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学生が2年間YouTubeをやった結果

2021.12.27

いろんな人が一年の振り返り的なnoteを出していたので
周りに流されることにしました。
この記事では1年間の振り返りと事業モデルの解説、今後の展望を綴っていこうと思います。

前提として、万人が興味を持つ内容は目立つ形で書いていません。
興味がある方はしっかりと読むようお願いします。

1.自己紹介と経歴

【自己紹介】
大阪府内の高3YouTubeチャンネルを運営しており、その他株と仮想通貨をちょこちょこいじってます。ビジネスモデルについては4章で解説。

両親は二人ともロシア出身で日本で結婚しました。そのため見た目が完全に外人なのに日本語が話せると言うわけです。

学校は普通に通っており大学も普通に行きます。同志社と立命館あたりを受けるつもりですが、模試の判定がよかったため調子に乗り今日に至るまでほとんど勉強していません() 浪人確定だと思います。

ちなみにセンター試験まで15日、一般まで35日と剣呑さMAXな状況です。勉強についても後ほど触れますが、冬休みに入ってようやく焦ってきました()  


【経歴】
一言で言うとこんな感じ。

趣味のYouTubeがバレて私立中学を退学に(2017)

高校入学後金稼ぎとしてYouTubeを再開。
軌道に乗り半年後,売却して儲ける(2020)

YouTubeの可能性を感じてガチる…

今年(本題) 

こんな感じですね。めっちゃ省きましたがここからでも分かる通り相当面白いストーリーです。どうやってここまで行き着いたか、その過去については別のnoteを作ったのでそこでお話ししています。気になる方は読んでください!


2. 今年何をしたか,振り返り

では本題です。上記の経歴から接続する形で入りますね。

今年の動きのダイジェスト
1月 相場で遊ぶ
2月 相場で遊ぶ
3月 相場撤退
4月 YouTube復帰

ウハウハ

【勝因と出来高 まとめ】
・マネジメントと仕組み化を極めた
・採用を極めた
・部下が育った
・ある程度儲かった
・広告収入をつまらなく感じられるようになった


【失敗,反省点 まとめ】
・YouTubeCHはコモディティとしての流動性が欠けていた
・買収を持ちかけたときに反発するオーナーが多い
・ロジックを伴わない「こだわり」は逃げ。

【今年の動きのダイジェスト】

では今年のお話をしていきましょう。経歴については上記の別noteで記していますが、簡単に言えばM&Aで儲かったよというところで終わっています。今年はその続きからですね。時系列でお話しします。

ある程度お金が貯まったわけですが、ほとんど散財はしませんでした。では何をしたかというとズバリ、投資(笑)です。売却後もチャンネルを立ち上げてある程度収益を得ていましたが、かなり適当にやっちゃったのでそこまで結果は出ませんでした。代わりに仮想通貨のトレードと株に資金をぶっ込んで遊んでいましたね。

- 市場は厳しい

こうしてかなり時間と金を費やしてマーケットで遊んでいたわけですが、結論から言うと大損しましたね。2020冬-2021春は未曾有の好相場でしたがなぜそこで負けるんだと言うほど損しました。結果的に毎日数十万の資金を溶かすところで精神がやられ、2021の2月に撤退を決意。ちなみに相場から退場した途端寝付きと目覚めが良くなりました、本当です。やはり専業トレーダーはすごいと実感した日々でしたね。ただ大きな金額の変動に慣れ、動じなくなった点ではやってよかったと思っています。

- やっぱYouTubeだわ →ウハウハ!

3月ごろにトレードをやめ、同時に税金を払いました。これにより結構金が減ったことに気づきます。ようやく我に返った僕は再びYouTubeに戻ってきました。やはりここが居場所なのかもしれないですね。一日中パソコンの前でリサーチをし、一気に複数のチャンネルを再始動させます。

結果今年の利益はかなりいきました。
満足はしていませんが、学校に行きつつと考えたらある程度うまくいったのでは無いかと思います。
やはり僕は事務能力が低いので一人では到底成し得ません。ついてきてくれた優秀なマネージャー、制作部門のみんなに感謝をしています。
大事なのでもう一度言いたいのですが従業員の皆さんに感謝です。


【勝因と出来高】

上記のまとめについて深掘りしていきます。
前提として「面白い動画=リピーターがつく動画を作る能力」が
勝因の大前提ですが、それは話すに値しないほど基本なので省きます。

- マネジメントと仕組み化を極めた
まず今年は、マネジメントと仕組み化を極めた一年と言えます。去年は制作部門を僕が統括する方式でしたが、今年はマネージャー(ディレクター?)を採用し育てることに注力しましたね。
これにより実務を優秀な人に任せ、僕はひたすらチャンネルの中長期的な設計とアイデア出しに専念すること形を取ることができました。

