メディア取材はあくまで方便

昨日は、人生初ZOOMを使っての複数地域間の記者会見を主宰して、弊会で進めてきたプロジェクトのひとつの成果物について発表した。

うちのような小さな市民団体でも、ZOOMを用いれば低予算で、しかも地域をまたいだ記者会見が可能ということが確認できた。あとは発表するコンテンツとプレスリリースの書き方次第。それについてはまだまだ精進していく必要はあるだろうけど…。

さて、ながおか史遊会は発足当初より、メディアを用いたPR戦略に力を入れている。プレスリリースの出し方など、情報の発信の仕方にも多少明るく、また、塾頭の私がライター兼動画配信もしているため、自分たち自身のメディアも微弱ながらもっている。もちろん、まだまだ課題は山積みだけれども、広報手段のノウハウがなく、自分たちのメディアを持たない市民団体からみたら、とても羨ましく思われるだろう。

「なんでながおか史遊会はメディアPRに力を注いでるの?」「塾頭は目立ちたがりなの?」「タレントにでもなりたいの?」ながおか史遊会のメディア露出を表面的にしか見ていない人の中には、もしかしたらそういう疑問を持つ人もおられるかもしれない。

応えは、「否」だ。

素の塾頭を知る人はご存知かもしれないが、実は彼の本性は、実は人と会うのがおっくうで、出不精で、可能ならば自宅で終日引きこもっていたい、と考えているような人間だ。それがことに自分の活動、ながおか史遊会の活動となると、方針は180°異なる。どんなに良い活動、社会のための素晴らしい活動をしていても、そのことを多くの方に知ってもらわなければほとんど意味のない場合も多い。

市民活動団体は、活動している以上、ある程度は公器であり、公器である以上、なるべく多くの人たちに活動の内容を知ってもらい、支持してもらわなければ、そもそも市民活動として事業化していく意味がないと考えている。ながおか史遊会の場合、活動の内容はともかく、認知度も高いとは言えず、普段から活動資金の捻出にピーピーいっている団体だ。そんな団体が持続可能に活動していくためにも、多くの方に認知してもらい、参加してもらい、まきこむ母数を増やしていく。そうすることで、多くのファンになってくれた方から、資金を集めることが可能になり、またながおか史遊会の活動を通して、長岡の歴史や文化、ひいては新潟の歴史や文化に興味・関心を持ってもらう人たちの母数を増やしていくことにつながるのだ。

このような考え方が前提にあるので、ながおか史遊会にとっては、メディア戦略は活動の要。歴史系イベントの企画・運営と同等に力を入れているところではある。よって、会としては今後もメディア戦略、メディア露出は続けていくつもりではある。

ただ、とりあげられるのは別に毎回塾頭自体でなくてもよいと考えている。一般的なメディア戦略だと、どうしても会の創設者である塾頭にばかり取材スポットが当たりがちになり、いつの間にかながおか史遊会の取材=塾頭の取材という社会の印象になりがち。

でもそれは、少なくとも現塾頭の私が想い描いている図式ではなく、現塾頭がメディアに顔を出すのは、あくまで手段でしかない。キャラクター性、カリスマ性のある塾頭は、弊会の理念に照らし合わせて、全く必要ないと考える。だからこそ、今回のケースのように、他の誰かとのコラボ、という形式をとる場合、塾頭の私は別に全面的にでることなく、むしろコラボした方にスポットを当ててもらい、ながおか史遊会の名前はその方との関連事業とし広めていけたらと考えている。

塾頭個人は、個人名義でも十分活動できている。だからこそ、塾頭個人の知名度よりも、もっとながおか史遊会の知名度を上げていきたいのだ。塾頭ありきのながおか史遊会ではなく、ながおか史遊会という団体があって、たまたま会を現在は私が(一時的に)預かっているという社会的認知に持って行きたいのである。

なお、塾頭個人の活動をリリースする場合は、またこれと目的が異なる。それに関してはいずれ「郷土史家、歴史家がメディアに積極的に発信する意味・意義」として、まとめていきたいと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?