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【学校法人シュタイナー学園】訪問レポート

コロナの影響で説明会もオンライン。実際に学校を見て編入学を検討したかったけれど、難しいかな、と思っていたところ・・・。

2021年10月藤野観光協会主催「藤野里山体験ツアー」で見学が叶いました。

学園は公立小学校の跡地で、校舎はしっかりとした建物。グランドはホームページのお写真や、オンライン説明会で見た印象より狭かったです。校舎の外壁は薄い茶色のようなピンク色のような、シュタイナー学校でよく見るあの模様。校門を入ってすぐ、藁で覆われたゲルのような小屋が見えます。毎年3~4年生の子どもたちが建てるのだそう。息子は丸太のアスレチックに駆けていき、観光協会の方に遊んでいただく間、私は校内を見学しました。

「大切にしたいことが、とてもはっきりとしている」とシュタイナー学校を見るといつも思う。子どもの発達に沿った教材選びと働きかけ、子どもの内から出てくるものを引き出す姿勢。その考えや選択のために、多少排他的な雰囲気が出ても、世間にどう思われようとも、思いを貫く感じ。時代の潮流の中、必要な教育はその時々で変わるのが多くの人たちの認識だと思うが、ここでの教育はきっと変わらない。

一緒に見学された方が真っ先に質問されたのが、部屋の蛍光灯を覆う布についてだった。シュタイナー教育では、一年生はまだファンタジーの中にいるような発達段階で、親や先生に大切に包まれながら少しずつ目覚めていく。だから部屋の壁も温かいピンク色で、布からのぼんやりとした明かりの中、学ぶ。神経に過剰に働きかける光が、自分の内に向かう静かな心の動きを妨げるという。心の動きを伴った学びのための、公立学校とは全く違った環境設定だ。帰宅してキッチンの蛍光灯の光が嫌に強く感じられた。

我が子を見ていても、小学校1年生の環境の変化と、求められる成長は劇的で、この変化に安心感が伴っているととてもいいのに…と一学期公立小学校に通わせて思う。

もう一つ、印象的だったのが「蝋燭」だった。その教室は、円形に椅子が置かれていて、中央に小さなテーブルと燭台があった。「静かにしなさい!!」なんて叱らなくても、先生が静かに蝋燭に明かりを灯すと、お話を聞く雰囲気が徐々に広がっていくのが想像ができる。蠟燭の明かりを見つめながら歌を歌ったり、先生のお話に引き込まれて静かにじっと聞き入っている時の空気感。子どもの時にしか感じられない神聖で不思議な雰囲気ってあるよなぁと自身の経験に照らして思う。その空間の思い出が、シュタイナー学園の一番の思い出、というお子さんもいるとのことだった。

ものすごく感覚に働きかける教育だから、その効果や子どもたちの中で起きていることを先生方が説明しようとすると、とても感覚的な表現になる。説明を受ける側も感覚を使って聴かなければここでの学びが理解できないように思う。

ここで育つ子どもたちは、感覚を伝える表現力が磨かれるだろう。その感覚を尊重されることで、自分が唯一無二の尊い存在と自然に思えるだろう。

そして、自由に自分を生きていくのだろうなー。


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