その上で教育方法も確立できました。先に言っておくと商業目的のコンテンツ制作におけるマネジメントは困難を極めます。
例えば「飲食店」は、完全なマニュアルを正確に実行させることで回りますが、コンテンツは人間が見るものなので面白くないと逃げていくと。結果単純にマニュアルを厳守させる無機質的な統括ではうんこコンテンツ💩が出来上がります。企業運営のチャンネルはクオリティが高くても動画は別に面白くないケースが多いんですよね。一方、制作者の創造性(?)に任せるだけでもうんこコンテンツ💩が出来上がるわけです。
随分フワッとした表現ですが、双方に寄らない相手の創造性を引き出しつつも求めたことを的確に実行させ、結果としてよいコンテンツを作るマネジメントがかなりできるようになってきました。

- 採用を極めた
ここに関しては企業秘密の部分が大きいためあまり公開できませんのでフワッとした話をします。以下どうぞ。

肝はマネージャーです。具体的には採用する層を大学生の中のあるところに定めました。具体的にその「あるところ」がなんなのかは秘密ですが大学生である理由は以下。

・能力が高いのに評価されていない現状
・バイトしか稼ぐ手段がなく高い報酬を払うと頑張る
・暇

深掘りします。まずある程度の大学に通う人は潜在的な能力を持っているケースが高いですよね。しかし大学生の仕事といえばバイト以外なく、潜在的能力が正当に活かされるマーケットが存在しない。加えてバイトの賃金は安い。言い換えると優秀な人が、見合わない仕事で安く働いていると言う市場の歪みが存在するんですね。これは利用しない手がないと思いました。そして暇人の彼らに家で働きながら数十〜数百万円をもらえるチャンスを与えその上で正しく教育すると、えぐいほど頑張って成果を出してくれます。結果優秀な人材を育てた上で安く(ガチのマーケターは億単位でかかるので数百万は安いです)買うことに成功しました。

ただし停滞すると死にそうなので来年以降も研究を続けます。

- 部下が育った
自分の中では相当インパクトがある点でしたね。
例として一番面白かったのは採用した時はMAXレベルの初心者だった人が、数ヶ月後には自分でチャンネルを立ち上げ月に400万再生ほど取るようになったケース。あと編集をしてくれている子が会社を辞め専属の編集者になってくれたりと、かなり周りが育ったと思います。

-ある程度儲かった
これは上記通りですね。お金の使い道云々は次章に記します。

- 広告収入をつまらなく感じられるようになった
これは5章で深掘りします。

【失敗,反省点】

-YouTubeCHはコモディティとしての流動性が欠けていた
これは僕が身をもって感じたことです。
簡単にいうと、YouTubeチャンネルは売ってくれる人も買ってくれる人も多いと誤解していました。正確にいうと、「売ってくれる人」も多いと考えていたんですね。しかしこれが大きな誤ちを生んだのです。

今年の7月ごろ,たくさんのゆっくり解説チャンネルに対して買収を
仕掛けました。ところがそのうちの一人、ゆっくり政治チャンネルさんが
暴露動画を制作してしまったんですね。
見ての通り動画は50万再生を超えかなり大きな衝撃を与えたようです。
いくらの資金でいくらのチャンネルを何個買って育てれば利益がいくらで〜と、機械的な皮算用をしていましたが実際は「売ってくれる人」が非常に少ないということを学びました。

買収を持ちかけたときに反発するオーナーが多い

上項に重複しますが、買収を持ちかけたときの反発は物凄いものでした。
こちらとしては大きなお金をお支払いし、受け継いだものを成長させていくつもりでしたが正直予想できなかった結果です。
今考えるとライブドアのフジテレビ買収に似たような事件ですね。

-「ロジックを伴わないこだわり」は逃げ。
かなり強烈な表現ですが「ロジックを伴わないこだわり」や
「ロジックを伴わない高クオリティ」は禁物です。

今年はかなり多くのチャンネルを立ち上げましたが芳ばしい成果を出さなかったチャンネルの多くにはそのような点がありました。深掘りします。

結局いかにクオリティの高い映像やエフェクトを用いようと、ほとんどの視聴者は気づきません。もちろんこれが抽象的な作品のイメージを上げ
間接的に利益をもたらすケースもありますがYouTube上ではこれが
起こらないわけですね。

チャンネルを成功させる変数として当然クオリティの高さはすぐに思い当たるものですが、運営者の自己満足的な高クオリティ化は視聴者にとって「また見よう」という感覚を与えることに繋がりにくく結果的に制作費用とオペレーションコストのみが積み上がっていく形となります。

