曲を聴いていました。

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当時「御誦(おらしょ)」を繰り返し聞いて一緒に歌っていました。ある日弟が「姉ちゃんが、夜中に意味のわからないお経のようなものを唱えている。なにか宗教に入ったのか。」と親に告げ口をされました。

「そんなあほな!」と誤解はすぐに解けましたが、確かに夜中に聞くには、ちょっと不気味かもしれません。なんせキリシタンの祈りの歌詞ですから。

いつしか忙しさに紛れて、いつしかこの曲を聞くことがなくなってきました。「御誦(おらしょ)」のカセットテープは今もどこかに保管されているはずです。しかしカセットデッキがないから再生はできませんが。

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30年ぶりにYouTubeで「御誦(おらしょ)」を聴いてみました。

元グリークラブの人が言うには、最近はグリークラブも下火だそうです。それは少子化が問題か、コロナウィルスがそうさせたのかは分かりませんが、いずれにせよ寂しいことです。


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