繰り返しになりますがアイデアが出てこない際にクオリティで勝負を仕掛けにいく戦略は、視聴者が求める本質から目を逸らした自己満足的行為であり逃げと言えます。

3.お金の使い道と生活の変化

これは話すほどでも無いと思ったのですが
複数のリクエストがあったので章にします。


-お金の使い道

大きなお金が入ったらみなさんはどのように生活しますでしょうか。
たけえ物買ってギラギラと散財したりする起業家(笑)はそもそも論外なのでほってといて、まともな範囲で言うと
①以前と変わらない
②限度ある生活水準の向上
この2つしかないですね。

結論を言うと、僕は①寄りの②です。

個人的にはギラギラしたお金使いに興味がないです。
ただ以下の変化がありましたね。
・コンビニで買うときは値段を気にしなくなったかも。
・必要なものを買うときも一切躊躇しなくなった。
・外食は基本毎日。
・あと自分の欲望を突き通したいときにお金を積むようになりました。例え  ば最近4年ぶりにiPhoneを買い替えました。今半導体不足でどこも在庫がないのですが唯一SoftBank店舗に一台。キャリアで買うと1万円ほど高くなりますが今日ほしい!って感じだったので迷わず買いましたね。

具体的にお金を使ったものは以下。
・MacBook pro m1 MAX
・iPad Pro
・iPhone 13Pro Max
・Win RTX機
・フィレステーキを毎晩食べ続けた(小並)

普通からすると贅沢めですが収入の割にはあんまりですね、
これからも謙虚に暮らしていきます。

-生活の変化

ゼロです。ゼロ。好きなものを食う程度であとは変化なし。
試しに一週間ほどタクシー生活をしてみましたが不便極まりない。大阪は中心以外タクシーが少ない上、雨の日は混みすぎて乗れません。なので移動は電動自転車ですね。
また、あまりお金を稼いでいることを周りに話すのが好きじゃないので誰にも何も言われないです。あいつは株で大儲けしていると言う根も葉もない噂が学校で流れているのですがあまり影響はないです。

-不登校にならないの?

これは必ず聞かれますが、なりません

理由はそこまで忙しくないからです。ちゃんとマネジメントができていれば学校生活がおろそかになる程時間がなくなることはあり得ませんよね。
また僕は天才じゃないのでどっちにしろ大学の卒業証書くらいは欲しいです。ほとんどの事例において、たまたまうまくいったからといって不登校になったりするのは自己の過大評価に過ぎないと考えています。
自分の能力を客観的に評価できる場合は別かもしれませんが…


4.当ビジネスモデルの解説と振り返り

さて、ここまで読んでいただいた中でイマイチ何をしているかピンとこない方もいると思います。この章では僕のビジネスモデルを解説することとします。

【目次】
 1.何してんの?
1.運営プロセス
2.組織構造
2.特長
3.利点と課題

-儲かるのに言って大丈夫なのか?

はい。問題ありません。
なぜならこれを言ったところでYouTubeチャンネルを伸ばす
技術がない99%の方にはできないからです。それを前提としています。
逆に言えば大枠と概念を伝えるので、どんどん参考にしてください!


-そもそもどういうビジネスモデル?

分かりやすく言うと投資会社のYouTube版ですね。

YouTube版投資会社
通常のYouTuberは広告収益等のフローを目的としますよね。
一方僕は非属人のYouTube事業を組織化し、仕組み化した上でノウハウを使ってバリューを上げた上で売却してキャピタルゲインを得るのが目的です。
YouTubeチャンネルとノウハウという資産を組み合わせ、
仕組みという付加価値をつけることで一種のコモディティとして扱っています。

規模感
具体的には月間利益の15-18ヶ月がバリューとなります。
月間利益500万円のチャンネルを作れば
7500万円で売却できるわけです。

PERに直すと1.5程度なので一般的なM&Aと比べたら低いですが
(2023.2月 月 今は売却の相場がかなり下がっています)

ビジネスを縮小することで僕でもうまくいきました。
例えば人を雇ってマネジメントしながらコンテンツを作るのは
一般的な企業組織を縮図化した上で模倣したものですし
安く買ったもののバリューを上げて売却するモデルも資本主義経済を小さい規模に落とし込んだものですよね。

これは事実をかっこいい言葉で並べているだけですが、あるものを縮小することで個人でもうまくいかせることができるというのは皆さんの参考になるところだと思います。


-運営プロセス

立ち上げ

ここは一から立ち上げるか、
小規模なチャンネルを買収するかの2パターンですね。

加速期

初期の間、必ず自分一人で運営するようにしています。理由ですが第一に綿密な世界観を作り込んで視聴者を惹きつけるため。この際のこだわりは凄まじく、サムネ1つに10時間以上かけることも。第二にある程度数字が回っている状態の方が組織への移管がスムーズ。

組織移管期

ある程度数字が回ってきたら、
担当を配置し教育しつつ段階的に組織へ移管します。

組織運営期

仕組みが安定したら基本的な判断と実務はマネージャーに託します。ただし中期的な流れで伸びが停滞したきた時は僕が介入して改善したり施策を打ったりします。またどんな商売でもそうですが、変化しないとシンプルに死にますよね。いつまでも同じものを作って残れるのはコカ・コーラくらいでしょうか(いえ,彼らでさえ常にマーケティングの最前線を張ってますね)。とりわけYouTubeはトレンドやアルゴ、視聴者の興味嗜好における変化が速いですから、ここについて行けずこける外注チャンネルは幾度となく見ました(特にゆっくり解説...)。やはり外注は楽に見えますからね。全投げして思考停止に陥ったオーナーのチャンネルはすぐに死にます。余談ですが最近はアナリティクスデータをcsvで出力して数値的なデータ分析するのにハマってます。この結果全てのチャンネルにおいて大幅な改善がありました。停滞は死なので、これからもどんどんいろんなことを試していきます。

売却期

ここは特に語ることがありませんが、1〜2ヶ月を進めてDD、リーガルチェック等を行い引き渡します。

-組織構造

以下うちの組織構造における特徴を箇条書きにて叙述します。

・生粋のオンライン組織
・超少人数

たった2個かよwwww 実はほぼ全ての従業員と会ったことが一度たりともありません。制作と連絡にSlack等を使うのは当たり前ですが、月に100万以上支払いをしている人とさえも会ったことがないです。売却の契約時、買主様にはかなり驚かれますね。
言うまでもないですが、オーナーが家にいようがどこにいようが崩れないオンライン組織は非常に快適ですし、身楽です。
また超少人数に徹底的にこだわってます。多くの外注系チャンネルは複数の原稿さん、編集さんに発注していますがうちでは原則それぞれ1人、多くても2-3人です。

粗利が高いのはどの企業でも一緒ですよね。しかしオフライン組織だと
オフィスを借りて、社員を増やし、交通費を支払ってあげ….
言い出せばキリがありませんがオフライン化すると利益が減ります。
オンラインで組織を完結することは支出を生まないことを意味しますので、
非常におすすめできるものです。

一方これらの特徴に対して対照を成す組織構造としてはキメさんのSNS運営代行事業が挙げられますね。彼がオフィスを借りて多くの部下と一緒に仕事をする光景は時たまTwitterで見かけます。(楽しそう)
実際僕はオフライン組織を構成したことがなくその良さもまだ知りません。未知の領域なので、いつか作ることがあればその時にレビューします。

-利点と課題

素晴らしいモデルが完成しましたね。誰とも会わずに家で寝ながらお金を稼げると。デメリットに関してはスケーリングと社会的地位でしょうか。Adsense収益はもはや頭打ちです(先日UUUMの決算資料にも同様の記載がありましたがそれとは異なるミクロな意味で)。

チャンネル単体で1000万/月ちょっとまではいけても、
流石にこれ以上は狙いにくいなと思っています。
また職質された際にYouTubeチャンネルを運営していますと答えても向こうからはニートとしか解釈されませんよね。話は今後の展望に続きます。


5.今後の展望

上記で叙述した通りAdsense広告に頼るビジネスモデルは頭打ち状態です。
他方、ここ二年でYouTubeを取り巻くD2C市場は華やかな進展を遂げました。

D2Cの可能性

ある程度商売に精通している方は、何を言ってんだと思うかもしれません。
実際D2Cはたくさんの賢い大人に食い尽くされた市場です。

しかし日本におけるYouTube上でD2Cを展開し成功した事例は数少ないものであると言えばどうでしょう。一旦成功事例を挙げます。

1.ヒカル ReZARD

アパレルで成功したD2Cは他にもありますがこれは規模が違いますね。

2.岡野武志 アトム法律事務所


岡野さんのアトム法律事務所等はショーツを逆手に取った巧妙なマーケティングにより知らない人はいないと言える存在になりました。
売上の情報は見当たらなかったもののエグいのは間違い無いでしょう。

3.竹花貴騎 MUP

この人の名前を出すとあんまりよく無いのかもしれませんが僕は好きです。
イケイケの金持ち感を演じていた頃は僕も結構憧れていましたね。
色々暴かれはしたものの、マーケティングがうまい点に変わりはありません。

特徴は?
3点挙げましたがどうでしょうか。
他にも複数ありますがあまり多くはないですよね。

「服」「弁護士」「ビジネススクール」これらはすべて100年以上前から存在しますが、彼らはそこでうまくいっています。極めて低い費用で高い知名度を得て、引き込み、自分の商品に辿り着かせたからに他なりません。

そこに必要なのはテクノロジーでもなんでもなく、
ズバリ「映像コンテンツ制作能力」です。


来年以降(大学入学以降)はこのパイで戦っていこうと思います。

では!

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